理科を苦手とする生徒は多いですよね。

実際のテストの分布などを見ても、理科ができない生徒は他の教科と変わらずたくさんいます。

 

ところが、生徒たちに話を聞いてみると、「理科が苦手!」「理科が嫌い!」という生徒はそこまで多くありません。

もちろん、「数学が嫌い!」「英語が嫌い!」「勉強が嫌い!」と言うのと同じように「理科が嫌い!」と言う生徒は必ずいますよ。

しかし、理科についてだけは、他の教科ほどには「理科が苦手!」「理科が嫌い!」とは言われないのです。

 

不思議な感じがするかもしれませんが、実はこれには分かりやすい理由があります。

そのあたりを踏まえつつ、理科の苦手な生徒が苦手を克服するための勉強法について見ていきましょう。

 

参考:理科ではなく社会が苦手な生徒に向いた勉強法はこちら

中学社会の勉強法と苦手克服のコツ

 

理科の授業は好きで、テストは苦手

学校の理科の授業について生徒たちに話を聞くと、かなり高い確率で「実験は楽しい」という答えが返ってきます。

もちろん実験嫌いの生徒もいますが、わりと多くの生徒達は、実験の時間を楽しみにしています。

実際に、今の学校の授業は、昔と比べて実験や観察の時間が明らかに増えていますし、少しでも生徒の興味関心を惹きつけるようにと工夫もされています。

いつも悪く言われがちな学校の授業ですが、実は一定の成果を上げているわけですね。

 

そのため、「理科が苦手です・・・」と言う生徒には2種類あることになります。

  • 理科という教科が苦手な生徒
  • 理科の授業は好きだけど、テストや問題を解くのが苦手な生徒

こういった背景から、「理科は嫌いじゃないけどテストは苦手・・・」「授業は楽しいけど、問題になるとできないから苦手・・・」と思っている生徒がかなりいるわけですね。

 

理科のこの単元は好きで、この単元は苦手

生徒たちが「理科が苦手」と思いにくい理由はもう1つあります。

それは、単元がはっきりと分かれていることです。

 

生徒たちに聞いてみると分かりますが、理科の全ての単元が嫌いと言う生徒は多くはありません。

実際に「電流は全然できないけど植物はできる」「動物はつまらないけど天体は好き」などと、苦手なところもある代わりに、好きなところもあると答える生徒がとても多いです。

このように、例えば好きな範囲と嫌いな範囲が半々程度であれば、全体として「理科が苦手」とは思いませんよね。

 

数学が苦手で計算問題を見たくも無いという生徒でも、暗記範囲で興味も持ちやすい「植物」や「動物」の範囲は得意だと思っている生徒もいます。

逆に、暗記が苦手で嫌いという生徒でも、覚えることが少なくて論理的に解くことができる物理分野は好意的に思っている生徒もいます。

何しろ、もともと「物理、化学、生物、地学」という全く種類の異なる4つの分野を寄せ集めたのが「中学理科」ですからね。

もっと言えば、地学なら地学という分野の中にも「天体」「地層」「天気」という全く異なる3つの内容が含まれているなど、単元ごとに別の科目を習うのに近い状態です。

全部を得意になれる人が少ない代わりに、全部を苦手になってしまうことも起きにくいという仕組みがあるわけですね。

 

理科の苦手の克服法

こういった理科の特性を見ていくと、苦手な場合の克服法が見えてきます。

それは「単元ごとに克服して、少しでも分かる単元を増やしていく」ことです。

そうすれば、全体としての「理科」も、苦手意識が減っていき、得意科目とすることができるようになっていくわけですね。

 

ただし、単元別で勉強すると言っても、必ず「暗記分野」「計算分野」を分けて考えましょう。

理科の勉強は、社会のように「とにかく覚えれば点数がとれる」ところと、数学のように「問題に合わせて解いていかないといけないところ」があります。

上で見てきたように、中学校で言うと「第1分野、第2分野」の2分野、高校で言うと「物理、化学、生物、地学」の4分野で分かれているわけですが、同じ物理なら物理の単元の中でも、暗記分野と計算分野が混ざっているのが実情です。

