みかん様から、お寄せいただいた教育相談のご紹介です。


毎週メルマガ拝見してます。

どれも関心ある内容で、特に「無料相談」は共感するものが多く印刷してバイブルにしています。

 

さて、そんな私も前々からお聞きしたいことがありまして、メールをさせて頂きました。

それは「塾の先生の本音」についてです。

 

息子はやや内気で、自分から先生に話しかけるタイプではありません。

なので分からない所があっても聞けず、自主的に受ける小テストも受けれず、ただ授業を聞いて帰ってくるだけです。

先生から話しかけられることも少ないです。

 

一方、積極的に話しかけたりして(雑談も含め)先生に懐いている子は、先生の方からも話しかけたり補習をしてもらったりで手厚くしてもらってる印象です。

やはり先生も人間なので、懐いてくれる子は可愛くひいきもしたくなるのでしょうか?

 

遠回しに先生に聞いてみたのですが、「個人個人に合わせた対応をしている」「この子(息子)は今はそういう時期ではない(先生から働きかける)」という答えです。

先生なりの考えがあっての対応だと納得しようと思うのですが、実際懐いてる子の方が成績がアップしているのも事実です。

いやらしい話ですが、同じ料金を払っているので正直やりきれません。

 

しかしそれ以上突っ込んだことを聞く勇気もなく、毎日悶々としています。

中学生なのに、自分から行動を起こせない息子が幼いのかもしれませんが、そういう子にももう少し気をかけて頂けないかなと思うのです。

せめて「質問はないか?」とか、雑談とか…。

 

また、私から先生に何と言ってこちらの気持ちを伝えたらよいのでしょうか?

「自分の子をひいきしてくれ」と思われるのも怖いです。

 

私は「モンスターペアレント」でしょうか?

楠木塾様の率直なご意見をお願いします。

どんなお返事でも受ける覚悟です。

 

最後になりましたが、合格発表・新年度対応などで忙しい時期だと思いますが、どうかお体をお大事にして下さい。

これからも楽しみにしています。

 

(ご要望に合わせて、ほんの一部だけ手を加えています)

 


 

いつも大切にお読みいただきまして、誠にありがとうございます。

メールセミナーを印刷して保管いただいたと言う声はお聞きするのですが、ブログのほうは印刷しても読みにくいでしょうから、そうまでしていただいて嬉しく存じます。

ただ、教育相談をバイブルとして読まれていると、保護者と言うより先生並みになってしまいますよ(笑)

 

それでは、ご質問部分にひととおりお答えしながら、徐々に話を深めて参りましょう。

 

「先生も人間なので、懐いてくれる子は可愛くひいきもしたくなるのでしょうか?」

これは正解ですね(笑)

 

厳密には、先生によってどんな生徒をひいきしたくなるかは変わります。

懐いてくれる生徒をかわいいと思う先生は多いですが、反対に、一定の距離感を保った礼節のある態度を好む先生もいますし、かわいいと言うよりも少し小生意気なタイプを好む先生もいます。

中には、「自分が子供の頃に消極的で苦労をした」「自分も昔グレて先生に苦労をかけた」と言って、同じタイプの生徒に特に目をかける先生もいます。

 

これらは行き過ぎるとまさに「ひいき」ですが、「好み」や「相性」の範囲であれば人間である以上はしかたないですし、最後の例は「思想」や「信条」とも呼べるもので、むしろ良い影響のほうが大きいものです。

ただ、単純に「子供が好きだから」の理由で教師になる人が多い現実から、「懐いてくれるかわいい子供が好き」となってひいきに至る先生は多いですから、一般論としては問題のほうが多いですね(苦笑)

 

また、その先生が言う「個人個人に合わせた対応をしている」「この子(息子)は今はそういう時期ではない(先生から働きかける)」は、まさに大人が大好きな正論や建前論ですね(笑)

子供のほうが、こういう言葉の裏にある思いや真実を見抜くもので、大人の方はつい「そういうものか」と思ってしまい、時には「自分の考えは浅ましい」などと自己嫌悪する場面にもなりやすいです。

 

個々に合わせた対応と言っても、その基準は人によって大きく異なるものですし、「思想」も「ひいき」も結局は程度の問題だと、上の話を読めばお分かりいただけると思います。

それに、「今はそういう時期では無い」などと、まるで分かっていたかのように口にする先生ほど、実際は分かっていないことも多く、何も言わずにいるとそのまま何の働きかけも無いまま過ぎ去っていく例も多いです(笑)

