今より成績アップするための正しい勉強法が知りたい!

そんな思いを抱えた生徒や親御さんは少なくないと思います。

 

しかし、「これをやりさえすれば、誰でも絶対に成績が上がる」などと言える理想的な勉強法は、世の中に存在しません。

そもそも、個々の生徒で性格も違えば学力も違うのに、全く同じ方法が通用すると考えるほうがおかしいですよね?(笑)

やはり生徒によって好み合う合わないがあるわけで、誰でも絶対にうまくいく魔法のような方法など、あるはずがありません。

 

そういったものは、要するに「このダイエット法なら誰でも痩せられる!」「これを食べれば絶対に病気が治る!」などの過大広告と同じですよね。

本当に「この方法でやれば、誰でも絶対に成績が上がる」という方法があれば、日本や世界の教育問題はすでに解決しているわけで、それを発見した人も大金持ちになっています(笑)

しかし、それらの人たちは、頑張っても成績の上がらない生徒や、受験を心配する親御さんの不安につけこみ、巧妙に煽り立てて、冷静さを失わせていきますから、油断なりません。

実際に、そういったことを書いている勉強本や教育サイトは今も増え続けており、今日もまた、たくさんの生徒や保護者たちが、貴重な時間やお金や労力を奪われているのが悲しい現実です。

もちろん「そうだったらいいのにな・・・」と思って興味を持つのは止めませんが、基本的にはうさんくさいと思って正解です。

今のうちに真偽を見抜く目を身につけるのは、生きる力として大切なことの1つですから、ぜひ心に留めてみてください。

 

さて、ここで終わると身も蓋もないですから、もう少し読み続けてくださいね(笑)

 

○ 参考:お子さんが勉強をできない理由はどれですか?

勉強ができないたった3つの理由と、その対処法

 

成績の上がる正しい勉強法の見つけ方

上で見てきたとおり、「これをやりさえすれば、誰でも絶対に成績が上がる」などと言える理想的に正しい勉強法は存在しません。

しかし、「これをやりさえすれば、その生徒は絶対に成績が上がる」と言える、生徒個別の勉強法であれば、確実に存在します。

何やら言葉遊びのようですが、ここはとても大切なところですから、もう1度書いておきます。

 

「これをやりさえすれば、その生徒は絶対に成績が上がる」と言える、生徒個別の勉強法であれば、確実に存在します。

つまり、誰にでも通用する唯一絶対の勉強法(=絶対解)は存在しないながらも、個々の生徒1人1人に通用する最適な勉強法(=最適解)は存在するわけです。

これもまさに、学校の勉強とは違う「答えが1つに定まらないもの」の1つですね。

 

○ 参考:正しい勉強法のもっと詳しい見つけ方はこちら。

絶対に成績の上がる勉強法の見つけ方

 

正しい勉強法を見つけ出すための3ステップ

さて、ここで問題になってくるのが、「どうやって、その勉強法を見つけるのか?」ですよね。

もちろん、いきなり「こうこうこうすれば、誰でも簡単に見つけられます」などとは言えません。

ここで私がそれを言ってしまうようだと、「このダイエット法なら誰でも痩せられる!」と言うのと同じになってしまいますよね(笑)

むしろ、それを見つけ出すのがプロとしての技量ですから、一般の親御さんが簡単にできてしまっては、プロの存在価値が無いという話にもなってしまいます。

 

ただ、基本的な考え方については、この場でも十分お伝えすることができます。

細かく言うといくらでも長くなりますが、一般の生徒や親御さん向けに、かなり簡単にしてその手順を書くとすると、こうなります。

  • (1)効果の出やすい正しい勉強法をいくつか見つける。
  • (2)その中で、自分(生徒)に合うものを選び出す。
  • (3)一番合いそうなものを、自分(生徒)に合うように調整する。

ここでは、この3ステップについて、順に軽く見ておきましょう。

 

(1)効果の出やすい正しい勉強法をいくつか見つける。

学校でも、年度が変わって担当の先生が変わると、指示される勉強法が大きく変わってしまうように、世の中に勉強法はいくらでもあります。

学校の先生どころか、保護者の方々にも勉強法について一家言を持った人はたくさんいて、それこそご家庭ごとに「これが正しい」と思う勉強法は異なります。

結局、それぞれが思い描く「これが正しい勉強法だ」「このやり方が一番効果的だ」と思うものは山のようにあるわけで、挙げだすと正直きりがありません。

 

