一時期よく言われたのが「数学は暗記だ」ですね。

最近では「奇抜」どころか、それが当たり前のような雰囲気にもなってきています(笑)

 

もちろん、それとは反対に、「数学は思考力だ」と言う人もいます。

どちらが正しいのかと言えば・・・私は「どちらも正しい」と思います。

 

○ 参考:暗記力、思考力、そして計算力が重要です。

中学の数学で計算力アップのために必要なこと

 

数学は暗記なのか?

他にも多い決めつけとして、「国語は感覚だ」「社会は暗記だ」などがありますね。

これらは、教わる側の実感としては一理あるのですが、受験関連の本を読めば、「国語はセンスでは無い」「社会は暗記では無い」と、真っ向から反対する人がたくさんいます。

ただ、本当の事を言うと、これらは全て「学ぶ側次第」です。

・・・いえ、別の言い方をすると、「教える側次第」でしょうかね。

(なぜなら、ほとんどの生徒は先生を選べませんから)

 

実は、どんな教科や内容であっても、「学問として教える」「受験のための単なる知識として教える」「生きる力を伸ばす機会として教える」などが可能であり、どれを選ぶかはほぼ完全な自由です。

 

要は、どうやって数学を学ぶ(教える)かの問題

数学を「受験のための単なる知識として教える」ならば、暗記だろうと何だろうと、時間内に正確に解けたほうが勝ちです。

高校に進んだら数学を「捨てる」生徒もたくさんいますし、社会に出てもほとんど使わない人もいます。

もっと言えば、現職の教師でさえ、数学担当以外を見渡せば、数学のできない人が山ほどいます。

 

数学を「学問として教える」ならば、修士、博士、その先までも見据えて、体系立てた本質に迫るような学び方が望まれます。

目の前のテストなどはただの通過点に過ぎませんし、丸暗記では全く対応できません。もちろん、数学の真髄や面白さに触れることも大切です。

 

数学を「生きる力を伸ばす機会として教える」ならば、暗記するのは正反対で、やはり思考力を育てるような学び方が望まれます。

ただし、生きる上で問われるのは、学問的な思考力とはまた違った思考力ですし、数学そのものの真髄や面白さは別に感じなくとも、他の何かがあれば全く問題ありません。

こうなると、目の前のテストは通過点ですらありません。

 

○ 参考:数学の定期テスト対策の勉強法はこちらも。

中学数学の勉強法 定期テスト対策の正しいやり方

 

数学以外でも、暗記教科になるかどうかは学び方(教え方)次第

これは他の教科も同じで、例えば歴史を学ぶのに、入試だけを見れば「ただひたすら暗記する」ほうが得点にはつながります。

しかし、学問的には「歴史の流れ」などの本質を掴み、「歴史の裏側や真実」に触れるほうが好奇心をかきたてるでしょう。

さらに、生きる力を育てるには「自分のこれからの人生に活かせるものを歴史から学ぶ」ことや、「歴史に隠れた必然性、今の時代との共通点」なども学べます。

「教科」は、それ自体が学びの対象であると同時に、受験制度のためのパーツでもあり、他の何かを学ぶための素材にもなるものですね。

 

昔、理科の授業でひたすら黒板に知識を書き続ける先生がいましたが、本来理系教科のはずの理科でも、このように教え方(学び方)次第で、ただの「丸暗記」になってしまいます。

その先生にとっての理科は、学問でもなく、理科を通した生きる力でもなく、受験に必要な「知識」だったのかもしれませんね。

(そして、それはそれで生徒や保護者のニーズがあるのも事実です)

 

これは別に主要教科に限った話ではありません。

身近な「料理」を習うにしても、今日の献立のために味噌汁のレシピを丸暗記しても良いですし、家庭科の授業として堅苦しく(?)学んでも良いですし、お母さんのそばについて様々な調理法を学んでも良いですし、お菓子などの興味がある料理だけ覚えていっても良いですし、本格的に本や教室で調理法の基礎から学んでも良いです。

料理人を目指すなら「1つのレシピを丸暗記」や「家庭科」のような学び方では足りないでしょう。

成績を上げるなら「お母さんのそばで学ぶ」や「興味のある料理だけ覚える」のでは足りなさそうです。

将来の一人暮らしに備えるなら「本格的に本や教室で基礎から学ぶ」まではする必要も無さそうです。

 

すなわち、どんな教科、どんな内容であっても、生徒側が「それをどう学ぶか」、そして、指導する側が「それをどう教えるか」で、つく力は変わるのですね。

ですから、数学は暗記教科にも、非暗記教科にもなり得るのです。

 

あとは皆さん(生徒、保護者、指導者)の選択次第です。

今の教育制度はそうそう変わらないのですから、受験制度や教科そのものに責任をなすりつけるのではなく、勉強法(指導法)をいかに「料理」するかも考えてみてくださいね。

 

○ 参考:文章問題も、暗記で解くかどうかを決めるのは選択次第です。

中学数学の文章問題を解く力をつけるには?

○ 参考:計算ミスを減らしたい場合はこちら

途中式は書かないと駄目?

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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