• 「勉強しても、ちっとも成績が上がらない・・・」
  • 「成績の上がる勉強法なんて、本当にあるの?」

そういう気持ちの人も少なくないと思います。

そこで今回は「絶対に成績の上がる勉強法」の見つけ方を見ていきましょう。

 

個々の生徒に合った勉強法の見つけ方

全ての生徒に共通の方法は無い

まず大前提として「どんな生徒でも、絶対に当てはまる!」と言えるような勉強法はそうそうありません。

もちろん、全ての生徒に共通した「おおよそ誰がやってもうまくいくよ」と言えるような勉強法もいくつかあります。

例えば、小さい頃からアメリカに住めば英語が話せるようになる・・・のは、勉強法と呼べるか微妙ですが、かなり確実性の高い方法ですよね(笑)

しかし、多くの勉強法は「ある生徒には効果があるけど、別の生徒には効果が無い」というものなのです。

 

考えてみれば、これは当たり前のことですよね。

「十人十色」という言葉もあるように、子供たちは皆それぞれ全く別の個性を持った別人です。

好きな食べ物も違いますし、理解力も記憶力も違いますし、性格も考え方も違います。

違うところばかりなのに、不思議と勉強法だけは全く同じになる・・・はずがありません。

 

それに、成績を上げると言っても、その時々に勉強する内容は大きく違いますよね。

定期テストと入試では全く違ってきますし、教科や単元もいろいろありますし、100点を目指す人と平均点を目指す人とでも全然違います。

また、小学校・中学校・高校・・・と、教わる内容や環境がどんどん変わっていくのですから、それに合わせて勉強法も少しずつ変わっていくのが自然というものです。

それに、その生徒の発達段階に応じても変わるわけで、数学が苦手な生徒向けの勉強法で成績がうまくアップしたら、今度は数学が得意な生徒向けの勉強法に切り替えていくべきに決まっています。

 

いつでも誰でもできるような、絶対に成績の上がる「唯一の勉強法」は存在しません。

そんな調子の良いことを言っているのを聞いたら、「誰でも儲かる」と言っているのと同じだと思って、疑ってかかるようにしてください。

 

しかし一方で、絶対に成績の上がる、その子に応じた「最適の勉強法」は必ず存在します。

それを見つけるのが、学生時代の最大の目標の1つとも言えますし、指導する側の力量の分かれ目とも言えます。

 

もっと言えば、もともと「自分に合った勉強法を見つける」こと自体が、学校で学ぶ目的の1つです。

それさえ見つければ、高校、大学はもちろん、大人になってからも使えるわけですから。

 

直接習う知識そのものよりも、学び方や頭の使い方のほうが社会に出てから役に立つものです。

「絶対に成績の上がる勉強法」を見つけたいと思ったら、そういう視点を忘れないでくださいね。

 

○ 参考:数学が苦手な生徒向けの勉強法はこちら。

○ 参考:数学が得意な生徒向けの勉強法はこちら。

 

全員一律のやらせ方は、基本的にピントはずれ

ここまで書いたことは、おそらくほとんどの人が納得すると思います。

それなのに、多くの生徒が実際にしている勉強法がどうなっているか・・・一度思い返してみてください。

 

ほとんどの学校は、「勉強」を教えることはしても、「勉強法」を教えることは滅多にしませんよね。

その点、「宿題」と「定期テスト対策」が勉強法の指導に近いわけですが、生徒個々に合わせたやり方を示すどころか、どちらも全員一律のやり方を強制してきます。

使うワークが全員一緒ですから、難易度も傾向も全く一緒ですし、やる範囲もページ数も一緒ですから、取り組む問題まで全く一緒です。

下手をすると(しなくても)、ワークの解答欄の使い方、ノートの使い方、答え合わせのしかた、繰り返す回数・・・といった細かいところまで一律で強制もしてきます。

 

これで効果的・効率的な勉強をしろと言うほうが無理なわけで、たまたまそれが合う一部の生徒以外には、努力の割に力のつきにくい勉強法になってしまっています。

(ただし、あくまで「つきにくい」であって、「つかない」わけではないところが、批判を受けにくくする厄介なところでもあります)

 