しかし、そうした中でも「これは明らかに間違った勉強法だ」と言えるものや、「これはかなりの生徒に当てはまる良い方法だ」と言えるものがあります。

そういったあたりを踏まえつつ、明らかにまずいものは外し、わりと良さそうなものを選んでいけば、それなりのものが集まりますよね。

ただし、これを親御さんの目線だけで選んでしまうと、「自分が信じているだけで、実は他の生徒には全く通用しない勉強法」になってしまう可能性もあります。

そのため、生徒の意見も取り入れながら、最初から1つに絞るのではなく、まずは複数の候補を挙げてみるのが第1段階ですね。

 

○ 参考:例えば定期テストでも、学力に応じて候補は変わります。

中学生の定期テスト勉強法(学力上位向け)

中学生の定期テスト勉強法(学力中位向け)

 

(2)正しい勉強法の中から、自分(生徒)にとって正しい勉強法(合うもの)を選び出す。

いくつか見つけた中から、自分にとって正しい勉強法を選び出す段階です。

もちろん、いきなり正解が選べるとは限りませんから、最初は試行錯誤するつもりであたりをつけていきましょう。

特に、常識的に正しいと言われている勉強法が、実は間違っていることも多々ありますから、鵜呑みにしないことが大切です。

 

○ 参考:正しいと言われている勉強法が、実は間違っていることも!

途中式は書かないと駄目?

定期テスト対策でやってはいけないこと

 

また、勉強の苦手な生徒は、正しい勉強法を選ぶことが難しくなってくるという弱点もあります。

実際、勉強の苦手な生徒であればあるほど、勉強法に関する知識も興味も少ないですから、判断の基準がありません。

その一方で、有名な勉強法の中にも、全く逆のことを言っているものはいくつもあるものですよね?

 

○ 参考:2つの勉強法、いったいどちらが正しいのか?

予習と復習のどちらを選ぶべき?

見て覚えるより、書いて覚えるべきか?

 

このように、2つのうちどちらが正しいかは一概に言えないわけで、それを生徒だけに自力で判断させるのは厳しいものがあるでしょう。

そういう意味でも、親や先生を含めた身近な大人のサポートも大切になってくると言えます。

 

なお、この段階で、多くの力不足の先生たちがやりがちなのが、生徒ではなく自分目線で選んでしまうことです。

要するに「自分ならこのやり方をする」「自分はこれでうまくいった」という視点ですが、これは「自分」が勉強する場合には良くても、「生徒」がする場合には全く当てはまる保証がありません。

特に、勉強の苦手な生徒であればあるほど、勉強が得意な先生たちの視点が当てはまらないことのほうが多いですから、むしろはずれる可能性のほうが高くなります。

 

これは親御さんが関わる場合も同じで、決して親目線の「自分なら・・・」という発想だけで選んではいけません。

もちろん、自分の経験は大切にしてほしいのですが、あくまでも「他の誰でも無い、その生徒自身にとって合うもの」を選ぶことの大切さを忘れないようにしてくださいね。

 

○ 参考:親目線だけで判断すると間違えやすいテーマも。

勉強の理想的な復習間隔は?

勉強は毎日コツコツやるほうが良い?

 

(3)自分にとって一番正しい勉強法を、さらに自分に合うように調整する。

どこかから、いきなり良い勉強法を持ってきても、それが当たる可能性は極めて低いです。

そこを、複数の候補を用意して、そこから「自分にとっての正しい勉強法」を慎重に選ぶようにするというのが第2ステップでしたね。

しかし、「もともとある勉強法を、他からそのまま持ってくる」という発想をしている限り、今探し求めている「その子にとって最適な勉強法」は永遠に見つかりません。

 

どこかから持ってきた勉強法は、あくまでも借り物であり、その子だけのためのものではありません。

もちろん、たまたま当てはまる場合もありますし、優秀な生徒だと自分で勝手に応用させてくれもしますが、基本的には「そのまま当てはまることは滅多にない」と思っておくべきです。

たとえどんなに素晴らしい勉強法だとしても、生徒に合わせた調整やチューニングは絶対に必要となってくるのですね。

 

正しい勉強法の見つけ方を教えるのも、大切な勉強

以上、自分に合った勉強法を見つけ出す3つのステップは、正しく伝わったでしょうか?

