「子供の勉強の面倒をどうやって見たら良いか?」で頭を悩ませる親御さんは少なくありません。

もちろん、学校に全て任せられるなら良いのですが、実際はそうも言っていられない状況の子供も多いですよね。

何しろ、学校だけでなく塾にまで通わせているのに、なぜか家庭でも面倒を見なければならないという、わけの分からない状況に追い込まれることも少なくないのが現実です。

 

親が家庭で子供に勉強を教えるべき?

子供が小学生の内は、親が勉強を教えるのもわりと日常的ですよね。

正直に言うと、小学生こそプロが教えたほうが良いケースも多く、「内容が簡単で親でも教えられるから」というだけの理由で直接教えるのは考えものです。

しかし、小学生は下手な先生でも教えられてしまうがゆえに、力不足の先生がとても多いですから、そういった人に当たってしまっては元も子もありません。

それよりは、心理的な距離が近く、熱意を持って教えられる親御さん見たほうが良いケースも多いため、どちらが良いと一概には言えません。

 

一方、もっと年上の高校生はどうかと言うと、勉強のことからは自然と手を引く家庭が増えてきます。

もちろん、単純に「内容が難しすぎて分からない」という理由で、口出ししたくてもできない家庭もあるでしょう(笑)

ここまで来ると、教えるべきかどうか迷う家庭は少ないはずですから、これは横に置いておきましょう。

 

それでは、その間の中学生ではどうでしょう。

指導内容は難しくなってくるものの、勉強の得意な親御さんなら余裕で教えられるでしょうし、得意教科だけを教えることなら、多くの親御さんでも可能なはずの内容です。

一方で、反抗期・思春期にかかってきますから、知識的には教えることが可能でも、子供が耳を貸してくれなくて成立しないという可能性も高くなります。

もちろん、「中学生になってまで、親が見て良いものかどうか・・・」と、不安に感じるところもあると思います。

 

そういった事情もあって、実際の対応は家庭によってかなり分かれるところだと思います。

そこで今回は、これから家庭で子供の勉強を見ようと思った際に役立つ、「中学生の勉強を親が見る際のチェックポイント」をお伝えしましょう。

家で教えている親御さん、できるだけ独学をさせたい親御さん、塾が頼りないためにフォローせざるを得ないような親御さんには必見かもしれませんね。

 

○ 参考:教えるなら正しい勉強法にしたいですね。

正しい勉強法の選び方 ~成績アップのための3つの勉強法~

途中式は書かないと駄目?

 

子供のタイプを最優先する

まずは、お子さんが次の3つのどのタイプに当てはまるかを考えましょう。

  • 「塾に行ったほうが伸びる子」
  • 「塾に行っても変わらない子」
  • 「塾に行かないほうが伸びる子」

当然のことながら「塾に行っても変わらない子」「塾に行かないほうが伸びる子」については、家で教えても全く問題ありません。

後に出てくる注意点を気にかけながら、上手に教えてあげてください。

 

一方「塾に行ったほうが伸びる子」については、塾に行ったほうが無難です。

もちろん、家で教えてうまくいくケースもあるのですが、可能性をつぶすことになる場合のほうが多いです。

 

そうは言っても、「そもそも自分の子供がどのタイプなのかが分からない」とお思いの方が多いはずですから、このチェックポイントは、プロに相談しない限り参考にはならないかもしれませんね(汗)

しかも、近所の塾などに相談したところで、「うちに通わせるのが一番良い」と言うに決まっていますから、全く参考にはなりません。

そういう意味では、生徒や保護者にとって本当に必要な情報は、どこでも手に入らないというのが現実かもしれません。

 

ただ、いきなり塾に通うことにお金と時間を使うよりも、この点について知ることにエネルギーを費やすほうが、はるかにプラスは大きいと思います。

指導法や教師のミスマッチほど、生徒にとって不幸なことはありませんからね。

お子さんの最大の理解者は親御さんしかあり得ません。

お子さんの様子や様々な情報をもとにして、お子さんがどのタイプであるかを見極めてあげてくださいね。

 

