提出物を何故大事にしないのか、困り果てています

はじめまして。
中学2年生の息子を持つ母親です。

息子の学校は今区内で一番といってよいほど荒れてきました。問題行動のない生徒も授業に集中できない状態です。息子は暴力など問題は自ら起こすほうではありませんが、たとえばクラブ活動中ガムを食べないかと言われ、それにみんなが乗っていると(10人中7人)その7人に入ってしまいます。1年のときから、
提出物を出さないと、テストでいくら良くても評価が1段階落ちるといくら言っても、一度出すタイミングを逃すと、もう出さないで隠し持っている状況です。
2年になり、少しは変わったかと思えば、授業参観のときに机の中をのぞくと、プリントが乱雑に突っ込まれた状態でやはり、提出期限が終わっているものもありました。
先生いわく、授業をまじめにうけ、提出物をきっちりしていればテストで白紙で出さない限り5段階評価で3になるそうです。高校受験もかなり内申点を重視する受験システムです。それぐらい厳しいのに、何故出せないかが理解に苦しみます。

普段は行動が幼く、反抗期的な言動をすることはありますが、未だに、お母さん、お母さんと頼ったり、自身を持って書けた時はノートを見て見てと入ってきたりします。
勉強は覚えることが大嫌いなのと、学校の授業のノートやプリントを大切にしないので、今回の中間テストの点数は大体70~80点です。数学は91点で、数学だけは大抵良いほうです。
欲を言えば勉強にもみが入っていない状態なので、そろそろやる気をだして欲しいのですが、それより提出物を何故大事にしないのか、困り果てています。

入っても出したとうそをつくので、なすすべがありません。自分が困るのだからと見守るしかないのでしょうか?自分がまじめな学生生活だったので、気持ちが理解できないのです。
主人も同じで、まじめで、塾へも行かず、失敗がないため、こちらはもっとひどく、勉強ができないことすら理解できず、息子につらく当たることもあり、私はそれを見るのが嫌で、しっかりさせようと注意する→直らない→叱るの繰り返し。空回りの悪循環です。

 


 

メールマガジン内の表示に不手際があり、無用なご心配をおかけしたことと存じます。

御返事が遅くなりましたこと、誠に申し訳ございませんでした。

 

学校が荒れているということで、最初は、テストの得点で5割以下、反抗期で親子の会話も無い・・・という状況を想像して読み始めました。

ところが、文章の書きぶりから察するに、通知表は2が目立つ状態なのだと思いますが、思いのほかテストの得点は悪くないですし、反抗期自体もそれほどひどくは無いご様子ですね。

こちらの2点については情報も少ないことですし、今回の主題では無いようですから深入りはやめておきましょう。

 

さて、今回のように問題行動を起こす生徒が周囲に多ければ多いほど、問題の無い生徒でも問題を起こすようになるのは間違いの無い事実です。

私立に進まない限り、学校や先生は選べませんから、入ってしまった中で何とかするしか無いとは言え、学校が荒れているのは誠に不幸なことだと思います。

 

そういう状況がありますと、提出物のような小さな問題(どうでも良いという意味ではなく、クラブ活動中の飲食や、いわゆる授業崩壊のような状態と比べると、問題が軽いという意味です)では、なかなか解決が難しい面はあります。

日本の道路はわりときれいなのですが、私もよく通る高速の高架下のフェンスあたりのように一部のドライバーが空き缶やペットボトルなどのゴミを放置するような場所ですと、他のドライバーも寄ってたかってゴミを置いていき、日本とは思えないような汚い環境ができてしまいます。

周りが「汚すのが当たり前」と思ってしまうと、それに引きずられてしまう人が出てきてしまうように、「授業はまじめに受けないのが当たり前」「提出物なども出さないのが当たり前」のような環境があるとすれば、その中で意思を強く持って正しく行動するのはなかなか大変でしょう。

中2になって状況が改善したようですが、やはり1度「習慣化」したものはなかなか直りませんから、それなりの根気と力強い指導が必要となります。

 

○ 参考:提出物につきものの、ノート学習についてはこちら。

成績の上がるノートの使い方・まとめ方

 

提出物をなぜ大事にしないのか?

「提出物をなぜ大事にしないのか?」ですが、これは簡単です。

すなわち、「通知表が悪くなることで、どんな不利益が待っているか、実感として腑に落ちていない」からですね。

(なお、これは今回の場合に限ってです。生徒によっては「分かっているけれども提出したくない」「提出したくてもできない」「たとえ大事でもしたくないものはしたくない」など、いろいろなケースがあり、現実の生徒対応はそう単純では無いことだけ、念のため付け加えておきます)

 

親御さんからすれば「通知表が悪ければ、受験や進学にも不利益を被る。そうすれば人生にも大きな影響を及ぼし、ひいては子供自身の将来にふりかかってくる・・・」という思いになるわけですが、当の生徒はなかなかそこまで想像力が働きません。