ちなみに、優秀な生徒であればあるほど、親や先生があえて教えるまでもなく、こうしたことを勝手に自分の中で完結させてくれています。

しかし、そうでない圧倒的多数の生徒たちは、誰かが教えてあげない限り、なかなか「自分に合った正しい勉強法」に巡り合うことができません。

そういう意味でも、頼りになる先生がいるならその人に、それがいないなら親御さんが、こういったあたりをサポートしてあげてほしいと思います。

 

そして、効率の良い勉強法を身につけることも大切ですが、その先の「勉強法の見つけ方を身につける(教える)」ことはもっと大切です。

大前提の「勉強法の見つけ方」すら教えないで、ただ「勉強しなさい」と言うだけの親や先生が多いわけですが、これでは生徒は、その先の「勉強法の見つけ方を身につける」ことを学ぶ機会が永遠に来ません。

現実には、学校でも塾でも指導が手薄なところですが、これもまた「中学生のうちに身につけたい力」の1つです。

学校や塾が期待できないような場合には、ぜひご家庭でも上手に教えていってあげてほしいと思います。

 

○ 参考:勉強と一緒に、家庭で教えたい大切なこと。

家庭教育の心得 家庭で親が教えるべきこととは?

 

基本となる、勉強法の3つのタイプ

ここまで「正しい勉強法の選び方」について見てきました。

そのための最初のステップが「(1)効果の出やすい正しい勉強法をいくつか見つける」だったわけですが、これはこれでなかなか難しいことですよね。

 

ここで特に問題になるのは、生徒や保護者によって「期待する効果」が、それぞれで全く違うことです。

例えば、国語の漢字テストのための「効果的な勉強法」と、数学の計算力アップのための「効果的な勉強法」と、英語の読解力向上のための「効果的な勉強法」は、明らかに全くの別物ですよね。

また、同じ数学のテストでも、明日の単元テストのための「効果的な勉強法」と、来週の定期テストのための「効果的な勉強法」と、1年後の入試のための「効果的な勉強法」では、全く違って当然です。

つまり、「どういった効果を期待するか」によって、勉強法は大きく変わって当然というわけですね。

 

○ 参考:教科ごとで、いろいろある効果的な勉強法。

中学数学の文章問題を解く力をつけるには?

高校受験 英語の勉強法(公立高校入試対策)

理科の苦手な生徒と勉強法

中学社会の勉強法と苦手克服のコツ

 

ただ、ここで教科や単元ごとの勉強法を1つ1つ細かく見ていくと、無限に考えることができてしまって大変です。

しかし、世の中にはいろいろな勉強法がある中で、大まかには3つのタイプしかありません。

ですから、ここではその視点についてご紹介しておきましょう。

 

そして、この3つのどれを選ぶのかがとても重要です。

「どのタイプが、今の自分(子供)には必要なのか?」
「自分(子供)に足りないのは、どのタイプの勉強法だろう?」

ぜひ、こういう視点で読んでみてくださいね。

 

タイプ1:暗記型の勉強法

よく聞く「受験は暗記だ!」式の勉強法は有名ですね。

実際のところ、学校や受験で必要な学力はほぼ暗記力とイコールです。

(教育という視点ではとても悲しい現実ですね・・・)

 

英語なら単語や文法を暗記しなければ、いくらセンスが良くても全くできません。

数学にしても、公式や成立条件などを覚えなければ、いくら計算だけできても話になりません。

国語や理科も覚えることはたくさんありますし、社会にいたっては(授業はともかくテストでは)ほぼ100%が暗記です。

 

さらに、単元テストや定期テストなど範囲の狭いテストでは、最近覚えた内容がほぼそのまま出題されます。

先生によってはほとんど形を変えずに出されたり、ワークや教科書からそのまま出されたりするため、分かっていなくても暗記していればできてしまうようなテストもよく見かけます。

入試でも、過去問と似たような問題ばかりが出ますしね。

ですから、学校の成績や受験で良い結果を出したかったら、暗記する能力がとてもとても…(×∞)大切です。

 

ただ、ここで勘違いする人が出てきます。

「暗記は詰め込み教育だから駄目だ!」
「どうせ覚えるのだから、意味など考えず丸暗記したほうが効果的だ!」

こんな人達ですね。

 