専門的に言えば、「そういう時期で無い」ならば、そういう時期で無いなりの別の対応や工夫をしているもので、そこを感じさせるような説明やニュアンスが無かったのであれば、単なる正論(と言う名の言い逃れ)に過ぎないですね。

(なお、具体的にどんな指導が可能かは、ここで書くと話がそれますから、最後のほうでおまけとして紹介いたしますね)

 

もちろん、一般論として尋ねた場合は、その先生の答えで正解になります。

しかし、実際にそういうタイプの生徒を受け持っている場合には、その生徒の成長段階に応じた具体的に目に見える「他の関わり」をしていなければ、不正解になるわけです。

こういった具体的な問題がはっきりしている時の「見守っている」は大抵の場合ただの言い逃れで、子供に改善の兆候見られなければ、それは「何もしていない(=放置)」と同じですから。

(こういったあたりが一般論と具体論の違いであり、おもしろい部分ですね)

 

中学生でも自分から行動を起こせない生徒はたくさんいますし、それは社会人にもいくらでもいるのが現実ですよね。

むしろ、中学生の今の時期にこそ成長させてあげるべきで、それが十分にできていなかったからこそ成長しないまま社会人になって苦労している大人が(逆の立場で、苦労させられている大人も)たくさんいるわけです。

そういう意味で、お母様の感じておられる悶々とした気持ちは、至極まっとうなものだと思いますよ。

 

それでは、次の質問に参りましょう。

 

「私から先生に何と言ってこちらの気持ちを伝えたらよいのでしょうか?」

これは事前の知識が必要ですから、後でそれをご説明した後で、再びご説明したいと思います。

ただ言い方さえ間違えなければ、決して「モンスターペアレント」にはならないですから、そこはご安心くださいませ。

 

一般的に考えて、相応な指導が受けられているのに、それを超えて求めるのが「モンスターペアレント」であって、相応な指導が受けられていない時に改善を求めるのは、当たり前の話ですよね。

他の生徒の存在を無視して「うちの子だけ毎日先生のもとで特別に特訓してほしい」と頼むのはさすがに無いですが(笑)、ただ「声掛けしてほしい」と願うのは親として当然の感情であり、モンスターペアレントどころかクレームですらありません。

もちろん、それが通るかどうかは別問題ですから、その点も踏まえて、後ほどお伝えする内容が参考になれば幸いです。

 

さて、今回のテーマは「塾の先生の本音」についてですが、ある程度は学校の先生にも当てはまる内容では無いでしょうか。

実際に、生徒と先生の関係、もっとはっきり言ってしまえば、生徒が先生からひいきされているかどうかは、成績アップにおいてもとても大きな要素です。

先生から目をかけてもらっているほど、指導の手厚さや面倒見の良さもアップしますから、それを考えれば当然のことと言えるかもしれません。

 

このことは、学校の先生の場合は「内申点」として分かりやすく出てくることもあります。

一方、塾の先生の場合は「塾内での日々の指導」として反映されるため、親御さんからは分かりにくい部分があると思います。

しかし、実際に個々の生徒を良く見てみれば、先生から目をかけてもらってる生徒ほど、成績も上がってるものですよね。

実際に教えている感覚からしても、必ず上がるとまでは言えないですが、先生に懐いている生徒のほうが成績アップしている確率が高いのは間違いないです。

(もちろん、先生の指導力や相性も影響しますから、現実問題としては「誰に懐くのか」の問題も大きいですけれども)

 

そのため、内気で消極的な目立たないタイプの生徒は、どうしても損をすることになりやすいです。

もちろん、力のある先生は生徒の分からない顔に敏感ですから、生徒が聞いてこなくとも状況を把握しています。

しかし、そうであるように努力するのが我々指導者側の当然の責務としても、親御さんの側からすれば、それをいきなり全ての先生に期待するのは現実的ではありません。

実際、ひいきをしない、良心的で力もある先生を探すのが最良なのですが、そういう先生が身近にいてくれる可能性はあまり無いのが現実です。

そういう意味では、やはり「自分から聞けない生徒が損をする」のは、否定できないはっきりとした事実と言えるでしょう。

 

ただ、ここで話を終えてしまっては、責任逃れの塾や先生と同じですから(笑)、もう少し踏み込んで書いてみたいと思います。

続きは「正会員の専用書庫」でどうぞ。

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。