親が勉強を分かるかどうか

次のチェックポイントは、「親が勉強を分かるかどうか」です。

 

後でも触れますが、親が子供の勉強を見る場合、教科の内容を直接教えるような「教師」的な関わり方と、学習計画や勉強のペースを見るなどの「コーチ」的な関わり方があります。

そして、一流のコーチが必ずしも、過去に一流の選手である必要は無いように、コーチとしての関わり方でいくなら、親がものすごく勉強ができる必要はありません。

「自分ができる」のと、「相手ができるように教える、導く」のとは、全く異なる技術なのですね。

ですから、親は「教師」的に関わるのではなく「コーチ」的に関わることを、私としては推奨しています。

(このあたりはメールセミナーでも詳しく書きましたね)

 

ただ、そうは言っても、やはりある程度は勉強の内容も分からないと、まともなアドバイスはできません。

一流のコーチは、過去に一流の選手では無かったにせよ、選手時代にはかなりの努力と苦労をしてきているものですし、一流のコーチになるために人一倍の勉強もしています。

いくら「コーチになるには、一流で無くとも良い」と言っても、全くの素人にはコーチは務まらないのですね。

 

しかし、困ったことに「中学の内容は、誰もが1度は習っている」ために、できない大人さえも「そこそこできる」と勘違いしています。

確かに、中学の内容はそこまで難しくありません。

しかし、中学の内容が入社試験に使われ、それに向けて必死で準備している大学生が山ほどいるような現状があれば、テレビのクイズ番組で中学生レベルの問題が出ていても解答できない大人がたくさんいる現状もあるわけで、「大人だったらそこそこできる」というのは、大きな勘違いであるのはお分かりいただけると思います。

実際、入社したばかりの新入社員に入試の過去問を解いてもらうと、得意教科はそこそこできるのですが、苦手教科はボロボロで、5教科450点どころか、400点以上いく人さえ少ないくらいです。

塾講師を目指している人がこれなのですから、他の大人がどうであるかは想像に難くありません。

それに、現役バリバリの塾講師でも、専門教科以外はからっきし駄目ということは多いです(苦笑)

英語だけできれば英語の教師はやれるわけで、たとえ中学レベルの数学さえまともにできなくても、教師としては成立してしまうのですね。

 

それくらい「できない教師」でもやれてしまうのが中学生指導の現状です。

これは、裏を返せば、そういう悪い先生に当たるくらいなら、普通の親が教えたほうがまだマシだと言えます。

「自分で教えよう」と考える親は学力が高いことが多いですから、ますます問題無いことが多いですね。

 

ただ、多くの大人は、高校以降の文理選択という甘い響きに惑わされて、もう一方を「捨てる」ことをしていますよね。

中学は文理の別なく全部を問われますから、文理選択を当たり前のように受け入れてきた人には、「半分は苦手科目」という話になってしまいます(笑)

 

親(中には、未熟な教師も)が、自分の成功体験をもとにした「過去にやってうまくいった勉強法」を、子供に押しつける場面もよく見かけます。

しかし、多くの大人にとっての「うまくいった勉強法」は、この「捨てる」という反則技(?)が使える、「大学入試」や「大人になってからの勉強(資格試験など)」の記憶をもとにしていることが多いですよね。

一方で、中学校の勉強は「捨てる」ことができないものですから、同じ土俵で考えてはいけません。

 

ご存知の通り、高校入試で問われる力は、1教科だけが飛び抜けてできるような力ではなく、全教科を満遍なくできるような力です。

つけるべき力が「バランス良い学力」なのですから、偏った方法を、しかも、まだ発達途上の中学生に押しつけるのは問題です。

もっとはっきり言えば、「バランスの悪い学力」を身につけるノウハウに慣れ親しんでしまった大人が教えても、本質的な部分でうまくはいかないのですね。

 

