今週のメールマガジンで、「勉強法入門 ~成績アップのために親ができること、やるべきこと~」について、『感想や反響がほとんど無く、十分な価値を提供できていない』との記述がありました。
私のメールセミナーはすでに2か月前に終了しておりますが、遅ればせながら感想などお伝えします。私としては多くの気づきや学びを得ることができました。
(セミナーをはじめた動機)
我が家の中3女子は、塾も家庭教師も拒否するため、小学校の時から継続している通信添削とその教材を活用し(その度合いはさておいて)独学しています。
成績は決して悪くはありません。中2までの定期テストは概ね400点前後でした。さすがに中3になってからは数学、英語など積み上げ型の科目での取りこぼしが増え始め、成績の低下傾向が見られる状況となってきました。
いまどきの中学生にとって成績を下げる要因はいくらでも(!)あるのですから、「『~親がやるべきこと~』を読めばきっと、何か良い方法を知ることができるかもしれない。」というのが、メールセミナーを申し込んだ動機です。
それまでの間、ブログやメルマガなどで塾長の考えに多くの共感を抱き、信頼と期待を感じていたことがもちろん前提となっています。
(感想など)
受講中は、「親のサポートとは」「理想の塾はない」「やる気を出した後が大切」「勉強法」「教材の選び方」など実に多くの点でなるほどと感じさせられます。
しかしながら「じゃぁ、我が家では一体どうしたらよいのか?」との疑問に対する具体的な答えはなかなか見つけることができません。
そして第41回「独学合格に絶対必要なこと」、さらに最終回「理想の勉強法とは?」、、、、。
受講後の感想をあえて一言でいえば「少々がっかり、本音はやっぱり。」とでもなるでしょうか。
しかしブログやメルマガを通読していれば「絶対の必勝法や攻略法は存在しない」ことなど当たり前のことです。
そして、このセミナーは、塾長がご経験されてきた「成績アップをのぞむ親がしてはならないこと」を裏返しにして作成したものでは?と思い当りました。
勉強であれ、それ以外のことであれ、子どもに最後まで関わっていくのは親をおいて他にはなく、状況に応じて塾や家庭教師などの専門家の力を借りることがあっても、親は自らが主体者であることを見失ってはならない。と今は理解しています。
塾に丸投げして良い結果がでることもあるでしょうが、悪い結果となっても引き受ける覚悟が親には必要です。
国・自治体等が運営する公的教育機関であっても、親に相当の覚悟が必要なことは、いじめの対応や体罰などの現状をみれば明らかです。
健康や安全の確保すら困難なのに、月謝を払うだけで成績アップを願うのは無理な相談です。
(塾長をはじめとする一部の良心的な指導者の方々には当たらないので、言い過ぎなのですが、、。)
(むすびにかえて)
我が家の中3女子のやる気は未だに目覚めません。しかし、塾長がおっしゃるものとは異なるかたちでの「自立的な学び」が成長し始めているように感じられます。
学校の勉強でもそれ以外でも、興味があればかなり難解なことも一瞬で理解し記憶します。
興味のないことであっても学校の勉強なら、一応は理解しますが演習はゼロです。テストの成績は平均よりやや上程度です。そのうち忘れてしまうでしょう。
アニメやアイドルに夢中で耳に入らないこともありますが、親子の会話は、日常の出来事はもちろん、政治経済、芸能、歴史など、幅広い分野で楽しく続きます。風呂場から聞こえる娘の歌声は大きな喜びです。
少々気恥ずかしいところもありますが、こんな関わり方も「やる気を引き出す」ことになっていると思っているのですが、塾長はどのようにお考えになりますか?