学習や指導において、暗記は大事な基礎になります。

暗誦や書写など基本をしっかり覚えこむ学習法は昔からあり、実際にかなりの効果があります。

しかしその一方で、暗記だけに偏る学習では正しい力はつきません。

暗記はあくまで基礎であって、本当に大事なのはその上に積み上げる作業です。

よく「暗記しても意味が無い」と言う子供がいますが、仮に暗記した内容自体に意味が無いとしても、その先にはとても大きな意味があるのですね。

 

ところが、そういうふうに先を考えて指導するのが本当の教育なのに、なぜかその先を無視して、暗記だけをゴールに設定してしまう人が多いのも現実です。

学ぶ側の生徒が楽をしようとしてそういう短絡的な視点になるのはしかたないのですが、教える側の教師や親がこれをやってしまうと大変です。

意味も分からず、とにかく暗記させるという勉強法や指導法は実際にもよくありますからね。

こうやって生み出されるのが、深く考えない無思考人間や、与えられるだけの自立できない人間です(苦笑)

 

しかし、(困ったことに?)受験は「ペーパーテスト」ですから、暗記さえしていれば大抵は何とかなってしまいます。

そのため、丸暗記型の勉強法や指導法で大きな効果が出せたり、「あの塾は良い」という評判が幅を利かせたりする現実があるのですね。

 

暗記型が悪いわけではありません。

少なくとも、受験にとっては最重要です。

しかし、それだけだと本当の意味での学力や生きる力はつきません。

暗記型の勉強法の重要性を認識しつつ、一方で暗記だけに偏らないように気をつけましょう。

 

○ 参考:暗記のしかたも押さえておきましょう。

問題集を使った勉強法:サーキットトレーニング(?)

答えを丸写しする勉強は意味が無い?

 

タイプ2:演習型の勉強法

暗記だけでなく演習を通して身につける、数学や理科などで有効な勉強法ですね。

実際、公式だけをいくら覚えてもできるようにはならず、問題をいくつも解く中で学力は上がるものです。

 

ここで勘違いする人が多いのですが、実はこちらも「暗記」には違いありません。

タイプ1が単純暗記なら、タイプ2は手順暗記です。

やっている人間からすれば、ちゃんと頭や手を動かして作業をしているわけですが、脳にとっては作業の流れや手順全体を暗記しているわけですね。

 

例えば英語なら、英会話にはセンスがいるような気がしますし、習得するのにかかる時間は子供によって違います。

しかし、アメリカやイギリスでは小さい子供でもみんな話せるわけで、英語などの言語はどれも小さいころから使ってさえいれば、日本の中学で学ぶようなレベルであれば、ほとんど誰でも話せるようになるものですよね。

そして、海外で育った子が小学生くらいで日本に戻ると英語を話せなくなるわけですが、使わなくなることで、記憶が薄れて使えなくなってしまうというわけです。

 

こう言うと「数学はセンスがいるだろう!」と言う人もいますが、科学者が取り組むようなハイレベルな分野ならばともかく、中学や高校の数学程度の問題にセンスは大して問われません。

手順暗記を漏れなくこなせば、ほぼできるものばかりです。

(難関大学受験になると、量が多いために漏れなくこなすことも大変になりますが、ほぼ手順暗記で対応できる現実は変わりません)

 

そもそも、本当の意味での数学センスが問われるのは「答えがあるかないかさえ分からないような未知の問題」です。

「はじめから解けることが分かっていて、答えも決まっているテストの問題」ごときができるかどうかでセンス云々を語るのは間違いです。

アインシュタインなど、学生時代は数学ができなかったのに、有名な数学者として名を残した人はたくさんいますよね。受験の学力と学問的センスはまた別物です。

 

・・・というわけで、演習は思考力を養っているようでいて、実は単に決められた思考の過程をたどっているだけです。

つまり、手順や解法全体を暗記しているに過ぎないのですね。

 

たまに「丸暗記はいけない!問題演習を通して学ぶべきだ!」などと言って、ひたすら問題演習をやらせる教師もいますが、これもつまりは暗記をさせているのと大して違いはありません。

こうしたことを理解した上で指導しないと、本当の思考力が育たないという大きな落とし穴にはまることになります。

さらに悪いことに、実際の入試では暗記型と演習型の勉強法だけでもかなりの結果が出せてしまいますから、「問題演習量が全てだ!」という考えが世の中に幅を利かせてしまいがちです。

