教育に関連するニュースをお届けしています。
今日お届けするのは、休校中のオンライン授業に関する記事です。
ここまで頑張っている学校もある一方で、せいぜい宿題を出すくらいの、ほとんど何もしていない学校もあるというのが、何とも世知辛い現実です。
もちろん、実際には何もしていないわけではなく、3密対応の環境づくりでドタバタしていたり、よく分からない不毛な業務をさせられていたりするわけで、現場の先生が楽をしているわけではないでしょう。
しかし、肝心の生徒の側からすると、こうした授業動画を用意してくれるような学校と比べれば、それ以外の学校はほとんど何もしていないのと同じではないでしょうか。
そういった生徒視点が抜けてしまっているのが、最も痛いところかもしれませんね。
それはそうと、記事内の学校の体験談(?)は、他の学校への導入に際しても、とても参考になりそうです。
リーダーシップのある校長、高い意欲と柔軟な姿勢を持った民間出身の先生、ICT技術を持った先生、否定的にでなく前向きに参加してくれる環境・・・など、他の一般的な学校ではまず無理な気がします(苦笑)
不登校だった生徒もアクセスするなど、成功事例としてとても素晴らしいですし、他の学校にも後に続いてほしいですが、全く同じようにして広げるのは難しそうですね。
話は変わって、学校ではなく塾で教える立場として気になったのは次の文章です。
>オンライン授業動画は1コマ15分にした。生徒の集中力を考えてのことだったが、実際制作してみると、教室では50分で展開していた内容を15分に収められることも分かった。
新しい発見・・・のように書かれていますが、これはさすがに今さら感が強いと言いますか、当たり前すぎて開いた口が塞がりません。
もともと、学校でする50分の授業で伝える内容は、15分もあれば十分過ぎるくらいで、実際にそれなりの塾なら、それくらいコンパクトに教えています。
ですから、50分の内容を15分に収められるのは既知の事実ですし、実際に15分で収めることも、特に難しいことでも何でもありません。
しかし、実際には50分かけてしかできない指導というのもあるものです。
15分で伝えられることであっても、50分かけなければ伝わらない伝え方で授業をするなら、それはとても意味のあることですよね。
実際に、プライドを持ってそういう授業を展開している優れた学校の先生もいますし、そういう指導は、塾とはまたベクトルの違った素晴らしい指導だと思います。
そういう意味で言うと、「教室では50分で展開していた内容を15分に収められる」ことを、今さらになって発見しているとしたら、それはあまりにレベルが低すぎますよね。
最初から「50分もある」と思って授業するのではなく、いったん15分にまとめておいて、そこからあえて50分にふくらませることをするのが、プロなら当然考えるべきことです。
ただ、塾の授業や動画授業でも、本文中にある「黒板に字を書いたり消したり、そういうことで思ったより時間を使っていることが分かりました」を認識していない人が多いですから、あまり強いことは言えません(笑)
このことも、私からしたら新人研修で教えるレベルの当たり前の話なのですが・・・ネット上の授業動画でもできていないものが数多くあるのを見ると、業界全体のレベルはまだまだ低いのだろうなと思います。
こういった記事1つでも、「ああ、すごいな」と感心するだけで終わったり、「条件が良いからできるだけだ」とひがんだり、「こんなのは意味が無い」と斜めから見たりするのではなく、得るべき学びを得ながら、より良い指導を目指していきたいですね。
楠木塾長
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