ご感想をお寄せいただきまして、誠にありがとうございます。
多くの気付きや学びがあったことは嬉しく存じますが、最後の感想が「少々がっかり」ではいけませんね(苦笑)
今回は過去最高の失敗作だったと思います。
最大の敗因は、いろいろな内容を詰め込みすぎて、結局どれも中途半端になったことと、最終的な「結論」のようなものが提示できていないことでは無いかと感じています。
もともと、今回のコンセプトは「長期に渡るメールセミナーを提供することで、部分的にでも活かせるところを活かしていただきながら、勉強に対してアンテナの感度を高めていただき、お子さんへの関わりを継続的でより深いものにしていただく」ことでした。
他のメールセミナーを「短期配信の連載ドラマ」とするならば、こちらは「何となく毎日続けて見ているニュース番組」のように、仮に1回くらい読み飛ばしても成立するようなメッセージをお届けしていたイメージですね。
結果的に、誰にでも当てはまりそうで、誰にもぴったり来ないような、漠然としたセミナーになってしまいました。
また、「成績アップをのぞむ親がしてはならないことを裏返しにして作成したものでは?」については、まさにそのとおりです。
だからこそ、「これは駄目」「あれは駄目」が中心となり、具体的な「これが良い」「あれが良い」の提示が少なく、最終的な読後感の悪さにつながってしまったのだと思います。
とりあえず、今回のセミナーはお蔵入りとし、ご期待に応えられなかった部分については次回作に期したいと思います。
「塾に丸投げして・・・」からのご意見は本当に素晴らしく、まさしく私も同じ思いです。
しかし、「健康や安全の確保すら困難なのに、月謝を払うだけで成績アップを願うのは無理な相談です。」とは、言われてみて納得ですね(笑)
本当に、今まで当たり前だった健康や安全の確保すら得られなくなってしまいましたから、それ以外のことでもあまり高望みはできないのかもしれません。
だからこそ、良い指導がお届けできれが価値のあることですから、そのための仕組みや仲間づくりを真剣に考えていきたいとも思います。
なお、お子さんの「興味があればかなり難解なことも一瞬で理解し記憶します」は、変化のための極めて重要なポイントになり得ますね。
要するに、学校の勉強でもそれ以外でも、興味を持たせてしまえば良いわけですから。
本来私の考える「勉強を教える」とは、「無理やり理解させて覚えこませる」ものでは無く、「興味を持たせて、自ら覚えるように仕向ける」ものです。
また、演習についても、「進んでやりたくなるような形で与えて、気づけばたくさん演習していた状態に持って行く」ものです。
他の先生方とこの話をすると、定義の時点で言い争いになってしまうわけですが(笑)、こうした基本的(かつ理想的)な指導が受けられれば、お子さんは自然にもっと学びを深めていくことができるでしょう。
ただ、こうした関わりはプロである教師がすべきことで、親御さんがご家庭ですべきなのは、まさに書かれていたような日々の関わりです。
政治経済、芸能、歴史などのジャンルを問わず、何事も「学校の勉強」で無い形で話すほうが生徒の身になりますし、将来の選択にも影響を与えるもととなります。
私の場合も、授業内外問わず、政治経済、歴史、法律、社会制度、文学、健康、美容、ファッション、金融、ネットリテラシー、社会学、心理学、どうでも良い雑学知識から最先端の科学や物理学など、できるだけいろいろな話をする中で、受験勉強では無い向学心を持たせたいと思っています。ただし、芸能は疎いですね(笑)
さらに、そうした話をどんどん振って、取っ掛かりや引っ掛かりを作り出し、そこから将来の展望や心から興味の持てることを見つけ、やる気の源泉を生み出し、勉強や日常生活改善への前向きさを引き出すこともできます。
「やる気」を出すための一番簡単で一番効果が高いのは、子供の内面から湧き出てくるそうした気持ちですからね。
ただし、親や教師の持っている知識や価値観の幅の範囲内でしか生徒には伝わりませんから、こちら側の人間的な幅の広さも求められるのは言うまでもありません。
ぜひ、今後もそうした関わりを密にされて、お子さんの興味関心の先を広げていくと共に、本来最も優先されるべき「笑顔あふれる幸せな家庭」をこれからも大切にしていってくださいませ。
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楠木塾長
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