そうやって生み出されるのが、自分の考えを持たない無思考のマニュアル人間ですね(笑)

 

決して、演習型が悪いわけではありません。

それどころか受験にとっては暗記型と並んでとても重要です。

しかし、それだけだと本当の意味での学力や生きる力はつかないのですね。

暗記型、演習型のどちらかに偏るのもいけないですし、その両方だけに偏るのもいけません。上手に使い分けつつ利用していきましょう。

 

なお、世のほとんどの塾はタイプ1と2の片方または両方を併用した指導です。

一方、タイプ3に出てくる「思考力」を育てる塾は極めて少ないです。

そのくせ「子供の思考力と生きる力を育てる!」などということを堂々と言いながら、実際は演習量を増やしているだけだったりするわけですから、たちが悪いです。

上に書いたとおり、演習量を増やすのは暗記を増やすのと変わりなく、生きる力が育つはずも無いのですね(苦笑)

特に、多人数の集団授業の塾や、大規模のチェーン塾でこういった傾向が強いですから、子供に思考力をつけたい場合は避けましょう。

(だからと言って、個別指導が良いという意味ではありません。個別指導は、暗記のための演習すら保証しないという、さらに下のレベルの指導しかしてくれないところも多いですから注意が必要です)

 

○ 参考:効果的な勉強で、上手に手順暗記しよう。

中学の数学で計算力アップのために必要なこと

中学英語の勉強法 ~良い方法&悪い方法~

 

タイプ3:思考型の勉強法

暗記で基礎をつけ、演習で基礎の使い方を身につける。

それらを踏まえた上で、次の段階として身につけることになるのが思考力です。

 

ただ、これは自力で身につけるのがとても難しいです。

思考すると言っても、考える糸口がなければ、ただ呆然と時間だけが過ぎていきますよね。

いわゆるセンスの良い生徒は、その糸口を何となく自力で見つけてしまえるのですが、多くの生徒はそれができないから勉強しているわけです。

 

それに1人でやるとちっとも答えが出ずに先が進まないことも多く、そうなると基礎力や思考力以前に継続力や忍耐力なども必要になってきますから、ますますハードルが上がっていきます。

また、思考するのには基礎があるのが前提なのに、基礎がないうちから思考しようとして、全く何も手がつかないケースもよくあります。

(公式も基本的な問題の解き方も頭に入っていないのに、いきなり発展問題に挑むパターンですね)

 

一番良いのは、良質な問題を、生徒の段階に沿って適切に提示することですが、これをしてくれる塾は残念ながらほとんどありません。

良質な問題を用意するのも、生徒の段階に沿って指導するのも、あまりに手がかかるため、20人以上のクラスではほぼ不可能です。

それに今の世の中、生徒に考えさせるよりも、分かりやすく教えたり、効率よく覚えさせることのほうが重視されますからね。

(そのほうが生徒にも保護者にも、そして塾の上役にも喜ばれるのが現実です)

 

ですから、こうした指導をしているのは、こじんまりとしたこだわりの個人塾のことが多いです。

ただ、困ったことに、こうした指導をする先生は「やたらと厳しい」ことが多いです。

 

生徒に考えさせるには、必要以上に手助けをしてはなりません。

生徒が聞いてきても、時には冷たくあしらうことが必要です。

そのため、一時的には冷たいと思われることがよくあります。

(逆に言うと、いつでも優しく面倒を見てしまう先生にはこういった指導はできません)

 

ただ、ここでいう厳しさは「思考力を鍛える」指導において必要なものであって、単純暗記や演習の段階で必要なものではありません。

それなのになぜか勘違いして、ひたすら根性で暗記させるような厳しさが必須のものだと思い込む先生が多いのですね。

理想を言えば、学力の低い生徒に対しては優しく丁寧に指導することからはじめ、生徒のやる気を引き出せるようになってきたら徐々に生徒と距離を置き、思考力を育てる段階になったら時に冷たく突き放すような指導をする・・・といった使い分けができると良いわけですが、実際にそんなことを1人の教師に要求するのはなかなか難しいです。

(それだけの柔軟性と器用さのある人は、大抵1教師の枠では収まりません)

 