もっと言えば、「提出物を出さないことで成績が下がり、そのせいで訪れる不幸」よりも、「タイミングを逃してから出す気まずさ」「期限どおりに提出する面倒くささ」のほうが、お子さんにとってはより苦痛なものなのですね。

特に、今回のように学校が荒れているような場合は、周囲の生徒が「将来の苦痛よりも目の前の苦痛から逃れようとする」「将来の喜びよりも一時の快楽のほうを選ぶ」ようになりますから、その影響を受けやすくなるというのもあります。

 

また、通常であれば、家庭内ならともかく、お子さんの学校の机の中をチェックするようなことまではしないですよね。

そこをされているあたりを見ると、もしかしたら普段から提出物について口うるさく言ってしまったり、過干渉気味になったりしている部分があるのかもしれませんね。

ただし、それが悪いことだと指摘するつもりはなく、いろいろな問題が起こり、そうせざるを得なかった面もあったことも理解できますし、そもそもお子さんは、荒れた学校の中でもきちんと自分を保ってきたわけですから、むしろ今までの子育ては良かったのではないでしょうか。

それに、お父様との間を取り持とうとして、思いがけずそうなってしまっている部分もあるはずで、ご家庭ごとにいろいろな事情があるものですから、あくまでも可能性の話としてお読みくださいませ。

(ちなみに、今回のような「父親の代弁者としての過干渉」はとてもよく起こる問題で、続・反抗期の対応法の中で詳しく解説しましたから、お読みの方はよく分かりますね。同じ過ちを犯さないようになさってください)

 

こうした状況になると、親からのチェック自体がプレッシャーとなり、余計に出さなくなることもあります。

これは、親御さんが気にしておられるような「提出物を出さないことから生じる本当の不利益」よりも、単に「親にうるさく言われる」という不利益から逃れることが生徒にとっての行動理由になってしまうからです。

つまり、問題の本質を捉え違えてしまって「親の目にさえ触れなければ良い」「とりあえずごまかすか、嘘をついてその場を過ごせば良い」という場当たり的な解決(しかし、生徒本人にとっては問題の本質的な解決だと思いこんでいる)を考えがちなのですね。

 

親がとりがちな間違った対応

こうした場合に、多くの親御さんがしてしまいがちな間違った対応が、「自分が困るのだから」と言って、あえて見守るような態度を取ることです。

これは正確に言うと、見守っているわけでも何でもなく、半ば「一度痛い目を見れば良い」とばかりに「突き放している」と呼ぶほうが正しいわけですが、これで状況が改善することはほとんどありません。

しかも、さらにややこしいことに、生徒の中には突き放していると受け取るどころか、むしろ「ようやく、うるさく言われなくなった」と受け取り、いわば「これで問題が解決した」と変な方向で話が落ち着いてしまうことさえあります。

 

こういうことをする親御さんは、根本的なところで大きな捉え違いをしていますが、それはもう分かりますね。

親の立場からすると「提出物を出さなければ子供自身が困って気づくだろう」と思っているわけですが、そもそも生徒は提出物を出さなくても「何も困らない」のです。

これは、いわゆる「朝に起こさなければ学校に遅刻して自分が困る」などとは根本的に違っていて、提出物を出さなくて本当に困るのは、いざ進路を決めようというまさにその時であり、気づいたときには同時に手遅れのタイミングなのですね。

それより先の時点で、せいぜい困ると言えば、「親や教師がうるさく言うこと」それ自体であって、突き放して何も言わなくなるのは、生徒からすればそのまま問題解決であり大歓迎なのです。

つまり、見守る(実際は見放す)ような対応をしたところで、親が望むようなその先の良い変化など起こりようすもないのですね。

 

ここでの正しい「見守り」は、ちゃんと腑に落ちるように説明して、「やらないと自分が困る」という本質に気づかせ、その上で「あなたの問題よ」と任せて見守ることです。

世の多くの親御さんや先生は、この大事なステップ・・・と言うよりも、本質そのものが抜け落ちているのですね。

 

○ 参考:同じくよくある「痛い目を見たほうが良い」についてはこちら。

「1度痛い目を見たほうが良い」に隠れた問題点

 

提出物の大事さをうまく伝えるためにどうすれば良いか?