それでは塾はどうかと言うと、やはりそこでも一律の宿題や、一律の教材を強制してくる悪習がまかり通っていますよね。

集団指導で授業中に使う教材が一律なのは当然ですが、なぜか宿題や課題も一律の教材を使いますし、取り組み方も一律で指定してきがちです。

学力別クラス編成をしているのが裏目に出るのか、せいぜい「上のクラスはここからここまでで、下のクラスはここからここまで」と雑な指定をしたくらいで、ちゃんと個別対応をした気になっているケースも多いです。

(中には「塾は学校と違って勉強法を教えるところです」と耳あたりの良いことを言っておきながら、全員一律の勉強法を強制するような低質なところもあって、誤認させやすいという意味でも何かと厄介です)

 

一方、個別指導なら大丈夫かと言うと、意外とそうでもなく、使っている教材はなぜか隣で座っている別の生徒たちと全く一緒・・・というケースが少なくありません。

せっかく個別に指導できるのですから、個人別に教材も使い分ければ良いのに、「中1だったらこの教材、中2だったらこの教材」と、始めから使う教材が決まっているような個別指導塾も多いです。

百歩譲って、汎用性の非常に高い教材を使っているから、あえて全員同じにしているのだとしても、生徒によって使い方を大きく変えることもなく、取り組む単元のページを前から順にべったり・・・では全く意味がありません。

自分(や子供)の通う個別指導塾がそういったタイプの指導をしていたら、そこは形式だけの個別指導で、ちゃんとした「個別指導」にはなっていないと思ったほうが良いでしょう。

 

○ 参考:成績の上がる勉強法を知りたいならこちらもチェック。

 

効果的な勉強法は生徒によって変わる=見つけ方が重要!

全員一律の勉強法が非効率なのは当然として、それではどういう勉強法なら良いのでしょうか。

 

実のところ、大抵の勉強法は、個々の生徒の学力や性格などによって効果が変わります。

本やネットで「最も効果的な勉強はこれだ!」「このやり方で東大に合格した!」というキャッチコピーを見かけることも多いと思いますが、これも合う合わないは生徒次第です。

全く同じやり方で成果が出る生徒もいますが、かなり工夫しないとうまくいかない生徒もいますし、どうしたところでうまくいかない生徒もいます。

別に、そのやり方が正しいわけでも間違っているわけでもなく、純粋に「生徒によって合う、合わないがある」という話なのですね。

 

だからこそ、よくある情報を鵜呑みにするのではなく、自分に合うものを見つけ出したり、自分向けに応用させたりしながら利用していきましょう。

それと同時に、1つ合う方法が見つかったからと言って、「この人(本、サイト)のやり方が至高だ!」と思い込み、他の方法まで鵜呑みにするのもやめましょう。

教科によっても違うこと、目的によっても違うこと、さらには、自分の成長度合いによっても違ってくることを忘れないでくださいね。

 

ついでに言うと、そのあたり(生徒に合うものを見つける、生徒向けにチューニングするなど)が教師の力の見せどころです。

そして、それこそが私の得意分野でもあるわけですが、実際に見たこともない生徒にとっての最適な方法を教えるなどという魔法のようなことはさすがにできません(笑)

ですから、このサイトで出てくる勉強法も、あくまで選択肢の1つとして受け止めつつ、細かい部分や他の可能性については、メールマガジンの教育相談コーナーなどを利用してくださいね。

 

○ 参考:効果があると言われる先取り学習も同じです。

 

正しい勉強法の見つけ方と、生徒の個性に合わせた調整(チューニング)のポイント

せっかくの機会ですから、実際の指導で、どういった点に注意をしながら調整やチューニングを行うかを、参考程度に書いてみましょう。

いろいろな本やサイトの情報を参考にする際にも、このブログ内の勉強法を利用する際にも、大前提としてこういった点に注意してくださいね。

なお、実際はもっとはるかに細かいところまで考慮していますが、あくまでも参考ですから、かなり大雑把に書いていきます(笑)

 

(1)現状の学力

対象生徒の「今の学力がどうか?」によって、勉強法は必ず調整が必要になります。

実際に、生徒によって得意教科、苦手教科は大きく異なりますし、同じ教科の中でも得意単元や苦手単元は異なるものです。

また、同じ単元内でも、学習項目や要素によって得意、苦手が分かれるものです。

ついでに、数学や英語などの積み上げ型の教科ですと、既習範囲の理解度もかなり影響してきます。

 