そこで、名目上の単元にこだわるのも1つの方法ですが、実際に勉強する上では暗記分野と計算分野で分け、勉強法もそれに合わせて分けていくほうが効果的となるわけですね。

 

こういった勉強法の細かい技術的な話を書き出すと長くなりますから、そこは正会員に譲ることにしましょう。

それよりも、実際に理科の勉強を進める上で大切になる大前提の話があります。

それは、「分からないところ、理解できないところをどうやって解決するか」についてですね。

 

理科の苦手を克服するための先生選び

理科を勉強していると、分からないところや理解できないところが必ず出てきます。

これは他の教科も同じなのですが、理科は「科学」そのものを学ぶ教科ですから、必ず裏側に法則なり仕組みなり体系なりが隠れています。

そのため、文系科目のように「何となくでも覚えけばできる」「センスが良ければ解ける」といったものではなく、「理解しながら学ぶ」「分からないところをなくす」という学び方が絶対的に重要になってきます。

 

そういったところを解決する方法ですが、実際にはいろいろあります。

教科書や参考書を読むのも良いですし、資料集や図鑑に当たるのも良いですし、今ならインターネットのサイトを調べたり、映像や動画を見たりするのも良いでしょう。

しかし、最も身近で簡単かつ確実な解決方法は、やはり「先生に聞く」ことですよね。

学校の先生に聞ける人がいるか、それとも塾に通わざるを得ないかはそれぞれですが、いずれにしても「先生に聞く」ことが、理科ではより一層重要になってきます。

 

そういう意味でも、まさに「先生の力量が問われる」とも言えますし、「先生選びが重要になる」とも言えるわけですね。

それでは、その重要になる「先生選び」について見ていきましょう。

 

理科の先生は単元ごとの力量差がとても大きい

上のほうで「単元ごとに克服して、少しでも分かる単元を増やしていく」ことが重要だと言いましたね。

実は、単元ごとに克服できることは、メリットであると同時に、デメリットにもなります。

 

単元ごとに内容が大きく違うということは、たとえ他の内容が駄目でも、その内容だけを「好き&得意」になる可能性がありますよね。

しかし、これはあくまでも「上手に教えてもらうことができれば」という条件付きであって、反対に下手に教わってしまうと、そこだけを「嫌い&苦手」になる可能性もあります。

そのため、その単元の指導が下手な先生に教わってしまうと、悲惨なことになってしまいます。

 

ところが、実は理科は他の教科と違って、先生が持つ指導力の単元ごとの差がとても大きいです。

それも「特定の単元が上手」なら良いのですが、基本的には「特定の単元だけは平均的」で「他の単元は下手」というケースが少なくありません。

つまり、何も考えずに先生に相談していると、「下手な教え方をされてしまう確率」がとても高いのですね。

 

理科の先生にも苦手単元がある

実は、教え方が上手か下手か以前に「理科の先生にも苦手単元がある」と聞いたら驚くでしょうか。

 

例えば、数学の先生が「方程式が得意で関数が苦手」と言ったとします。

この場合、大学レベルの数学だと話が違ってきますが、中学生に教える程度であれば特に問題がありません。

当たり前の話ですが、少なくとも中学生レベルの関数が解けないということはあり得ないですから、全く心配はいりません。

 

ところで、理科の先生が「物理が得意で地学が苦手」と言った場合はどうでしょう。

この場合、高校や大学レベルはもちろんのこと、実は中学生に教えられないほど分かっていない可能性もあるのが怖いところです。

 

中学の理科はいくつもの科目を寄せ集めたものだと言いましたが、中学の理科の先生になるために、それらの科目のいくつを学べば良いと思いますか?

普通に考えたら、全てを完璧に・・・とはいかないまでも、基本的なところくらいは、全ての分野について押さえておくことが必要に感じますよね。

ところが、たとえ理科の先生になるような人であっても、高校で習うのは普通「物理、科学、生物、地学」の内のせいぜい2つとなります。

これが大学になると、1つの分野を徹底的に深掘りすることになりますから、物理なら物理の中でさらに細かく分かれた内容をいくつか学ぶくらいで、その他の分野はほとんど触れません。

 

