「見守る」ことは「放任」ではない。やる気を待つだけでは「放任」と同じ。

あの手この手を使いながらいい方向へ導いていくことこそ、親の役割と思っています。

 

しかし、良かれと思って導いた塾に躓き、背水の陣。

毎日勉強する習慣はついたのですが定期テストでは平均点よりマイナス15点。

どうするべきか、とても悩んでいます。

 

コツコツ勉強に取り組む本人の「強さ」を伸ばすべき、と思いつつもできない部分を見つけて対策を立てよう、とついつい言ってしまい子供は構えの姿勢に。

人生で勉強ができる事が大事なのではなく「できるように頑張る」ことが大事だとわかっていても子供にはうまく伝えられず泣きたくなります。

 


 

 

八方塞がりの悩ましい状況の中、大変おつらい気持ちと存じます。

おっしゃるとおり、やる気を待つだけでは「放任」と同じですよね。

世の中には「いつまでたってもやる気にならない」「成績が悪いのに、ちっとも危機感が無い」とボヤいてばかりの親御さんも多いのですが、「待つ」だけで状況が好転するのであれば、塾や教師や教育そのものも必要が無くなるでしょう。

前にテレビで流れる「やる気スイッチ」が話題になったのも、最近では「いつやるの? 今でしょう」が話題になったのも、実際には「やれない子供」が圧倒的に多いからですよね。(そして、それは社会人でも同じでしょう)

そういう意味で、そこを良い方向に導いていくことこそが「親の役割」だと受け止めておいでなのは、とても素晴らしいことだと思います。

 

ただ、親の支援も勉強も同じで、頭で「分かっていること」と実際に「できること」には開きがあるものです。

だからこそ、悩みも深いものになりますよね。

 

塾選びについては詳しい経緯が分からないため、その塾を評価することも否定することもやめておきます。

ただ、すでに失敗してしまった事はしかたないですから、今からできることに目を向ける時なのでしょう。

そして、塾のおかげかご家庭での努力の賜物かは分かりませんが、「学習習慣」がついたのであれば、第一歩目は進めていると言えますよね。

それならば、今度は「やり方」や「学習内容」を改善する段階です。平均点マイナス15点程度であれば、適切に対策出来れば平均点くらいまではすぐに取り返せるでしょう。

 

定期テスト対策は、「できない部分を見つけて対策する」やり方はあまり向きません。

できない生徒はできない部分が多すぎて、そこに目を向ければやる気が萎えてしまって当然ですからね。

それよりも、「これをやれば確実に成果が出る」と言えるような「やるべきこと」を明確に示して、あとはそれを「やるだけ」の状態に持っていくことです。

そうやって成果が出せるようになってから、順に「やるべきことを自分で決める力」や「もっと成果の出るやり方を見つける力」を育てていくのですね。

 

おっしゃるように、勉強ができることが大切なのでは無く、本当に大切なのは頑張ることです。

しかし、「ただ闇雲に頑張る」だけで無く「できるように頑張る」ことを教えないと、高校進学後や社会に出てから通用せずにお子さん自身が苦労することになりかねません。

何よりも(できる生徒ならばともかく)勉強の苦手な生徒ほど「できるようになった実感」が無ければ、「頑張る気持ち」が長続きしませんからね。

 

「どうすれば良くなるのか?」が分からないからこそ、思うように成果も出せず道に迷ってしまうのは、お子さんだけで無く親御さんも同じです。

今の塾(または新たな塾)に詳しくご相談に行っても良いと思いますし、本気で学ぶ気があるなら正会員をご利用いただいても良いと思います。

もちろん、過去のブログや毎回のメールマガジンでもお役に立てる情報をお届けしているはずですから、道標として少しでもお役立ていただけましたら誠に幸いです。

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。