また、テストで測ることのできる学力だけで無く、テストには出てこない学力もあります。

例えば、「集中力、記憶力、継続力、理解力、忍耐力、処理能力、速解力・・・」などですね。

こういったあたりを踏まえて分量ややらせ方を調整しなければ、時間ばかりかかってやる気が萎えてしまったり、やりはしたものの成果が出ないといったことが往々にして起こりがちです。

 

○ 参考:学力に合わせた勉強法の例はこちら。

 

(2)性格

優しい、冷たいといった性格だけでなく、落ち着きがあってのんびり、慌てん坊で間違えやすいなど、勉強に関連する部分での性格が重要です。

また、性格と似たところとして、親からの自立具合や精神年齢なども関係してきます。

もちろん、各教科に対する好みや捉え方、勉強自体に対する好みや捉え方、勉強以外への興味関心、生徒の価値観などを踏まえることも大事です。

ここは勉強法だけでなく、生徒のモチベーション管理の鍵の1つになってくるところですね。

よく「やる気スイッチ」と言いますが、本気でやる気スイッチを探したければ、まずはここのところから把握しましょう。

 

○ 参考:やる気についての記事はこちら。

 

(3)今までの勉強法

生徒それぞれに親しんできた勉強法というのがあり、それを無視して「これが良いよ」と与えても失敗することが多いです

単純に、慣れ親しんだ勉強法以外の方法だと、コツを掴むまでに時間がかかってしまいやすいです。

また、勉強法にも相性があるため、変更前後の組み合わせが悪いと、いくら良い方法でも前より悪くなることさえあります。

勉強の中身以前の、勉強法の習得につまずいてしまうわけですね)

 

また、たまたま生徒にぴったりの方法だとしても、教師が良いと思うものを生徒にやってもらうには、一定の「信頼」が必要になります。

小さい子供ならまだしも、反抗期に差し掛かる中学生が、いきなり親や教師から「今日からこの方法でやりなさい」と言われて、「はい、そうですか」などと従うはずがありません(笑)

 

実は、巷の勉強法や教材をそのまま使っても効果が出ないのは、このあたりも大きく影響しています。

新しい塾に行った場合でも、まず大抵の塾は「前はどんな勉強法をしていましたか?」とは、なかなか聞いてくれませんよね。

大抵は、自分の塾のやり方を説明し、指導(という名の押しつけ)をするはずです。

 

しかし、方法さえ正しければ良いのであれば、塾に通いさえすれば(または、世の中に溢れた勉強法を参考にすれば)、みんな成績が上がっているはずですよね。

個々の生徒の今までの勉強法を踏まえた上で、新たな勉強法を提示することがとても重要です。

 

○ 参考:今までの勉強法は大丈夫ですか?

 

(4)学校(塾)での授業の受け方

学校や塾でどういった授業を受けているか、そして生徒がどういった受け方をしているかも大切です。

よく問題になる「ノートの使い方」が代表例ですが、それ以外にも課題の与え方、指導方針など押さえておくべきことがたくさんあります。

 

○ 参考:正しいノートの使い方はこちら。

 

ここでよくある不幸が、塾と学校で指導の方向性が違うというものですね。

学校では理解に偏った指導をし、塾では暗記とテクニックに偏った指導をする・・・聞いたことのある話だと思います。

別に理解偏重と暗記偏重の指導が必ずしも悪いわけでは無いのですが、実際には「理解に偏った指導」といっても様々な指導の方法があり、こちらも上で書いた指導の組み合わせが重要になってきます。

 

話を簡単にして、例えばワークの使い方1つとっても、学校で「直接書きなさい」と言われ、塾で「直接書いてはいけない」と言われては、生徒にとっては効果的な勉強法以前の話ですよね。

残念ながら、学校と塾は協力体制にあるとは言えず、どちらの教師も「自分が正しい」と思い込んで、自分のやり方を生徒に指導(という名の押しつけ)をしてしまいがちです。

要領の良い生徒は難なくこなせるため放っておいても大丈夫ですが、そうでない生徒の場合にはこういったところの調整もしてあげるのが教師の役目の1つです。

特に「学校の成績」を上げたい場合は、学校の指導をしっかり踏まえる必要があるため、ここははずせません。

 