ついでに書くと、授業以外の生徒指導の面では上とは反対に、下位の生徒ほど厳しくしないといけないケースが多いです。

これは生徒の性格に合わせてですが、下位ほどだらけた生徒が多く、上位ほど神経質な生徒が多いため、全体の傾向としてそうなります。

ですから、全ての生徒に適した指導をするのは余計に難しくなります。

そのせいかどうか、多くの先生はステレオタイプの自分流のやり方を押し通す人が多いですよね。生徒に合わせて指導法まで変えるような先生はほとんどいません。

そのため、生徒の発達段階に応じて塾や先生を変える必要が出てくるわけですね。

 

なお、思考力は思考をすればするほど磨かれていきます。

反対に、思考力の無い子は思考することを嫌がるため、ますます思考力がつきません。

小さい頃に暗記型や演習型の勉強に偏るとマイナスなのは、小さいうちから暗記に頼って思考をサボるようになるからなのですね。

小さいうちこそ、変なテクニックを教えずに、面倒でも丁寧に考える癖をつけさせることが、後々の学力にプラスの影響を与えます。

私が小さいうちからの塾通いをあまり奨めないのは、こうした理由からですね。

(もちろん、それをちゃんと踏まえてくれるような塾であれば、検討の余地もあります)

 

また、大きくなってからも、すでに思考力がある生徒にタイプ1や2の塾は合いません。

すでに思考力のある生徒にとって暗記型や演習型は面倒でつまらないですからね。

反対に、そういう生徒をタイプ1や2の塾に入れると、勉強が嫌いになったり、最悪の場合だと思考する癖を無くしたりすることもありますから注意しましょう。

一方で、思考力に偏った生徒は基礎の勉強をおろそかにしていることも多く、そういう場合は一時的に暗記型や演習型の塾に入れることで、一気に伸びることがあります。

特に入試前の時期には効果絶大ですから、志望校に向けてどうしても得点アップが必要な場合は試してみる価値があるでしょう。

(ただし、あっという間に無思考化しますから、長期間は入れてはいけませんよ)

 

○ 参考:暗記に頼らない勉強もしていこう。

国語 読解問題の勉強法

偏差値70の高校受験に向けた数学文章題の勉強法と時間の使い方

 

3つの勉強法はどれが正しい!?

これら3つの勉強法のどれか1つが正しい・・・ということはありません。

思考型の勉強法も暗記型や演習型の勉強法も、どれも一長一短があります。

生徒の個性や学力によっても違ってくるため、一概にどれか1つが正解だとは言えません。

強いて言えば「どれも正しい」ですから、勝手にどれか1つに絞るのではなく、どれも育てるようにしておくと良いでしょう。

 

なお、最近は大学入試改革の話などと絡んで、特に「思考力」が重視される風潮があります。

実際に、時代背景を考えれば、これからは暗記力よりも思考力が求められます。

受験だけを見れば暗記のほうが重要ですが、暗記だけならコンピュータで良いですからね。

将来のためにも、思考力を犠牲にして暗記力を磨くようなことのないよう、バランスの良い勉強法を選択していくことは大切です。

 

しかし一方で、学校の勉強は駄目なのに、他のことだと思考力を発揮するようなタイプの子もいます。

大人になってからやりたいことを見つけて、それに取り組むうちに思考力が身につく人もいます。

それに、思考力が無くても他の力で補うことも可能ですからね。

そうでないと人生、面白くありません(笑)

 

あくまでも学校の成績や受験という意味で考えると、暗記型+演習型でほとんどのテストはクリアできてしまいますし、思考力がいくら高くても暗記や演習が足りなければ良い点数はとれません。

実際に、思考力が無くても一流大学に合格し、社会人になって会社に入り、全く役に立たない新社会人というのはいくらでもいます(笑)

中にはそのまま公務員になったり、有名な資格を取得したりして、卒業前の時点ですでに一生困らない収入をほぼ確定させてしまう人もいます。

世の中の現実を見る限り、(現時点の日本では)丸暗記型の勉強が悪いとは必ずしも言えないのですね。

 

反対に、思考力をつけることで理屈っぽくなって、逆に生意気な子供や、社会に不適応な大人が増えている・・・などという見方をする人もいるかもしれません。

これは思考力と共に、人間性を育てていないことがそもそもの原因ですが、思考力に偏った育て方をすればそういう負の側面もあることは間違いの無い事実です。

いろいろな力をバランス良く育てることを大事にしつつ、その子に合った必要な力を伸ばしていってあげたいものですね。

 

