yuko55様から、お寄せいただいた教育相談のご紹介です。
いつも有益な情報をありがとうございます。いつも、長男に当てはめて考え、非常に参考にさせていただいております。
中一の長男ですが、生まれた時から育てにくさを感じており、ずっと(家族に対して)反抗期的な態度をとってきました。中学に入学し、2度の定期テストを経験し、そろそろ少しずつ手を放す時だと私自身が感じ、こちらに相談させて頂こうと思いました。
長男は、簡単に言ってしまうと、自分のやりたいことをやる、親のいうことは聞かない、という性格です。他人には従順なので、外でのトラブルは全く起こしません。さらに、楽な道に流れようとする性格です。
長男にはいまだに手がかかります。困ったときには私がなんとかするだろうと思っています。これまでも何度も試行錯誤を繰り返しましたが、方向転換を試してみたいと、最近、私が思うようになりました。
長男も次男も、同じように育てたつもりですが、3年離れた次男は、手伝ってもらうことよりも、自分の力でやり遂げる楽しみ?を幼いころから感じているようで、今では、勉強も身の回りのことも、全く手がかからなくなりました。
長男の前回の定期テストでは、ずいぶん私が手伝いました。ヤマが当たったようで、全教科クラス1番(学年1番が複数教科あり)、もしくは2番という得点だったようです。ただ、私が疲れてしまい、今回、それを繰り返す気力が私にはありません。
自分で本を開き勉強する意欲が前回まで全くなかったので、今回は、やりたい勉強をやる気になった時にやらせました。良かった点として、本当の意味での「勉強量」は、今までに比べ、はるかにあるように見えます。ただ、私が内容を確認していないので、ヤマが外れれば、得点は前回よりかなり下がると思います。それを見た時、どこが悪かったか、分析する力は今の息子にないと思います。しかもつめが甘い性格です。技能科目はおそらくぼろぼろだと思います。(きちんと覚えたと言っていますが、正直そうは思えません。)
手を放すさじ加減が不安です。子供の性格は、100人いれば100通りだと思うので、さじ加減も同じように息子にぴったり当てはまるものはないと思います。しかも、私がやっていることは、少し強引な手放しの感が否めません。まだ中1で、内申点はとりあえず受験には影響ないので、今、やる気を育てたいと、半ば賭けに近いのですが、これまで子育てをしてきて、今ではないか?と漠然と感じました。1をとってもおかしくないような点が返ってきてしまうかもしれません。効果があれば、もしかしたら年明けの学年末テストあたりであらわれてくるかもしれません。
塾にも中1になって行き始めました(家庭学習の意欲がゼロだったため、と、私と勉強してもいらいらしてしまうため)。最近まで、塾は行くもの、と(本人が思って)まじめに通っていましたが、今回のテスト勉強を経験し、塾に効果があるのか?と初めて疑問に思ったようです(大手塾です、家から近いので決めました)。「じゃ、辞めて家庭学習してみる?」と聞いてみましたが、それは不安があるとのこと。塾での予習が魅力の様です。今まで自力で予習できたことがない子です。上手に私に説明できないようでしたが、息子から感じ取れるのは、もしかしたら、塾に行かなくても、実力は伸びるのではないか?と少しずつ感じ始めているのではないかと思います。
ある短期的な状態だけ、集中力を出す(しかしやる気が出ないときは何を言ってもダメ)、というような息子に、効果的な親のサポートはあるでしょうか?短期であれば集中力はあるようで、暗記テストは昔から高得点で、暗記のために苦労している様子は昔からありません。その反面、応用力はありません。応用問題(文章題)は、暗記に頼り切っているせいか、既に学んだものを利用する力がなく、大半の場合、答えを出すのに相当苦労しているようです。ですので、既に応用問題に苦手意識が植えつけられています。高校についても、漠然と、トップ校を目指したいと楽天的に考えているようです。ただし、努力できないタイプなので、受験が今より現実的になってきたら、目指す意欲が下がるのではないでしょうか?本来なら主人にももっと相談に乗ってもらいたいのですが、仕事で忙しいことと、努力しなくてもそれなりに生きていかれる、という考えなので、残念ながら、具体的な相談に乗ってもらえません。
