教育に関連するニュースをお届けしています。
今日お届けするのは、教育と年収格差に関する記事です。
教育と年収格差に関する話題は定期的に出ますが、これもその1つですね。
年収が学力に圧倒的な影響を与えるというのは、すでに他の様々な研究でも明らかになっています。
個人や会社としてならともかく、国として教育の改善を考えるなら、たちの悪い入試改革をしているよりも、世帯収入を増加させることを考えたほうがよほど的確だと言えてしまうくらいでしょう。
ただ、年収格差はすぐにどうしようもないですから、そうではないところで逆転できる方法を考えたいものです。
今回は世界11カ国を対象にした、なかなか大規模の調査ですが、結果は誰でも納得のいくものでしょう。
- 「将来なりたい職業はない」と答えた日本の子供は約30%
- これは世界と比べて高い水準
- 世帯年収が高い場合で約25%、低い場合で31%と、低いほど「将来なりたい職業はない」と答える傾向がある
- 他国のスコアと比較すると、年収による夢格差が最も大きいとも言える
要点は、ざっとこんなところです。
日本の子供は諸外国よりも・・・云々の話は、昔からずっとされてきたことですから、今回は横に置いておきましょう。
それよりも注目したいのは、その次のところです。
世帯年収が平均より高い場合には「親戚の医者や研究者の話を直接聞いて憧れを持った」などの声が聞かれた一方、平均以下の年収の場合は「スマホでYouTuberや芸能人を見て憧れを持った」などの声が特徴的となり、経験から見る夢とスマホで見る夢の違いが見られた。
「夢を持つ持たない」ではなく、「持つ夢の中身が変わる」というのが、重大な点ですね。
YouTuberや芸能人に憧れることの良し悪しを語るつもりはありませんが、少なくとも「学校の勉強を頑張る理由」になるかどうかは、お分かりいただけると思います。
要するに、持つ夢の時点で「だから勉強を頑張る」になるか、「だから勉強はいらない」になるかが、分かれてしまっているとも言えるわけですね。
ただ、これは年収による部分も否定はしませんが、それ以外の「生活体験」による部分も大きいです。
同じようにテレビを与えても、一方の子供は情報番組やニュース番組を見て、もう一方の子供はドラマやバラエティばかりを見て・・・としていたら、どちらの子供が、上の話のどちらの夢に近づくかは、簡単に予想がつきますよね。
別に親戚に医者や研究者がいなくても、今は情報化社会なのですから、それに関連した情報はいくらでも触れさせることが可能ですし、逆にスマホを与えたからと言って、YouTuberや芸能人に触れる機会が少なければ、そうはなりません。
これら以外の各種データからも、世帯年収が高いほうが有利なことは否定できませんが、決して年収だけが決定的な要因なのではなく、そこをひっくり返すこともできるということは、念頭に置いておきたいですね。
楠木塾長
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