教育に関連するニュースをお届けしています。
今日お届けするのは、インターネットリテラシーに関する記事です。

 

中学校、生徒に「SNSのパスワード」提出させる 練馬区が謝罪 – 弁護士ドットコムニュース

東京都練馬区の中学校で、学校側が、生徒の利用するSNSのパスワードを書かせた書類を提出するようもとめていたことがわかった。練馬区教育委員会は12月3日、個人情報の不適切な取り扱いがあったとして謝罪した…

 

 

当然のごとく炎上してしまい、各方面から散々な言われようです(苦笑)

パスワードを提出させることも、そもそも書面に残すことも、どちらもすべきでないのはネットリテラシーの初歩中の初歩ですからね。

学校が子供に教える機能が無いどころか、学校には子供に教える資格が無いのではとすら思えてくる事件です。

 

ただ、このシートを作った教育委員会の意図は分かるだけに、少し同情します。

家庭で子供に初めてスマートフォンやSNSを与える際に、どういったルールを決めて渡せば良いのか分からないという保護者もいます。

これは、そういった方々に向けて、家庭で簡単に使えるマニュアルのようなものとして用意した、善意から出たもののような気がします。

実際に、何の準備もせずにそのまま無制限で渡すことを考えたら、これにしたがって家庭内でルールを決めるほうが、はるかに良いですからね。

 

ただ、問題を大きくしたのは、教育委員会のそういう意図を、中学校の側が受け止めずに、パスワードを書かせた状態で学校に提出させてしまったことです。

実際に、回収したのは複数ある中学校のうちのたった1つのようですから、この中学校があまりにお粗末だったというところでしょう。

普通に考えて、パスワードを提出させるなどというのはあり得ないわけで、それを「あり得る」と感じてしまったところに、その学校と先生たちのネットリテラシーの低さが見て取れます。

 

とは言え、そもそもパスワードを書面に残すこと自体がNGだというのは変わりません。

たった一言、シートのほうに「ここには直接書き込まずに、親御さんに伝えましょう」と付記しておけば、子供が書き込むことも、学校が提出させることもなかったでしょう。

授業だったら、そういう誤解を与えやすいプリントを作るのは、完全に指導力の低さの証明ですから、教育委員会のほうにも問題が無いとは言えません。

なお、その後の通知を見る限り、そもそも「書面に残すこと自体は正しい」と思っているようですから、やはり問題は根深いですね(苦笑)

まずは教育委員会や学校の職員(先生)のほうから、ネットリテラシーの勉強が必要かと思います。

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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