ご指導よろしくお願い致します。向上心を持つ喜びを経験させてあげたいです。努力せずに夢をかなえようとするのは現実的でないことも理解させたいです。将来の夢は教師(中学の英語の先生)と今は言っていますが、これもちょっと楽天的な印象がありました・・・(笑)。
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1月にお返事を頂けるとのご連絡を読みました、ありがとうございます。
前回ご相談差し上げてからお時間が経ってしまったので、少し修正のご連絡をしたほうがよいかと思い、書かせていただきました。
定期テストの結果は、心配していたほど悪くありませんでしたが、予想通り前回より少し落ちたので、やはり、私がもう少し手伝った方がよかったかな?というのが率直な感想です。声をかけないと自分から勉強することはいまだにないのですが、一言言ってほっておけば始めるようになったことは、ほんの少し前進したかなと思います。そして、今日の先生の記事を読んでまさにその通りと思ったのですが、長男は、分からないところを避ける勉強を繰り返していたようです。昨日、久しぶりに一緒に机に座った時、答え合わせをしないで終ろうとしていたので、驚きました。とにかく、量をこなすことばかり一生懸命で、質が伴っていないようです。そういえば、小学生のころから、分からないところを教えようとするとすごく嫌がっていました。このあたりが全然直っていなかったようです。そしてここが、次男の勉強スタイルとの大きな違いであることも思い出しました。このあたりもご教授いただけますと嬉しいです。
追加でいただいたメッセージも続けてご紹介させていただきました。
今回のように、「同じ親から生まれた子供なのに、性格やタイプが全く違う」とお感じの親御さんも多いのでは無いでしょうか。
親子間でも性格は大きく異なるように、兄弟姉妹と言えども全く別の人格ですから、理屈で言えばそうなるのは納得がいくところです。
しかし、実際に教えていても、兄弟で性格が「同じ」ことはまず無く、「似ている」どころか「正反対」の方が多いのでは無いかと感じてしまうほどです(笑)
よく「子は親を見て育つ」と言いますが、実際は「上の子は下の子を見て育つ」や、その反対も言えるもので、実際に子供と深く話してみると、本当に細かいところまで良く捉えて参考にしていることも多いです。
もしかすると、そういった環境面での影響もあるのかもしれませんね。
ただ、それはまた別の話ですから、ここでは「個々の子供に合わせた対応をしていく」という大原則にしたがうことにしましょう。
それでは、順に御返事して参ります。
「子供が望むことをやらせる」によくある勘違い
今回の場合、下のお子さんが手のかからない状態に育っているわけですから、根本的な親御さんの関わり方が「依存を促す(自立を妨げる)関わり方」になっていると言うわけでは無さそうです。
もちろん、上の子に気が行ったことで、自然と下の子が自立しやすい環境になり、その結果として上の子ばかり手が掛かるような状況になる場合もあります。
兄弟で全く同じ育て方はできませんから、個々の関わり方を見れば異なるところがあったかもしれないことは、改めて思い返して見ても良いかもしれません。
ただ、兄弟姉妹でも生まれつきの個性の違いはあるものですし、生まれた頃からの状況も踏まえると、もともとそういう傾向が強いお子さんだった可能性も高そうです。
たったこれだけの話で正確な判断ができるはずもありませんが、ADHDとは行かないまでも、そちらよりの傾向があるようにも感じますから、もしそうであれば、苦戦されながらも、むしろ上手に育てて来られたのかもしれませんね。
なお、ここで私が言いたいのは、実際には「細かい技術の話では無く、根本的な部分で依存を促す関わり方になっている親御さん」もいらっしゃることです(笑)
そして、今回はそれに当てはまらないという前提で話を進めて参りますね。
まず、お子さんのようなタイプには・・・(続きは省略)
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楠木塾長
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