そういうわけですから、やはり結局のところ「通知表が悪くなることで、どんな不利益が待っているか、実感として腑に落ちていない」という話につながってきます。

 

いただいたメッセージの中には「高校受験もかなり内申点を重視する受験システムです。それぐらい厳しいのに、何故出せないかが理解に苦しみます。」とありましたが、それは親御さんが「厳しさ」を理解してるからこそ抱く感情であって、お子さんが厳しさを理解していないとすれば、同じ感情を持つことはありません

ここで大事なのは、生徒の腑に落ちるかどうかです。

 

ここまで私が話してきたことでもそうですよね。

内容が正しいかどうかは各自でご判断いただくことですが、仮に全面的に正しいとしても、親御さんの腑に落ちなければ、実際の行動は変わらないはずです。

今のお子さんを見て親御さんが感じているのと同じように、「分かっているけど行動しない」のは「分かっていない」のとほとんど同じです。

 

これは必ずしも、子供たちだけに限った話ではありませんよね。

タバコが体に悪いことが分かっていても、なかなかやめられません。

食べ過ぎ、太り過ぎが体に悪いと分かっていても、なかなかダイエットは成功しません。

運動不足が良くないことが分かっていても、なかなか行動に移せず、メタボや成人病になる人は後を絶ちません。

 

人は、「ただ分かる」だけでは行動しないのです。

理解した上で、「本当に変える必要がある」と心から思わないと、行動には移せません。

「ただ分かる」のと「腑に落ちて、行動に移す」のとでは天と地ほどの差があるのですね。

(もちろん、行動に移しても、本質を捉え間違えていると効果はありません。私の伝え方のまずさのせいですが、メールセミナーでもそういう使い方をされる方はいて、密かに悩ましい点です)

 

それでは、お子さんに具体的にどういう対応をすれば良いのかと言えば、それはご家庭ごとに、または親御さんや先生ごとに異なるものです。

相手が中1以上になれば、基本的には言葉で言って聞かせるのが基本となりますが、こういったメッセージは伝える人によって違うものです。

そして、人の心を動かそうと思ったら、よほどの説得技術でも無い限りは、その人その人の信念を心をこめて話すしかありませんからね。

ただ、そうは言いましても、あまりにピントはずれの話をしても効果がありませんから、今回の場合に、どうやって伝えれば良いかのポイントをお伝えしておきましょう。

 

提出物の大事さをうまく伝えるための3つのポイント

こちらは個別的な話になるため、非公開記事にしますね。

続きは「正会員の専用書庫」でどうぞ。

 

参考:宿題や提出物をやると言ってもやらない子供への対応はこちらも

やると言ってもやらない、反抗的な子供への対応

 

たった一度のメールでそこまでお気づきになるなんて、驚きました

(ご相談終了後の、相談者様からのメッセージです)

無料相談のお返事をとてもとても丁寧にアドバイスしていただけて、嬉しく思います。
自分の相談の記事を読み返すと誤字が多く、失礼しました。

過干渉について、少し気をつけねばと思っていたところ、たった一度のメールでそこまで
お気づきになるなんて、驚きました。
すぐに何でも聞いてくるので自分で考えて行動するように促しているつもりが、突き放された気がするようです。(これも反抗期のメルマガでアドバイスされていたような・・・)

息子の学校は、提出物の期限を何度かアナウンスしており、それでも出さない生徒は
自分が困るだけだからといって、個人的に「君、まだ出していないね」と注意をしたり、怒ったりすることはありません。評価が下がりますが、出さなくてもすみます。
出すように促したり、注意をしたりするのは、親しかいないのです。

過干渉にならない、かつ、突き放していると思われない。そんな声の掛け方を心がけるのが大きな課題です。

先生のメルマガはとても勉強になります。
また同じような悩みをもたれている方が多くいらっしゃることもわかり、心強くなります。
本当にありがとうございました。

 

○ 参考:提出物を頑張ったのに、通知表(内申点)が上がらない・・・ということがないように。

通知表が上がらない理由

 


 

コメントをいただいたのがちょうど1週間経過時だったため、ブログにて御返事するか迷いましたが、トラブルによる繁忙もあったため、こちらで御返事しますね。

おっしゃるように「たった1度のメール」ですから、読み取れることもあれば、読み取れないこともあります。

これまでの御返事でも割りとはずすことなく読み取れていたとは思いますが、こうして言葉にしていただけると嬉しいですね。

 

すぐに何でも聞いてくるので自分で考えて行動するように促しているつもりが、突き放された気がするようです。(これも反抗期のメルマガでアドバイスされていたような・・・)

そうですね、まさにメールセミナーなどでご紹介している部分でしょうか(笑)

「自立させたい」と願うところまでは良いのですが、徐々に関わり方を変えていくのではなく、一気に「放置、放任」まで飛んでしまうのが、多くのご家庭で見られるまずい関わり方です。

勉強もそれ以外の何事でも、大抵の人にとっては段階を踏むほうが結果的に早いものですし、「見捨てられた感」は今後の親子関係においてもマイナスが多いですからね。

ただ、おっしゃるようにそのあたりの手加減が難しいのは言うまでもございません。

 

メールマガジンが参考になるとのこと、誠にありがとうございます。

また、同じ様なご家庭の存在を知って心強いとのことで、こうして情報を共有することで得られるものがあるのだなと、私も日々実感しております。

橋渡しでは無いですが、そういった役割もしていけるよう頑張って参りますね。

 

こちらこそ、ご丁寧な御返事をありがとうございました。

 

参考:提出物に指定されやすい学校ワークについてはこちらも

学校のワークをやるべきか、塾の問題集をやるべきか?

 

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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