これを読んで、「それでは、バランス良く学び直さなければならないのか?」という疑問も浮かぶでしょうが、決してそんなことはありません。

学校や塾の先生がそうであるように、バランス良い学力を持っていない人でも、教えることは十分可能です。

大切なのは、自分がバランスの悪いことを知った上で、それを踏まえて生徒と関わることです。

そういう自覚があれば、バランスの良い関わり方に近づきますし、少なくとも、何でもかんでも自分が正しいというような言い方や伝え方にはならないはずですから。

(なお、「バランス良い力が無くても教えられる」というのは、単に可能というだけで、それが最高形では無いです。プロを目指すのであれば、自分もできるだけバランス良い力を身につけるべきなのは言うまでもありません)

 

これを踏まえながら、次のチェックポイントに話が進みます。

 

○ 参考:勉強が教えられなくても、勉強以外に教えることがあります。

家庭教育の心得 家庭で親が教えるべきこととは?

 

親は、教師になるのか、コーチになるのか

すぐ上で、「親が勉強を分かるかどうか」がポイントと言いましたね。

しかし、肝心の「どの程度できれば良いのか?」は、親が目指す関わり方によって違ってきます。

その関わり方を端的に言うと、「親は、教師になるのか、コーチになるのか」ですね。

 

教師を目指す

教師になるなら、深い知識と、指導技術が必要となります。

教える方が分かっているのは最低レベルで、それを分かりやすく上手に伝える技術が無ければいけません。

教えるほうがどれだけ賢くても、それを伝えることができなければ意味がありませんからね。

 

生徒に対して「教師」のように教えるなら、最低でも生徒の1段上のレベルにいなければなりません。

1段上とは、生徒が「すごいな」「この教科ではかなわないな」と思わせるくらいです。

この目に見える「差」が、教える内容の信頼性につながり、生徒に「聞こう」という気にさせるのですね。

 

得点だけでは表せないのですが、あえて表わすなら、最低でもその教科で30点くらいは上でいたいですね。

50点の生徒を教えるなら、親御さんは80点くらいはとれる力がほしいです。

もちろん、5教科全体を教えるなら、全ての教科で知識が必要になります。

 

コーチを目指す

コーチを目指すなら、勉強の知識に関しては、そこまでの差が必要ありません。

もちろん、指導技術も問われません。

分からない時は「先生に聞きに行きなさい」で済むのですから(笑)

 

ただし、「どの先生に聞きに行くか」「どうやって聞くと良いか」「どの問題を聞くか」など、生徒がつまずくようなところは教えてあげなければなりません。

これらは勉強と違って「正解が1つ」ではありませんよね。

  • 親「先生に聞きに行きなさい」
  • 生徒「どの先生に聞けばいいか分からない・・・」

となった時に、学校の先生を奨めるか、塾の先生を奨めるか、兄や姉に聞くように言うか、友達に聞くように言うかは、どれも状況によりけりで正解になります。

こういったあたりは、勉強で問われる「知識」よりも、今まで生きてきた「人生経験」や人生の「知恵」のほうが役立ちますから、(完璧な正解が出せるかどうかはともかく)、少なくとも生徒よりは親のほうが何段階も上のところにいますよね。

勉強と違って、はじめから「差」のある状態でアドバイスできるところが、コーチのやりやすい点です。

 

この場合に必要な勉強の知識は、もちろん多いに越したことは無いですが、大して無くとも構いません。

「生徒と同じ」でも、「生徒と一緒に勉強する」という関わり方が可能ですからね。

たとえ「生徒より学力が低い」としても、直接教科内容に関わる部分以外のところでアドバイスをすることはいくらでも可能です。

 