そうすると、深く学んだ以外の残りの分野は「中学生レベルと大差ない状態」になってしまいます。

もちろん、中学生の頃に習った記憶など、大学が終わる頃にはすっかり消し飛んでいますから、現役中学生よりできない人もいるくらいです。

実際に、塾の講師になったばかりの新人に高校入試の問題を解かせてみると、物理、化学、生物、地学のどれかが得意なかわりに、どれかが全く駄目という状態になります。

大学でバリバリの理系学部を出ていても、いざ授業に入れてみると、生徒に教えるどころか自分が解くことさえ怪しいという状態にもなることもあるくらいです。

つまり、わざわざ自分で余分に学びでもしない限り、どうやっても苦手単元ができてしまう仕組みになっているのですね。

(そして、大学時代に自分の時間を使って余分に学ぶような、勉強熱心で優秀な人で、学校や塾の先生にわざわざなろうという奇特な人はわずかです)

 

とりあえず、ここまでは塾の先生に当てはまる話ですね。

これが学校の先生になると、採用試験などで中学レベルにプラスアルファくらいまで聞かれますから、もう少しマシにはなります。

しかし、それでも専門分野以外は「中学レベルと大差ない状態」に近いです。

 

そういうわけで、仮に電流の教え方がうまい先生でも、火山はボロボロということは普通にあります。

実際、学校の先生の作った定期テストを見ていると、「ある単元は詳しいのに、ある単元はウソや間違ったことを教えている」というひどいケースも普通にあります。

塾のほうでも、ある分野は「上手に教えるな」と思って見ていたら、他の単元になると力技でごまかして「それは無いでしょう・・・」と言いたくなる教え方をしていることもあります。

同じ先生とは思えないくらい差があるのですが、生徒はまったく気づきません。

 

そのため、理科の先生選びは「この先生に全部聞く!」よりも、「この単元はこの先生で、この単元はこの先生に」という形を、より意識したほうが良いでしょう。

そして、これは塾や家庭教師でも同じですから、「この先生はすごそうだな・・・」と思っても、全ての単元で聞いても大丈夫かどうかは冷静に判断するべきです。

特に、若い先生の場合は十分な知識が無いケースも多いため、信用し過ぎないように気をつけましょう。

(もちろん、ベテランのほうにもひどい人はいますから、全く安心はできませんけれども)

 

まともに理科を習っていない先生もいる

上の話に加えて、さらに危険な落とし穴となるのが、いわゆる「ゆとり世代」にあたる先生たちです。

これは、一定の集団をゆとり世代とレッテルを貼り、貶めようとしているわけではないですから、誤解しないでくださいね。

問題なのは、ゆとり学習と呼ばれる頃に中学で教わっていた「理科」と、今の中学生が習う「理科」が、あまりに大きくかけ離れてしまっている点です。

 

簡単に言うと、ゆとり世代にあたる先生たちが中学校の頃に習ったのは、今の学習内容から3割以上も削った内容でした。

そのため、削られていた内容については教わったことが無いですし、その内容を「どうやって教えるのか」を見たこともない状態になります。

もちろん、勉強すればいくらでも学ぶことはできますが、自分が習ったことのない内容を教えないといけないというのは、なかなかに大変なことです。

 

塾の場合は、そもそも理系ですらない先生もいる

塾の場合は、理系ですらないのに、理科の先生にさせられてしまうケースがあります。

単純に、理科の先生が辞めてしまって、配置教員の都合で強制的に入れられるようなことは普通にあります。

また、本格的な理系の人はエンジニアなどの就職先に進むことが多く、学校でも人材が不足していますから、塾は余計に不足しています。

そのため、人材が集まりやすい超大手塾でも無ければ、文系の先生のほうが多くなりがちで、せいぜい理系なのに理系センスの乏しい人が来るくらいで、理系の先生がどうしても不足します。

その結果、理系でもなければ、理科が好きでもないし、むしろ苦手ですらあるのに、強制的に理科担当にさせられてしまって、ひいこら言いながら授業準備をするというお決まりの構図も生まれます。

 

塾で先生に聞く場合は、そういった「そもそも理科が苦手」という人が無理やり理科を担当しているケースもありますから、その人は必ず避けましょう。

そして理科の中で得意不得意のある先生に関しては、苦手な分野は聞かずに他の先生に聞くようにしたほうが良いでしょう。

 

