alice様から、お寄せいただいた教育相談のご紹介です。
はじめまして、
公立中高一貫校に通学する息子を持つ母です。
5年後の大学入試が変わるとニュースで知り、それならば、息子に合った勉強方法は何かを探しており、このサイトに出会いました。
限られた時間の中で、息子に合った勉強方法で正しい方向に努力させたいと思っておいます。
5年後の大学入試ではセンター試験がなくなり、到達度テストが導入され、英検やTOEICなどの検定試験が必修となり、本試験は面接と小論文が中心となるような感じだと理解しております。
先生のお書きになる内容がとても勉強になりましたので、先生のアドバイスをいただきたくメールさせていただきました。
息子は暗記力がかなり高く今までは暗記力でテストを乗り越えてきました。
数学と理科(生物以外)も中1レベルでは問題なくこなしています。
ただ、国語の読解力が苦手で、英語の長文読解を含め、どのような勉強をこれからやっていけばよいか悩んでいます。
先日論理エンジンで有名な出口先生の講演会に参加しました。
要は高度成長期時代の暗記模倣型の時代は終わり、論理思考できない人は勝ち残れないような感じにお話でした(要約しすぎているかもしれませんが)
小学校で詰め込み暗記型で成績がよかったお子さんは中2になると成績がさがり、勉強していなくて成績が悪い子は傷つかないが、勉強しても成績が下がる子は自信を失い傷つくとのことで、我が子が心配になってきました。
論理思考は重要だとわかりますが、学校で勉強しているだけではダメで論理的思考をしなさいと言われても、個人でそれをどうやってやっていくかの具体的な方法がわかりません。
毎日作文を書くなり、何かツールが欲しいと思っています。
また、大学がすべてではありませんが、やはり日本で生きていく以上、なるべく優秀な生徒さんが集まる大学に行かせたいと思っていますが、将来プラスにもなる大学入試に困らない勉強法は何であるかと、息子が中学に入学して以来探しております。
今のところしている勉強は、数学を毎日学校で習った範囲(体系数学)で復習をきっちりさせて、数学で自信をつけさせて、ほかの科目を引っ張っていければと思っています。
国語については、文法や漢字(漢検は準2です)は問題ありませんが、読解問題でつまづいてしまいます。
ちょっとしたことで、少しコツがわかったら理解できるようになると思うのですが、それをどのような形で具体的にさせたらいいかがわかりません。
闇雲に本を読んだり問題を解いても仕方がないし、正しい方向に向かってコツコツ努力をさせたいと思っています。
この具体的な勉強法が何であるか教えていただけないでしょうか?
また、英語は毎日しなければと思っています。
しかし、先生がおっしゃるように目的によって勉強方法が変わってくると思います。
しかし、英検が必修なのであれば、とにかく英検の勉強をするほうがいいのでしょうか?暗記力は高いので、単語は比較的すぐに覚えられます。
ただ、使える英語力TOIEC730点以上と言われているので、目標をここにするばらば、英検とTOEICの問題集を選んで勉強していくほうがいいのか。
もしくは中2で中学英語が終わるため、高校入試用の長文読解の問題をさせるのがいいのか、すべてをうまく配分してするのがいいのか、よくわかりません。
最近悩みすぎているせいか、本当に何をさせたらいいかがよくわからなくなってきました。
息子は賢くなりたいと思う気持ちが強いので、こちらがこういう方法がいいのではないかと示すと、比較的素直に取り組んでくれます。
また、勉強とのバランスをとらせるために、スポーツ(部活)もしっかりやっています。
ながながと大変申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
広いインターネットの中で、私の小さなブログを見つけていただき、誠にありがとうございます。
大学入試の制度変更は、実際に行われれば、受験にもかなり大きな影響を及ぼしそうです。
「実際に行われれば」と留保がつくのは、教育政策は時の政権の意向の影響を受けやすく、特に今回は文科省発案では無いため、もし今の政権が消費増税の絡みで支持率が低下して、政権が変わるようなことにでもなれば、大きく路線変更する可能性も否定できないからですね。
また、オリンピックイヤーの2020年をターゲットイヤーとし、今の中1が対象となる見方もありますが、抵抗勢力などの出現で改革がどんどん後のばしになるのは他の分野でもおなじみの光景で、制度設計が遅れればそのぶんだけさらに下の学年になりますから開始時期の特定も難しいです。
内容についても、中央教育審議会の報告書どおりに発展レベルが段階別評価(?)になれば、大学側は得点での合否判定ができず、また別の指標が出現する可能性もあるなど、改革の中身も現時点では全く不透明です。
ですから、書かれていたような英検やTOEICが必修になるかは何とも言えず、今のグローバルな大学間競争の激化を踏まえると、TOEFLやIELTSなどが採用されてもおかしくはありませんし、基礎テストのほうに使われるだけで、肝心の発展レベルは別のテストが用意される可能性もあります。
また、面接や小論文についても「それでは現状の学力低下の原因となった推薦入試と同じだ」との批判も成り立ちますから、改革が本気であるならば、もっと違う形になる可能性も否定できません。
現時点で完成形を予測してそこに対応させようとするのは、数年後の天気を予報するのに近いものがありますから、むしろぴったりを狙うよりも「どう転んでも大丈夫」なように準備するほうが、現時点では最もローリスク・ハイリターンの見方だと思います。
一方、出口先生の講演会については、最近あちこちで見かける、お決まりの論調だったようですね。
最後の結論部分で自分の商品やサービスの販売促進につなげるのも恒例のパターンであり、「個人でそれをどうやってやっていくかの具体的な方法がわかりません」は読解力不足と言いますか、要するに「論理エンジンをやりなさい」と言っているわけです(笑)
いつものように、個別の教材の是非については触れませんが、論理エンジンをやりたいと思えば通信販売をしているところもありますから、そこを使えと言う意味でしょうね。
ただ、実際には煽り過ぎの部分もあって、実社会やビジネスの世界では、確かに暗記型の人はどんどん必要とされなくなっていますが、受験については、様々な改善が行われてきたにも関わらず、今でも暗記型のほうが圧倒的に有利です。
大学制度改革でテーマの1つになっている「語学力」についても
※御返事はメールマガジン内でさせていただきました。
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楠木塾長
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