ただし、コーチを目指すからには、やはりコーチになるための勉強が必要です。

今回で言うなら、「どういう勉強をすれば成績が上がるか」「うまくいかない時にどうするか」などのノウハウが無いと、子供は正しい方向に進めませんし、自信を持って勉強することもできません。

「アドバイスどおりやったけれども、ちっともうまくいかない」ようでは、名コーチどころか、迷コーチ扱いされてしまいますからね(笑)

 

もちろん、生徒の状況に応じて、親が調べたり準備してあげたりするような場面も出てくるでしょう。

しかし、今はインターネットを始めとして情報源に事欠きませんから、分からないことは調べてから教えれば良いだけです。

教師の場合は「聞かれたら、相手が分かるように、その場で正解を示す」必要がありますが、コーチの場合は「聞かれたらいったん受け止めつつ本人にも考えさせて、後日しっかり準備した上で正解にたどりつく道を提案する」ほうが良く、すぐにその場で正解を示す必要も無ければ、正解そのものを示す必要も無いのですね。

 

もちろん、教師的な関わり方とはまた違った予備知識が必要になります。

例えば、「独学で頑張ろうとしている生徒」に教師的に関わるなら、「分からないところがあったら教えてあげる」で良いですよね。

実際に分かるように教えてあげるのは難しいのですが、親が何をすれば良いのかは明確です。

 

一方、コーチ的に関わるなら、前に紹介した「独学で合格するために絶対に必要な7つのこと」のように、それぞれにおける核心的なポイントを事前に押さえた上で、生徒にとって不足するところを補ってあげるという、生徒ごとに違った対応が必要になります。

例えば、入試制度が分かっている生徒に入試制度をアドバイスをしても「何言ってるの、この人」と思われておしまいですが、入試制度が分かっていない生徒であれば、興味津々で聞いてくれるといった具合です。

このブログでは、教師的な関わりと、コーチ的な関わりの両方のヒントやネタを提供していますが、この2つは別物であることは覚えておいてくださいね。

 

○ 参考:その子に合った勉強法が大切です。

自分に合った勉強法を見つけるために

 

進路指導ができるのか

チェックポイントの4つ目は「進路指導ができるのか」です。

 

ここまで述べてきた「学習指導」と、志望校を決めたり、合否の可能性を判断したりする「進路指導」は全くの別物です。

現実には、学習指導だけでも苦戦している方も多いと思いますが、ゴール(受験)を視野に入れるなら、進路指導についても考慮に入れておくことが不可欠です。

なぜなら、それを忘れてしまうと「ここまで頑張ってきたのに、結局うまくいかなかった」という、よくある典型的な失敗に陥ることとなってしまうからですね。

(要するに、学習指導がうまくいって成績が上がっても、進路指導がまずくて受験には失敗するというケースが多々あるということですね)

 

これについては、そもそも満点に近い得点がとれてどこでも好きに選べる生徒や、目標がはっきりしていてそこに必要な成績もあるような生徒なら、進路指導は必要ありません。

しかし、実際にそんな生徒は数えるほどしかいませんよね。

いくつかの選択肢の中から慎重に選ばなければならない場面もありますし、理想と現実の狭間で揺れ動くような場面もあります。

そもそも、自分にはどういう選択肢があるのかが分からず、情報の無さに悩む生徒もたくさんいます。

中学生という、義務教育が終わる「人生の最初の分岐点」に立つ時期だからこそ、進路指導はとても大きな意味を持ちます。

 

しかし、進路指導を高いレベルでするのは、親が塾関係者や学校関係者で無い限りは、まず不可能だと思います。

どの業界でもそうですが、業界の人間にしか知りえない仕組みや裏事情があるものですし、そうした情報全てを業界外の人間が自力で、しかも短期間で手に入れるのはほぼ不可能です。

そもそも、重要な情報であるほど、こういった文章に書ける情報ではなく、体験に基づく生の情報で無ければ意味をなさないものですしね。

特に、正確な進路指導には、情報や経験がものを言います。

そもそも、生徒よりも親のほうが「今のままで大丈夫か?」と心配になってしまうくらいですから、可能ならこの部分だけでも、学校、塾、家庭教師などの「プロ」の力を借りられると良いですね。