成績を上げる方法はいくらでもあります。

志望校に受かる道も、自分の進みたい進路に進む道もたくさんあります。

正しい方法はいくつもあって、その中から自由に選ぶことができるのですね。

 

しかし、世の中にはあまりに情報が多いので、間違った方法を選んでしまう人が多いです。

子供のためを思って勉強させたくなる気持ちも分かりますが、判断のつかない小さいうちから暗記型や演習型の勉強をさせて、結果的に思考力を奪ってしまうようなこともあります。

無意識に親の希望を押しつけて、子供にいらない負担を負わせていることもあります。

  • どんな進路を進むのか?
  • どんな未来を目指すのか?
  • どんな大人になりたいのか?

決めるのは全て子供自身ですよね。

親にとって最も大事なのは、最終的に子供が幸せな人生を歩めることのはずです。

そのために役立つ情報を提供していきたいというのが私の願いですが、そうは言っても生徒を直接見ることができない状況で個々の生徒への正解を提示できるわけもなく、できるのはあくまでも一般的な情報の提供に過ぎません。

そのため、それを選ぶのも活かすのも読む人次第です。

何か1つが正しいと思い込むのではなく、広い視野で捉えていってくださいね。

 

○ 参考:安易に採用スべきでない勉強法もあります。

すぐに成績が上がる勉強法とそのリスク

 

教科に合わせた勉強法タイプの選択

勉強法には「暗記型、演習型、思考型」と、3つのタイプがあることを見てきました。

どのタイプが良いかは生徒の学力や性格によっても変わってきますが、それは個々の生徒が相手でないと説明ができません。

しかし、「教科」によって勉強法のタイプがある程度決まってくる部分があります。

最後に、そのあたりを説明しておきましょう。

 

暗記型勉強法が向いている教科

つまり、単純に暗記さえすれば点がとれる教科ですね。

  • 社会:ほぼ全て
  • 理科:一部(計算などが必要な分野)を除いた全て(以下を参照)
  • 英語:単語、熟語、基本英作文、会話表現など
  • 国語:漢字、語彙、漢文、定期テストの読解など
  • 数学:公式、計算法則、単純計算、用語など

こういったものですね。(暗記量の多い順)

 

演習型勉強法が向いている教科

つまり、手順を暗記すれば点がとれる教科ですね。

  • 社会:ごく一部の計算問題(時差、地図上の距離、緯度経度、人口密度など)
  • 理科:計算(音、圧力、密度、地震、定比例、質量保存、湿度、電流、発熱量、仕事など)、理解(光、力、溶解度、地層、化学反応式、磁界、イオン式、エネルギー、天体など)
  • 英語:長文読解、自由英作、リスニングなど
  • 国語:通常の読解、文法、漢文、古文など
  • 数学:上記以外のほぼ全て

それぞれで効果が出やすい勉強法も当然ながら違ってきます。

 

例えば、暗記型ですと、一問一答問題集や重要問題集などを使い、ポイントを絞って覚えると効果的です。

一方、演習型であれば、基本を理解した上で問題を解き、解答を見比べながら、答えが出るまでのプロセスをきちんと覚えると効果的です。

前者で解答をしっかり読み込んでもあまり意味は無いですし(読まないよりは読んだほうがマシですが)、後者でポイントを絞って暗記するだけですと、その時はできても実際のテストではできない・・・という結果になりがちです。

 

あとは例えば、有名な勉強法の1つに「教科書の丸暗記」があります。

教科書の丸暗記などと言われると効率が悪そうですが、暗記型のほうは、丸暗記や穴抜きで覚えると意外と高い効果が出ることがあります。

一方で、演習型のものについて教科書を丸暗記しても、効果はあまり出ません。

 

○ 参考:教科書の丸暗記勉強法についてはこちら。

教科書を丸暗記する勉強法

 

他にもいろいろな勉強法がありますが、どちらにも通用する勉強法は少ないです。

教科ごとに、また、生徒の得意不得意も見ながら、できるだけ生徒に合ったものを選択するようにしましょう。

 

ちなみに「暗記型が向いている教科や単元は?」と聞いて、こういった単元や分野の名前がすらすらと出てこない教師は指導力が無いため信頼しないようにしましょう。

言えたからといって指導力があることの証明にはならないのですが、指導事項を要素以前の単元程度に分解できなくては、教え方がうまいはずが無いですからね。

塾や家庭教師の先生の力量を測りたかったら、試しに聞いてみるのも良いでしょう(笑)