○ 参考:問題集を使った勉強法の例はこちら。

 

生徒の個性に合わせた勉強法を見つける難しさ

こういったことを親や家族が家庭内だけでしっかりと見きるのは、なかなか難しいと思います。

それが簡単にできては、その道のプロである教師の存在価値が無いですしね(笑)

ですから、まずは身近な先生に相談するのが無難な道でしょう。

 

それでは、学校の先生に相談したらどうかと言うと・・・ほとんど100%に近い確率で、期待する答えは返ってきません。

学校とは、そもそも画一的な方法論を押しつけるための場所ですから、そこに「うちの子にぴったりのやり方を・・・」と願うのは、かなり無理があります。

一部の良心的な先生であれば、ちゃんと話を聞いてくれるでしょうが、学校には個別の勉強法に関する「ノウハウ」自体が無いですから、能力的な意味でまともな答えが期待できません。

せいぜい、先生自身の自分の体験談を元にしたアドバイスをくれるくらいで、「お子さんに合った勉強法」という意味では、見当外れのやりとりになってしまうことでしょう。

 

そこで、多くのご家庭が「塾」に頼るわけですが、残念ながら、普通の塾でここまでの指導は期待できないと思ってください。

なぜなら、現実には多くの塾で「塾が生徒に合わせて指導する」ではなく、「生徒が塾に合わせて授業を受ける」といった方針で行っているからですね。

このスタイルのほうが多数の生徒を均一化して教えやすく、会社としては利益が出やすいのです。

 

これは個別指導や個人指導という名の塾であっても同じです。

「個別指導」という名前がついていると、何だか個別の対応が期待できそうな気がしますが、実際は「形式的に個別で指導する」だけで、本質的にやっていることは集団の塾とあまり変わりません。

特に、塾の決めたカリキュラムや教材を押しつけてくる、大手チェーンの個別指導などはその傾向が強いですからお気をつけください。

 

○ 参考:塾に通っているのに定期テスト対策が不十分なケースも多いです。

○ 参考:塾の定期テスト対策で不十分なのはこんなところも。

 

ついでに、家庭教師だともう少し柔軟に対応してくれそうですが、実は大手の家庭教師チェーンは個別指導とあまり変わらない仕組みになっているところが多いですから、注意してください。

また、完全に個人で教えている先生でも、結局は「その先生にそういった力量があるかどうか」が問題になってきますから、よくいる「勉強法ではなく、ただ勉強を教えるだけ」のタイプの先生だと、期待はずれに終わります。

 

そもそも、こういった指導を適切にするには、それなりに高い指導力が要求されるわけで、学校だろうと塾だろうと家庭教師だろうと、そういう先生に巡り会えるか次第と言えます。

そして、そういう先生がたくさんいるなら、「勉強を頑張っても成績が上がらない・・・」などという理不尽な問題は起こらないわけで、現実にはそういう先生がとても希少な存在であることは明白ですよね。

そういう意味でも、身近に良い先生が見つからなければ、生徒自身かご家庭内でどうにかするしかない・・・という話にならざるを得ないわけですね。

 

現実には、学校どころか塾すらも頼りにならない場合が多いですから、どうしても家庭内で何とかしないといけない場面が出てくることになります。

しかし、プロのはずの先生でも難しいことなのですから、ご家庭内だけで完結するのはかなり難しいことなのも否定できません。

その結果、そういったことが自力でできる「もともとできる素質のある子」や「もともと恵まれた環境にいる子」ばかりがうまくいって、そうでない子はちっとも逆転できないという厳しい現実があるのも事実です。

なかなか難しい問題ですが、一挙に全てが解決するようなうまい話はどこにもありませんから、まずは自分の身近でできるところから頑張っていきたいと思っています。

 

少なくとも、今回のように「絶対に成績の上がる勉強法(=個々の生徒に合わせた最適な勉強法)をどうすれば見つけられるか」を考える際の「視点」に触れる機会はなかなか無いと思います。

そういう意味でも、以上を少しでも参考にしてくだされば幸いです。

サイト内で手軽に学ぶ「勉強法ツアー」はこちらからスタート!

 

○ 参考:正しい勉強法選びのために。

 

 

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。