「テストのために勉強したことを、テストが終わるとすぐに忘れてしまう」

そんな思いに悩んでいる生徒も多いでしょう。

せっかく勉強したのに、それをすぐに忘れてしまうのでは、虚しくなってしまうのも当然です。

 

ところが、生徒のほうはあっけらかんとしていて、そんなことなど全く気にしていないというケースも少なくありません。

すると、その様子をそばで見ている親や先生のほうが「どうしてせっかく勉強したことを忘れてしまうのか・・・」と悩んでしまうケースも多いです。

このサイトに検索でたどり着くような方だと、そういった立場の大人の方のほうが多いかもしれませんね。

 

それでは今回は、テストが終わったらすぐに忘れてしまう原因と、その対処法を見ていきましょう。

 

○ 参考:「そもそもどうやってテスト勉強するの?」という方はこちら。

中学生の定期テスト勉強法(学力中位向け)

中学生の定期テスト勉強法(学力上位向け)

 

テストが終わったら忘れる理由

テストが終わったら忘れてしまう理由は簡単です。

それは「テストのために勉強している」からですね。

当たり前じゃないかと言われそうですが、これは意外と大切なことです。

 

テストが終わると忘れる生徒の共通点

実は、テストが終わると忘れる生徒に、ほぼ100%共通していることがあります。

それは「テストだけを目的に勉強している」ことです。

これが、テストが終わった後も覚えているためには、致命的にまずいのですね。

 

例えば、行きたい志望校があって、そこに受かるために勉強している生徒がいたとします。

そういう子にとっては、今の目の前のテストは通過地点に過ぎませんよね。

そのため、テストが終わったからと言って「はー、終わった終わった」とはなりません。

それどころか、「よし、今回のテストでまずかったところを改善して本番に備えよう」となるほどです。

 

一方、目の前のテストのため「だけ」に勉強している生徒はどうでしょう?

そういう子にとっては、今の目の前のテストは通過地点どころか、それこそが目標地点ですよね。

これは、100m走やマラソンなどの陸上競技で言ったら、ゴールのテープを切った直後の状態です。

そのため、ゴールしたらそこで足が止まってしまう選手がほとんどであるように、テストが終われば「はー、終わった終わった」となってしまい、肩の力も一気に抜けきってしまいます。

抜けるのが力だけなら良いのですが、実際には覚えたばかりの頭の中のたくさんの知識までもが、一気に抜けていってしまう生徒も多いのが現実です。

 

それもこれも、目のためのテストのため「だけ」に勉強しているからなのですね。

 

○ 参考:テストだけ頑張れば・・・という勉強にはこんな危険も。

すぐに成績が上がる勉強法とそのリスク

 

テストのためだけに頑張る生徒を生み出す環境

テストのために頑張ること自体は、決して悪いことではありません。

しかし、ここまで見てきたように、テストのため「だけ」に頑張るのは、非常にまずい状態だと言えます。

ごくごく当たり前の話のように感じると思うのですが、当たり前の話だからこそ、ここがずれてしまっている生徒は何ともならないわけですね。

 

しかし、現実を見渡すと、テストのためだけに頑張る生徒たちが山のようにいます。

そして、周囲の親や先生たちもまた、生徒たちがテストのためだけに頑張ることを、むしろ後押ししてしまっています。

そういうつもりが無くても、実際に「もうすぐテストだから勉強しなさい」「テスト期間くらいしっかり勉強しなさい」といった言葉を発したことのある方は多いはずです。

これらの言葉は、ごくごく当たり前の言葉のような気がしますが、実は「テストのためだけに頑張る」状態を作り出すものであり、あまり褒められた言葉がけではありません。

むしろ、こういった言葉を日常的にかけられてしまうその状態こそが、生徒にとっても非常にまずい環境になっているとも言えるでしょう。

 

強い言い方をすれば、周囲の親や先生のそうしたまずいアプローチによって、「テストのためだけ勉強する(=テストが無ければ勉強しない)子供たち」が生み出されているのですね。

 

○ 参考:テスト前日に徹夜でテスト勉強するのは良いのか悪いのか?

徹夜でテスト勉強は良くない?

 

テストが終わると忘れる状況を改善するには?

すでに書いたとおり、テストが終わったら忘れる生徒にほぼ100%共通しているのは「テストだけを目的に勉強している」ことです。

ですから、そこを「テストだけが目的にならない勉強法に切り替える」ことができれば、今の状況を克服することにつながります。

 

そのために有効な方法はいくつもあります。

例えば、生徒に「勉強が好き」「その教科に興味がある」という思いを持たせることができれば、テストなど関係なしに勉強を進めていくことができるようになります。

また、直近のテストではなく、もっと先のことを目標に持たせて、テストは通過点に過ぎないことを気づかせるのも1つの手です。

もちろん、適切な間隔で復習をするというのも効果的な方法の1つと言えます。

 

○ 参考:どのくらいの間隔で復習すれば良いかはこちら。

勉強の理想的な復習間隔は?

