テストでのケアレスミスの減らし方が分からず、悩む方が毎年たくさんいます。

今回は、ケアレスミス対策として、簡単な対処法をご紹介しましょう。

 

ケアレスミス対策としてよくある効果の薄い方法

まずは、ケアレスミスについての正しい知識を得ておきましょう。

 

多くのところで、ケアレスミス対策としてよく言われているのは、おおよそ次の流れでしょうか。

  • テストの見直しをして、間違いの傾向を分析・把握する。
  • ミスをいくつかのパターンに分類する。
  • 間違い直しノート(ケアレスミスノート)を作る。
  • 間違えた問題を繰り返し練習する。
  • テストの最後に見直しをする。

普通の人が読めば、とても納得のいく流れだと思います。

 

しかし、この方法で取り組んでいる生徒や、教えている先生が過去も含めて山のようにいて、それでもケアレスミスがなかなか減らない現実があるということも忘れてはいけません。

実を言うと、「間違い直しノート」は、とても有名な方法ですし、かなり効果的な勉強法でもあるのですが・・・あくまでも「ケアレスミス対策」という視点で見ると、実はあまり効果的とは言えない方法です。

実際、私がケアレスミスの多い生徒を指導する時、わざわざこの方法は選択しませんし、本人がやりたがって試しにやらせてみた時も、あまり効果がなくて途中でやめさせてしまいました(笑)

もちろん、これがぴったりくる生徒もいるため、いつでも間違いという極端なことを言うつもりはありませんが、全ての生徒に奨める一般的な方法とするのは、ちょっと(かなり)問題があるでしょう。

 

一方、これらも含めて、ケアレスミスの原因と対策として、よく挙げられるのは次のものですね。

  • 字が汚い → 丁寧に書く
  • 暗算する → 途中式をちゃんと書く
  • 解答欄への転記ミス → 最後に見直しをする
  • 問題文を読み間違える → 印をつける

学校や塾の先生が口にするのはもちろん、本やネットなどあちこちでよく書いてあるものばかりですね。

けれども、実はこれらも正直あまり効果が無い方法ばかりで、少なくとも私は指導の中で言うことはほとんどありません。

こんなことをするよりは、よっぽど「体調を整える(睡眠、心配事、ストレスなど・・・)」のほうが効果が期待できます(笑)

 

一般的なケアレスミス対策が効果を発揮しない理由

それでは、どうしてこれらのやり方があまり効果的でないのでしょうか?

それは、これらの方法が本質的に、注意不足のはずの生徒に、注意力を要求するものになっているからです。

 

「ケアレスミスが多い生徒」というのは、普通よりも注意力が不足している生徒たちですよね。

私たちでも、ご飯を食べる時に「姿勢を正して!箸は正しく持つ!いただきますしなさい!もっとよく噛んで!選り好みしない!ほら次はこっちも食べて!見た目や香りも味わいなさい!ちゃんと器を持って!・・・」といろいろ言われたら、味わうどころではないですよね?(笑)

もともと、たった1つのことでもミスをしがちな子供ともなれば、あれもこれもと細かいことを求めるのが逆効果なのは分かりきっています。

 

それなのに、間違いを分析し、間違い直しノートを作って、それを覚えて、テストの時に思い返して間違えないように気をつける・・・という、普通より注意力を要求するようなことをいくつもさせて、果たしてうまく実践できるでしょうか?

もちろん、かなり学力レベルの高い生徒なら大丈夫ですが、それ以外の層にいるケアレスミス対策が必要な多くの生徒たちにそれを期待するのは、明らかに無理があります。

要するに、注意不足の生徒に対して「もっと注意しなさい」という矛盾した指導になっているわけで、「それがすぐにできるなら、ケアレスミスなんか最初からしていないよ」という話なのですね。

 

参考までに1つずつ見ていくと・・・

 

字が汚い → 丁寧に書く

もともと字が汚い生徒にとっては、字を綺麗に書くのは至難の業ですよね。

そもそも、「言われてすぐに書けるなら、最初から書いている」という話で、ちょっと言ったくらいで直るようなものではありません。

実際には、むしろ問題を正確に解くことよりも、字を丁寧に書くほうにこそ注意力が求められるくらいです。

 

