誰でもすぐに思いつく、語彙を増やす方法は次の2つでしょうか。

  • 本を読んだり、問題を解いたりする中で、そこに出てくる語彙を覚えていく
  • 語彙集のようなものでまとめて覚える

テクニカルなことを言えば、語彙を含めた短文やコラムを書いたり、語彙をテーマに作文を書いたり、自分で語彙集を作ったりなど他にいくらでも方法はあります。

こういったものは、要するに「使いながら覚える」「整理しつつ、そのまま暗記する」かに分けられます。

そして、この方法のどちらが良いかは一長一短です。

 

語彙を使いながら覚えるのは、一定の語彙レベルが要求される

一般的には「使いながら覚える」のが良いと言われていますし、実際使いながら覚えたほうが応用力も身につくため理想的ではあります。

しかし、定期テストや入試が近づいてから、急に何とかして間に合わせようとする場合など、これではとても追いつきませんよね。

それに、中学生の時点で語彙の少ない子ですと、途中であまりに多くの語彙でつまずいてしまい、結局覚えることが多くなりすぎて頭に入らないことも起こります。

本来「使いながら覚える」のは、小さい頃から長い時間をかけて順番に覚えていくからこそ無理なく頭に入っていくわけで、大きくなってから急激に覚えるのには無理があります。

それをしたければ、その子の語彙レベルにあった文章で書かれた本や問題を用意する必要があるのですが、今度はそういう教材を探すのに一苦労することになります。

 

○ 参考:国語の作文力をつける中学生の勉強法はこちら

国語の作文力アップのための勉強法(基礎編)

 

語彙を効率良く暗記しようとするほど、語彙力の低い生徒には厳しくなる

一方、「整理しつつ、そのまま暗記する」のは、全く語彙の無い生徒でも勉強がしやすいです。

しかし、語彙力の少ない生徒ほど、多くの数を機械的に覚える必要がありますから、そのぶん途中で嫌になって投げ出しやすくなります。

特に、上手に整理して覚える効率をアップさせればさせるほど、テストの得点アップには効果を発揮しますが、そのぶん覚えることが増えるため、覚えきれない生徒も出やすくなります。

また、生きた使い方をしないまま意味だけを頭に入れることになるため、しっかり覚えられたとしても、それこそ受験のためだけの知識ということになりがちです。

関わる教師や周囲の人が、あえてそういった語彙を使うように関わってあげれば克服できますが、それができる大人が近くにいたら、もうすでに語彙力がついているという話ですよね(笑)

 

そういうことを考えると、小学校やそれ以前の段階から、無理なく段階的に語彙が増えるようにするのが一番良いです。

語彙の偏った本ばかり読んでもいけませんし、一定の段階でとまってしまうような読み方もいけません。

ちゃんと子供の発達段階に合わせたレベルの本を与えていくことが大切になってくるわけですね。

・・・もちろん、今から過去に遡ってそんなことはできるはずも無いのですけれども(笑)

 

中学生が今から語彙力をアップさせるには?

それでは、中学生が今から何とかしようといった場合どうするのが良いのでしょうか?

それはやはり「その生徒の性格や語彙レベルに合わせて、上に書いたテクニカルな方法を織り交ぜながら進めていく」のが最も現実的で最も効率が良いです。

そのためには、技術や方法論なども重要になってきますが、その上で生徒の「語彙力」だけでなく「性格」までを考えることがポイントになってきます

 

例えば、1つの有名な方法として、「小学校1年生の教科書から音読させていく」という方法があります。

「中学生に小学校1年生の教科書を読ませるなんて・・・」と思うかもしれませんが、これは語彙力に加えて、音読が苦手な生徒が音読力もつけられるという効果的な方法の1つです。

しかし、これを「簡単にできて楽しい」と思う生徒もいれば、「そんな基本的なところに戻らされては馬鹿にされているようでやってられない」と思う生徒もいて、反応はそれぞれです。

そして、嫌がる生徒や馬鹿されていると感じている生徒に、そのまま無理やりやらせたところで、まともな効果が出るはずもないのは誰でも想像がつきますよね?

さらに、内容が簡単すぎる(難しすぎる)かどうかの話の前に、「そもそも音読が効果的かどうか」もまた、その生徒の性格や個性によって変わります。

要するに「その生徒にフィットすれば効果的な方法だ」とは言えますが、それが合わない生徒には全く無意味な方法にもなるわけですね。

 

ですから、「こういう指導が最適だ」とは一概には言えません。

普段の学習状況や過去の学習履歴はもちろんのこと、生徒の性格や特性といった個人的な特徴についても踏まえるべきです。

さらに、その場の思いつきと言うと言い方が悪いですが、相手の顔を見て、こちらの提案に対する反応も踏まえた判断をしながら決めていくことになります。

逆に言えば、そういうのを無視して、他の大勢の生徒と全員一律で同じようなやり方を強制されたら、それは「素人指導だな」と思って良いです。

 

よく「国語の成績は上がりにくい」と言われますが、実はこういったあたりも関係しています。

生徒の皆さんは自分ひとりで悩まずに、ぜひ身近な先生に相談してみましょう。

(ただし、悪い先生に相談すると、時間だけかかる効果の無いことをさせられてしまいますから、そこはご注意を)

 

○ 参考:国語の読解問題の勉強法はこちら

国語 読解問題の勉強法

 

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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