中学理科の先生に求められる力

ここまで「理科の先生にも苦手単元がある」ということを見てきました。

ただ、ここで注意してほしいのは、生徒や親御さんが気にすべき苦手単元とは「教えるのが苦手かどうか」であることです。

決して、その単元について「詳しく知っているか知っていないか」で分ける必要はありません。

 

上で見てきたとおり、理科についてはどうしても苦手単元が生じやすい仕組みがあります。

ただ、教科知識に関しては、事前に勉強しさえすればいくらでも身につけることができますよね。

もちろん、最低限の教科知識が無い先生は問題外ですが、一定以上の知識があれば、教えるぶんには困りません。

それよりも問題なのは、肝心の「教える」という点において、苦手単元かどうかということです。

 

実際に、中学程度の内容を教えるのに、そこまで深い知識はいりません。

最低限の知識さえあれば、別にそれ以上は詳しくなくても、分かりやすく力がつくように教えることはいくらでもできます。

知識という点で言えば、そもそも教科書ですら、最先端の知識から言えばウソになるようなことばかり書いてあるものです。

例えば、教科書に書いてある「原子が最小の粒である」はウソの典型なのですが、中学校ではそれをさも真実のように教わるわけですから、面白いものです。

(もちろん教科書がミスしているわけではなく、生徒が理解しやすいようにわざとそうしているだけですよ)

 

ですから、最低でも「その単元を教えるのが苦手でない先生」を選んで、聞きに行くようにしましょう。

その上で、もう1つ気をつけたいのが「その単元を嫌いな先生には聞かない」ことです。

 

理科が嫌いな先生には聞かない

理科の先生に、理科嫌いの人はいなさそうですよね?

確かに、わざわざ好き好んで理科の先生になるくらいですから「理科が好き」な人が多いのは間違いアリません。

しかし、上で見てきたとおり、理科の先生になるのに、中学で習う理科の全ての分野に通じている必要はなく、その中のいくつかの分野ができればそれで十分なることができます。

つまり、理科の全部が好きなわけでは無く、その中で好き嫌いのはっきりしている人も多いのですね。

(実際に、理系大学を出たような先生でも「物理は好きだけど生物は嫌い」「化学は面白いけど地学はつまらない」のようなことを平気で言います)

 

それを踏まえて、とても大切となるのが、理科が嫌いな先生に聞かないことです。

 

中学理科の指導者に大切なのは「知識の正確さ」よりも、「楽しさを伝えられるかどうか」「興味を持たせられるかどうか」です。

上で見てきたとおり、もともと本当の意味で正しい知識は、高校や大学に進んでから学ぶのが前提になっていて、中学の理科はその導入にあたります。

そこで、理科が好きで大得意な生徒ならともかく、理科が分からなくて困っているような生徒に、入口の時点からいきなりこと細かに深入りした知識を教わる意味などあまりありません。

(そういうのを教えたがる先生に限って、どうでもいいようなところばかりこだわって教えたがるものです)

 

それでは、どういう先生が「楽しさを伝えられる」「興味を持たせられる」かと言えば、やはり大前提として「理科が好き」であることです。

その教科の面白さが分からない人には、その教科を楽しく教えることはできません。

ただし、理科の場合は「この単元は好きだけど、この単元は嫌い」ということが先生のほうにもあるため注意が必要です。

そういう先生に当たると、自分が興味の無い単元になると「こんなものは覚えておけばいい」「これは理屈は高校で習うから今は気にするな」などと平気で言いもします。

実際にそう言うべきところもあるのですが、それをちゃんと興味が持てるように、または頭に入りやすいように噛み砕いて教えてあげるのが先生の役目ですよね。

しかし、自分が嫌いな教科を教えていては、そんなことができるはずもありません。

決して、自分が苦手な単元を、その単元を内心で嫌っている先生に聞きに行くようなことは、絶対に避けたいです。

 

理科は説明を聞きながらでないと勉強が進まないところがあるため、理科が好きで、頭が固すぎない、良い先生を見つけましょう。

そういう先生に教えてもらえば、自然と理科もできるようになっていくはずですから。

 

参考:理科と並んで数学が苦手な生徒はこちらも

中学数学の苦手を克服するための、算数の復習のコツ

 

 

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