• 「見るだけでなく、書いて覚えるほうが覚えやすい」
  • 「1回書くだけでなく、何度も書きまくるほうが良い」

こういった教え方をされる機会は少なくないと思います。

しかし、ここにも常識の落とし穴があるため、注意が必要です。

 

書いて覚えるのも、合う合わないがある

まず大事な前提として、書いて覚えるのが合う生徒と、書いて覚えるのが合わない生徒がいることを知ってください。

 

実際に生徒を教えていると、ひたすら見て覚えようとするだけで、全く書こうとしないというケースがよくあります。

そういう時に、「こういうやり方で、*回ずつ書きなさい」と教えることで、すぐに覚えられるようになることがあります。

ただ見ているだけよりも、書きながら覚えることで、記憶に残りやすくなるわけですね。

 

しかし、中には見て覚えるほうが効率の良い生徒もいます。

無理に書かせると、その書く作業が邪魔になってしまい、逆に覚えにくくなってしまうこともあります。

また、決められた回数や書き方で書くことに気を取られて、覚えることがおろそかになってしまう生徒も多いものです。

特に、「自分が書いて覚えやすかったから、他の人もそうであるはずだ」という勝手な思い込みで強制されるのは、教わる側からすれば余計なお世話でしかありません。

 

○ 参考:書いて覚えることにつきものの、ノートを使った勉強法はこちら。

成績の上がるノートの使い方・まとめ方

 

書きまくるのが正しいわけでもない

「1回書くだけでなく、何度も書いたほうが良い」という言葉にも注意が必要です。

そもそも、勉強は時間帯効果を考えるのも重要なことです。

10回で覚えられる生徒に100回も書かせるのは、あまり褒められたやり方ではありません。

反対に、15回必要な生徒に10回しか書かせないようなのもいけませんよね。

 

それに、そもそも「書かせるのが良いのかどうか」も考える必要があります。

もちろん、書いて覚えるのがぴったり来る生徒もいますが、音読など別の方法を組み合わせるほうが覚えられる生徒もいますし、書く以外の方法のほうが頭に入りやすい生徒もいます。

つまり、生徒によって「そのとおり!」にもなれば、「やめておいたほうが良い(間違いだ)」にもなりますから、自分に合わせて「選択」するようにしたいですね。

 

○ 参考:途中式も書けば良いとは限りません。

途中式は書かないと駄目?

 

書くことが目的化した指導に要注意

なお、無駄な回数を無闇やたらと書かせたがる困った先生がいることには注意が必要です。

例えば、「覚えるまで100回書け。そうすれば覚えられる」などと無謀なことをさせるような指導ですね。

それで覚えられればまだ良いのですが、覚えられない上に、勉強も嫌いにさせてしまうという悲惨なケースも少なくありません。

 

そもそも、その子にとって「何度も書くと覚えられる」のが100%正しいとしても、実際に何回書く必要があるのか、どうやって書けば良いのかは人それぞれです。

そして、その子に合わせた回数や、適した書き方まで触れるのが本当の指導のはずで、そこを無視して、全員一律に膨大な回数を指定するようなやり方は、単なる手抜きでしかありません。

少なくとも、子供の能力や覚える内容の違いも考えずに、無闇やたらと何回も書かせるというのは、まともな感覚を持った教師がすることではないのですね。

 

試しもしないうちから、書いて覚えるのを嫌がる生徒も論外ですが、相手も見ないで書いて覚えるのを強要する先生も論外です。

「書いて覚える」ことが絶対的に正しいわけでもなければ、間違っているわけでも無いですから、生徒によって合う合わないがあることを踏まえて、自分に合った勉強法を見つけていきたいですね。

 

○ 参考:書いて覚える勉強についてはこちらも。

見て覚えるより、書いて覚えるべきか?

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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