 

思考型勉強法が向いている教科

これは扱いが難しいです。

本当の学力をつけるという意味では、どの教科でも採用すべきですが、ただの受験勉強に絞れば、どの教科も無くても何とかなります。

ただし、ハイレベルな高校や、さらに先の難関大学進学を見越しているのであれば、最低でも必要な教科についてはやっておくべきでしょう。

(大学は受験校によって必要な教科が変わるため、いらない教科はやらなくても何とかなってしまいます。純粋に勉強という意味では全部やったほうが良いに決まっていますが、時間やエネルギーは無限では無いため、よほどの生徒で無い限りは絞らざるを得ないのが現実です)

 

○ 参考:これら以外に、目的に合わせた勉強法選びも大切です。

ケアレスミス対策(減らし方、なくし方)

 

生徒の学力別の正しい勉強法選び

最後におまけで、学力別の勉強法選びについても、ごくごく軽く触れておきまず。

 

下位の生徒はそもそも基本の暗記ができていないケースがほとんどですから、演習や思考をさせるよりもまずは基礎をしっかりと暗記しましょう。

・・・といっても、これはそこそこの下位で、本当の下位はそれ以前に「学習習慣」や「やる気」をどうにかしないといけませんね。

 

中~上位の生徒は、基礎の暗記はそこそこしっかりしているのに、演習が不足しているというケースが多いです。

ある程度覚えてやった気になっていますが、一定量の問題を解かないとなかなかできるようにはなりません。

そういう生徒にはまとまった問題を解かせることで、目に見えて効果が出ることが多いです。

 

また、たまに特定の教科・単元で基本の暗記の一部だけがごっそり抜けている生徒がいます。

その時学校を休んでいたり、たまたま何か勉強以外のトラブルがあったり、嫌いな先生にあたったりなどで、抜けてしまっていたというのが主な原因ですね。

この場合は抜けているところを戻ってきっちり暗記することが大切です。

上位の生徒に基礎からやらせるのは気が引けることもあるでしょうが、ポイントを絞って戻ることで目に見えた効果が出ますから、しっかりと見抜いた上で、ピンポイントでやらせてあげましょう。

(くれぐれも基礎の問題集を1冊丸々・・・というようなやらせ方はしないようにしましょうね。本人が自分からやりたがった場合は良いですが、親や周りが強制してやらせるのはモチベーションが下がりますし、時間がもったいないですから)

 

そして、上位の生徒には、暗記や演習ばかりにはまって、思考型の勉強が全くできていない生徒がいます。

こういう生徒は内容が難しくなる中3や高校に進んでからがくっと落ちますから、食わず嫌いしないで思考型の勉強法にも挑戦していきましょう。

反対に思考型ばかりで暗記や演習が抜けている生徒も(主に男子に)いがちなので、面倒でもあえて基礎の暗記や演習を一定量やらせることで、入試に必要な学力が確保できるようになりますね。

 

さらに上位の生徒には、暗記や演習ばかりにはまって、思考型の勉強が全くできていない生徒がいます。

こういう生徒は内容が難しくなる中3や高校に進んでからがくっと落ちますから、食わず嫌いしないで思考型の勉強法にも挑戦していきましょう。

反対に、思考型ばかりで暗記や演習が抜けている生徒も(主に男子に)いがちですから、面倒でもあえて基礎の暗記や演習を一定量やらせることで、入試に必要な学力が確保できるようになります。

ただ、これらは生徒の学力と性格などを見ながら与えることが大切です。とりあえず全部やらせておけ・・・では、生徒はやることが多すぎて潰れてしまいますし、実際問題、今の中学生はそんなに暇ではないですからね(笑)

 

○ 参考:成績アップを実現する勉強法はこちらもチェック。

成績を上げる中学生の勉強法の極意

学校のワークをやるべきか、塾の問題集をやるべきか?

 

現在「勉強法ツアー」に参加中の方は、こちらのリンクから戻れます

サイト内で手軽に学ぶ「勉強法ツアー」はこちらからスタート!

The following two tabs change content below.

楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

おすすめコンテンツ

楠木塾 メール会員
楠木塾 メール会員