 

まず、学校に進路指導を期待する場合は、必ず進路指導主任の先生に聞きましょう。

担任はただ「担任である」というだけの理由で進路指導をしますが、「進路指導するのは今年が初めて」という先生もごろごろしています。

また、経験はあっても、情報業が足りないせいでひどい指導をする人も山ほどいます。(過去に教えた生徒たちも、散々悩まされてきました)

進路指導主任の先生であれば、(人間性などはともかく)、進路に関する情報量については当たりはずれが少ないため、聞くならそちらにしてください。

 

ただし、学校はとにかく安全性やバランスを重視します

「A高校だと落ちる可能性があるから、C高校に単願で受けさせよう」「A高校は15人希望していて、B高校は5人だから、5人はA高校からB高校に変えさせるか」ということも平気でしますから、その生徒の学力、希望、タイプに本当にあった学校を進められるとは限りません。

一方で、塾も合格実績のために無闇と高いレベルの進学校を進めるか、逆に安全圏の高校を進めるかしがちです

合格実績を公開して、宣伝に活用している塾はこの危険性が伴いますが、今は合格実績を公開しない塾はほとんど存在しませんから、塾側の進路指導操作の危険からは逃れようがありません。

 

ですから、そういった自分の利益に惑わされるような先生ではなく、純粋にその子のためを思って進路を考えてくれる先生に相談するのが一番大事です。

「いや、先生を1人に絞るのは危険だ」と考えるなら、複数の先生に聞いた上で、より信頼のできるものを選択することにしましょう。

特に、塾と学校では利益目的が異なるため、アドバイスが割れることが多いです。

 

最近では「学校よりも塾のほうが信頼できる」と考える方が多いですが、「学習指導」ではそれが当てはまっても、「進路指導」については塾もかなり危険です。

学校は間違った指導をしていても心は「良心的」であることが多いのですが、塾は分かった上で「悪質」な指導をするところがありますからね。

特に、合否が微妙な状況のご家庭ほど、悩んだ末に、塾か学校に都合の良い方向に誘導されるケースが多いです。

ぜひ両者の意見を聞いた上で、客観的で正確な判断をするように心がけてください。

(この業界は、皆さんが思っているほど良心的な業界ではありません。汚い塾やインチキな塾も本当に山ほどあるのです)

 

そして、それを見抜くのは人生経験の少ない子供ではほぼ不可能で、まさに「親の役目」と言えるでしょう。

「親が正しい道を示さなければならない!」と意気込むのではなく、「子供が正しい道を選ぶのを、親が精一杯フォローしてあげなければならない」と意気込んでほしいのですね。

進路については、ほとんどの生徒が暗闇の中を歩いているようなものです。

そうした生徒達にとっては、前者はただの「押しつけ」ですが、後者は力強い「応援」になるのですから。

 

なお、これは先生に質問に行く際などにも注意してください。

勉強を教えるのがうまい先生が、進路指導のできる先生とは限りません。

教え方がうまいのにかこつけて、生徒を上位校に誘導し、塾の進学実績を稼ぐような大手塾もたくさんあります。

 

また、進路指導には教え方のうまさよりも、情報量や人間性、人生経験などの広い範囲での指導力が問われます。

実際、教科の内容を教えるだけなら、人生経験など無くても何とでもなりますよね。

相談相手を選ぶ際には、一緒にしないようにくれぐれも注意してくださいね。

 

最後は、中学生の指導に特有のチェックポイントですね。

とても重要です。

 

○ 参考:進路指導に関してはこちらも。

公立高校と私立高校のどちらを選ぶか?