 

ただし、こういった方法で「万能薬」と言えるようなものは無いですから、そこは注意してください。

というのも、「どんな生徒にでも効果がある都合の良い方法」がどこかにあると信じて、それを探し求めるようなことをしてしまう人が、生徒どころか親御さんの中にも少なくないからですね。

 

好きなことでもテストは別

上で述べた点について、もう少し補足しておきましょう。

 

例えば、ポケモンに出てくるキャラクターを覚えている子は多いですよね。

勉強が苦手で英単語なんかがまったく覚えられない子でも、ポケモンの名前はすらすら覚えていきます。

大人から見たら、ポケモンの名前のほうがよっぽどわけの分からない語句の羅列に見えますが(笑)、そんなことはお構いなしに覚えてしまいます。

 

これなどまさに、興味があれば子供は覚えられるという1つの例です。

しかし、もし仮に「明日ポケモンのテストをするから、登場するモンスターの名前を全部覚えてくるように」とやればどうなるでしょう?

 

きっと、最初は喜んでやりますし、それこそゲーム感覚で盛り上がることでしょう。

ところが、テストは1回では終わらず、「今回満点でなかった人は、次回までにしっかり覚えてくるように。また、満点だった人はポケモンに出てくるアイテムについて全て覚えてきましょう」と言われることになります。

それでもまだ楽しんでやる生徒はいるでしょうが、その後も同じように次から次へと課題を与えていくと、確実に嫌々やる生徒のほうが多くなっていきます。

 

また、合格点がとれるまで続けていくと、覚えられない生徒は好きだったはずのポケモンに対して、どんどん劣等感を感じていくでしょう。

ゲームをしていればかなり頭に入りそうですが、完璧に覚えようと思えば、やはり勉強しないと無理です。

そして、頑張ってモンスターの名前を覚えても、アイテム、ステージの攻略法、町の名前・・・など、覚えることはいくらでもあります。

好きなモンスターだけ覚えればいいというわけではありませんから、当然「そんなことは覚えたくない」と思うような言葉も出てくるでしょう。

それでも構わず、延々とテストは定期的に続いていくわけです。

 

実際、ポケモンのことをよく知っている生徒の中でもその知識量には優劣の差があるものです。

それが、普段の生活ではお互い「すごい」で済みますが、テストで点数化させられると「どちらがすごいのか」をはっきりさせることになってしまいます。

もちろん、勝ったほうは嬉しいですが、負けたほうは落ち込むわけで、それが繰り返されることで劣等感が植え付けられていきます。

そうなれば、次第に「なんでポケモンなんだよ。俺はドラクエのほうがいいんだ!」と言う生徒も出てくることでしょう。

 

もちろん、そんな主張にはお構い無しに、ポケモンのテストは強制的に続いていきますから、多くの生徒のモチベーションはどんどん下がります。

そしていつしか、生徒にとっての目的が「テストで良い点をとること」になってしまうことで、ますます嫌いにさせてしまうのですね。

テストというものは、いくら好きなことであっても、最後には嫌いにさせてしまうだけのパワーを持ったものなのです。

ですから、生徒に「勉強が好き」「その教科に興味がある」という思いを持たせるのは大切なことですが、残念ながら、それだけで十分とも言えないのですね。

 

○ 参考:勉強を好きになるためにはこちら。

勉強を好きになる方法

 

テストが終わっても忘れないために

同様に「目の前のテストではなく、もっと先のことを目標に持たせる」というのも、万能の方法ではありません。

それこそ、先のことを目標にしたせいで「目の前のテストは大事じゃない」と考えて、すぐに忘れるようになる生徒も中にはいます。

どこででも「目標を持たせることが大事」と言われますが、いつでもどの生徒にでも、とにかく先のことを目標にさせることが正しいわけではないのですね。

 

そのため、「テストが終わっても忘れない」状態にするためには、万能薬のような方法を求めるのではなく、個々の生徒に合った方法を求めることが大切になってきます。

分かりやすく簡単に「これさえやれば大丈夫!」と示してくれるような人の情報は、大抵「それだけでは駄目」な内容になっていますから、どこから情報を得るかの情報源はしっかりと見極めたいですね。

 

○ 参考:正しい勉強法を学びたいならこちら。

正しい勉強法の選び方 ~成績アップのための3つの勉強法~

絶対に成績の上がる勉強法の見つけ方

 

以上を踏まえた上で、それでもあえて「これさえやれば大丈夫!」といえる万能薬を挙げるとすると、「テストが終わった後でも忘れない」ことについて、その生徒にモチベーションを持たせることになります。

ただ、これは結局のところ「やる気にさせる技術」そのものですから、単純に「テストが終わっても忘れない」状態にするよりも、さらに上のスキルが求められることになってしまいます。

そもそも「やる気にさせる技術」がある人は、このレベルで悩むことは無いはずですからね(笑)

 

ただし、これを裏返すと「重要なスキルを高めていけば、それ1つで様々な問題に対応できるようになる」ということになります。

良い先生に教わると、生徒がやる気になって学力が上がるのも、まさにこういったあたりの技量があるかどうかが影響しているわけですね。

 

いずれにしても、生徒自身に「テストが終わった後でも忘れない」ことについてモチベーションを持たせることをさせるのは、普通の生徒にはやはり難しいと考えるべきです。

そのため、生徒がそうなれるような手助けが必要という意味で、保護者のサポートであったり、先生の指導であったりが、一段と重要となってくるわけですね。

あちこちと話が飛んでしまったたま、少しまとまりのない感じになってしまいましたが、まずは「テストだけを目的に勉強している」状態から脱却することを目指して、必要なサポートを心がけてみてくださいね。

 

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○ 参考:正しいテスト直しのやり方は知っていますか?

テスト直しの正しいやり方

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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