暗算する → 途中式をちゃんと書く

暗算のほうがミスが起こりやすい生徒がいるのは確かにそうです。

しかし、暗算でミスが増える生徒のほとんどは、計算力が低いからであって、注意力の問題ではありません。

また、途中式を書くと、それを書いている最中に間違える可能性が発生するため、計算力さえ高ければ、むしろ暗算のほうが計算が正確になる面もあります。

これについては、そもそも「ミスを減らすために途中式をちゃんと書かせる」という指導自体が間違いなため、ピントはずれと言っても良いでしょう。

 

○ 参考:ミスを減らすための途中式の書き方についてはこちら。

途中式は書かないと駄目?

 

解答欄への転記ミス → 最後に見直しをする

テストなども含めて「最後に見直しをしなさい」はとても良くある対策法ですよね。

しかし、日本中の学校・塾・家庭で、今も昔も言われ続けていることであり、それで問題が改善していない以上、あまり効果が無いことも証明してしまっています(笑)

これももちろん使い方次第では効果を発揮するのですが、普通にやってもあまり効果が無いことは正しく踏まえておくべきでしょう。

 

問題文を読み間違える → 印をつける

問題文に印をつける指導は、世の多くの先生が大好きなものですが、これも別に決定打とはなりません。

もちろん、これが効果を発揮する子供もいますが、逆にこの作業が邪魔になって、ミスが増えてしまう生徒もいるのが本当のところです。

やるだけ損は無い方法のようにも言われますが、「注意力に欠ける生徒」に「印をつけることに注意力を割かせる」という時点で、リスクもデメリットもある方法であることには注意したいですね。

 

1つずつ見てきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

「ケアレス(注意不足)ミスの多い生徒に、いきなり高い注意力を求めること自体に無理がある」

このことは、直感的に考えても当たり前のはずの話なのですが・・・なぜかそれをさせる人が多いのですから、何とも変な気持ちになってしまいます。

ぜひ、ここの本質的なところで間違えないようにされてくださいね。

 

それではどうすれば良いのかという話ですが、その前に大前提となる話があります。

 

ケアレスミスには2つの種類がある

まず、ケアレスミスには大きく2種類あることを知ってください。

 

(1) 普通ならしないおっちょこちょいなミス

  • 問題用紙にはAを選んでいるのに、答案用紙にはなぜかBと書いていた。
  • マークシートをすべて1つずらして塗りつぶしていた。
  • 「僕は太郎です」を「僕は犬郎です」と書いてしまった。

 

(2) ちょっとした小さなミス

  • 単純な計算ミスをしてしまった。
  • テストが終わってから読み直すと分かるのに、テスト中は違う意味にとらえてしまった。
  • 単語のスペルミス、英文の語順ミスなどがあった。
  • 漢字ではねるべきところをはねなかった。

 

これらのミスは、どちらも「ケアレスミス」と呼ばれますが、実は全く違うものです。

なぜなら、言葉どおり(1)はケアレス(注意不足)によるミスであるのに対し、(2)は注意不足かどうか以前の、そもそも分かって(覚えて)いないことによるミスだからですね。

もっと言えば、(1)は「本当ならできていたはずの問題」であるのに対し、(2)は「実力不足で、間違えるべくして間違えた問題」なのです。

 

よく、ミスを「思い込み」や「うっかり」など、いくつかのパターンに分類する人がいますが、ケアレスミスをなくす上で大切なのは、そういった表面的な分類ではありません。

ここの「できるはずの問題(を注意不足で間違えてしまった)」と「できるかどうか怪しかった問題(を普通に間違えただけ)」という本質的な違いに注目することが、ケアレスミスを確実に減らすための第一歩です。

 

しかし、生徒だけでなく、親や先生にも2つを混ぜこぜにしている人がとても多いです。

原因を取り違えたまま思いつく対処法をしてもうまくはいきませんから、何が違うのかを知った上で、それぞれに合わせた対処法をとることがとても大切です。

お子さん(または自分)がどちらであるかを思い浮かべながら、続きを読み進めてくださいね。

 

続きは「正会員の専用書庫」でどうぞ。

 

 

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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