 

反抗期と親子関係に配慮する

中学生を親が教える上で、もう1つ注意してほしいのが、「子供との関係」です。

 

いつもケンカをする状態のご家庭や、信頼関係があまり築けていないようなご家庭の場合は、いくら親に教える自信があったとしても、親が教えるのはやめておきましょう。

そういう状態では、教えても身につきませんし、勉強は身についても、親子関係がますます悪くなったり、肝心の「生きる力」がつかなかったりと、マイナス面のほうが大きくなりがちです。

 

たまにあるのは、普段子育てにあまり積極的でない父親が、急に子供の勉強の面倒を見出すというものですが、これ自体はうまくいくことも多いです。

しかし、普段子供とまともに会話もしないような父親が、突然子供の勉強にだけ口を出すとなると、これがうまくいくことは少なめです。

少し距離感のある父親の言う事だけに、子供はしぶしぶ言うことを聞くところまでは良いのですが、肝心の成績がちっとも上がってこないのですね。

この場合、よほど教え方が上手なお父さんか、生徒を乗せるのが上手なお父さんで無いと、「頑張ってやらせたけど、ちっとも成果が出ない」と言って、さらに子供を怒るネタが増える結果になりかねません。

 

もちろん、勉強してはケンカになり、なだめては勉強させてまたケンカになり・・・というご家庭でも、親は教えないほうが良いです。

反抗期ですから、生徒が不機嫌になったり、勉強から逃げようとするのは、ある程度まではしかたないのですが、親子で真正面からケンカになってしまうようでは、勉強が分かる分からない以前の問題ですよね。

 

反対に、子供と「友達関係」のようになっているご家庭でも、親が教えるのは危険が伴います。

「勉強」という言葉を見ても分かるように、教えていると、どうしても「強制」する場面が出てきます。

当然、年頃の子供は納得がいかないことを強制されると反発しますが、それが友達関係だと余計に反発がひどくなりがちで、今の関係が壊れてしまう危険性があるのですね。

 

こうした例を見ていただくとお分かりかと思いますが、どれも「教師」的に関わろうとすると起こりがちな問題です。

最初から「コーチ」的な関わり方にすると、こういった危険性を減らすことができるでしょう。

 

ここまで書くと、「親が教師的に関わる際のポイント」や「親がコーチ的に関わる際のポイント」などを書きたくなってきますが、きりが無いため、それはまた別の話としましょう(笑)

最後に、ここまでの話をまとめておきます。

 

中学生の勉強を親が見る際の5つのチェックポイント

(1) 子供のタイプを最優先する
親が関わるべきかどうか、どう関わるべきかを判断する。

(2) 親が勉強を分かるかどうか
下と合わせて、親の立ち位置と、準備・勉強すべき内容が変わる。

(3) 親は、教師になるのか、コーチになるのか
上と合わせて、親の立ち位置と、準備・勉強すべき内容が変わる。

(4) 進路指導ができるのか
親の関わりが難しい部分の関わり方を踏まえておく。

(5) 反抗期と親子関係に配慮する
そもそも親が勉強に関われる状態かどうかを判断する。

 

個人的には、塾に頼らずに自己完結できるご家庭がどんどん増えてほしいと願っています。

しかし、その結果、塾を利用しない時よりも悪い結果になるようではいけません。

塾を利用する上では、塾選びがとても大切ですが、塾を利用しない上では、上記の点が大切なことを知っておいていただきたいのですね。

 

また、「いったん塾に預けて、力がついたら自学に移行する」とお考えの方もいるでしょうが、基本的に塾は依存させるところですから、自学ができるような力をつけてくれるところには滅多に出会えません。

そういう場合でも、これまでの話を踏まえながら、親が上手に関わることで、塾への依存を断ち切っていただきたいと思います。

以上、長くなりましたが、少しでも参考にしていただけましたら幸いです。

 

○ 参考:正会員向けですが、親子で一緒に学んでいくならこちら。

やる気の出る勉強法 ~親子で読むメール講座~

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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