やる気の出ない生徒が「先生、やる気が出ないから、やる気を出させてください」などと言ってくることがあります。「そんなこと言ってる時点で駄目だろう」と思いませんか?(笑)
保護者でも「先生、うちの子はやればできるのですが、ムラがあって・・・。やる気が続く方法は無いでしょうか?」などと聞いてきます。「やればできるのはほとんどの生徒であって、やる気が続く生徒ができる生徒ですよ」と思いませんか?(笑)
先生でも「生徒のやる気の出し方が分からない。どうしたらやる気になるでしょう?」と聞いてきます。「やる気さえ出させずに、あなたは普段何を教えてるの? そもそも、それを考えるのがあなたの仕事でしょう」と思いませんか?(笑)
文章の流れ上、全てに(笑)をつけてみましたが、人によっては全然笑い事では無いですよね。
教育で最も大事なのは、細々とした指導技術や指導内容ではなく、「もっと成長したい」「よりよく生きたい」というやる気や意欲を持たせることだと思います。そこがあってはじめて、教えた内容が身につくのですからね。
そういった点については、学校教育にしても塾にしても、非常に欠けている感が強いです。
また、やる気を出さない生徒に、無理やりやらせて習慣化させようとする保護者や教師は多いですが、これは完全に逆効果です。
自分の立場で考えてみてほしいのですが、無理やりやらせているうちに、はたして自分から進んでやるようになるでしょうか?
あなたが上司から無理やり残業を押しつけられていたら、突然「残業って面白いな」と思うでしょうか。あなたが家族から「今日の料理も美味しくないね。もっと頑張ってよ」と毎日言われて作り続けて、突然「料理って楽しいな」と思うでしょうか。
嫌なことを無理やり続けさせても、ほとんどの人は、もっと嫌になるだけですよね。
教育コラムなどで「今お子さんに勉強習慣が無いのは、小さい頃に学習習慣をつけなかったからですよ」と書いてあるのを読めば、そういう習慣をつけてこなかった親御さんが「それはそうだ」と納得するよりありません。
しかし、まだ子供が小さい段階でそれを見た親御さんが、「それなら、今のうちから強制的に勉強をやらせて習慣化させよう」とかんがえるのはやめてください。
大事なのは、自ら進んで取り組む状態を習慣化させることであって、他人から言われて嫌々やる状態を習慣化させることではありませんよね。
そこを間違えてしまうと、仮に強制で習慣化させることがうまくいっても、反抗期になった途端に、強制から逃れて、せっかくつけたはずの習慣が消えてしまうようなことにつながります。
ここはとても大切なところですから、ぜひとも心に留め置いてくださいね。
ところで、実際に生徒たちを教えていると、無理やりやらせていたら、そのまま楽しさに目覚める場合があります。
実際に、私たちの経験を振り返ってみても、嫌々やっていたら、いつの間にかそれが習慣になってしまったことはあるはずです。
そして、そうした記憶があるからこそ、子供にもそれを押しつけるのが大人というものです。
ただ、そう思うようになるためには、4つの条件があります。
もしどうしても、強制力を使って習慣化させたいのであれば、この4つの条件を満たすような関わり方をしてあげてください。
そうすれば、普通はうまくいかないこのやり方でも、習慣化させられるようになる可能性を高めることができるでしょう。
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楠木塾長
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