「社会なんか勉強する意味が無い!」

 

・・・そう口にする時、そこには2種類の思いがありますよね。

  • 社会なんか、どうせ勉強してもできるようにならないから意味が無い!
  • 社会で習う内容なんか、人生の役に立つとは思えないから意味が無い!

確かに、やっても上がらないなら勉強する意味は無いですし、内容自体が無意味なものなら勉強する意味もありません。

それでは、本当に社会は勉強しても意味が無いのでしょうか?

1つずつ見ていきましょう。

 

参考:社会と並んで理科の勉強法が知りたい方はこちらも

理科の苦手な生徒と勉強法

 

社会は勉強すれば確実にできるようになる

社会は勉強すれば確実に点数が上がる教科です。

5教科どれも30点しかとれなくて、どの教科も嫌いな生徒が困っているとしたら、私が直接指導できるなら、社会から勉強を進めさせます。

なぜなら、社会は数ヶ月あれば最低でも60点、普通にいけば80点はとれるようになるからですね。

そういう意味では、やったらやっただけ点数に反映される分かりやすい教科です。

(もちろん、勉強法がまずいといくらやっても無駄に終わってしまいますよ)

 

ただし、これで社会を好きになるかどうかは別問題です。

点数がとれるようになったから好きになる・・・というケースも多いですが、社会本来の持つ楽しさが伝わるかどうかは別問題ですよね。

それは特に社会に限ったことでは無いため、好きにさせたかったらまた別のアプローチが必要になります。

もちろん「点数を上げるための指導」をしていく中で「社会に興味を持つ指導」をしていくわけですね。

こういうふうに教師側がちゃんと目的をもって指導しているかどうかで、指導成果は大きく変わってきます。

 

  • 自分の「社会が好き」という思いを押しつけるだけ
  • つまらないうんちくや自分が話したい内容をひたすら話し続けるだけ
  • ひたすら教科書や資料集の内容を解説するだけ

社会の先生には、こういったつまらない授業しかしない人も少なくないですよね。

さながら「自分の知識の発表会」ですが、これでは社会がつまらない生徒は永遠につまらないままです。

せいぜいうまくいっても「興味を持たせる」ところ止まりで、肝心の「テストや成績は悪いまま」という指導も少なくありません。

「興味付け」と「力をつける」の両方をバランス良くやるのが大事なのですね。

 

○ 参考:社会の成績を上げたい時に、こんな勉強法をしていませんか?

中学社会のあまりおすすめしない勉強法

 

社会は何のために勉強するのか?

続いては「社会で勉強することは、将来にとって意味があるの?」という、よくある疑問についてですね。

 

まず先に断っておくと、私は社会が好きです。

歴史も地理も法律も倫理も政治、経済もですね。

大学のとき、理系学部なのに独学でそれらのことを勉強していたくらい好きですし、もちろん中学のときも1番好きな教科でした。

それを踏まえての意見ですから、決して社会が嫌いで言っているわけでは無いことは踏まえてくださいね。

 

○ 参考:社会以外も含めた勉強する意味はこちら。

勉強するのは何のためか

 

社会は勉強する意味があるのか?

学校で習う社会を勉強する意味は「一応」あります。

自信を持って「あります」と言いたいところですが、残念ながら「一応」とつけるのが精一杯です。

それどころか現実には、はっきり言ってかなり意味は薄いというのが本当のところです。

 

社会は基本的に「覚えればできてしまう」教科ですよね。

そのせいで、あまり頭を使わずにとにかく「丸暗記」するような生徒でも、高得点がとれてしまう現実があります。

しかし、そういった勉強法は、逆に「自分の頭で考える」ことに最も悪影響を与えます。

 

もちろん授業方法次第では、社会でも考えさせる授業を展開できます。

学習指導要領などでも、社会を通じて「表現力」「想像力」「思考力」を育てるというのが、目指すべき目標となっているくらいですからね。

しかし、実際にそういう社会の授業を展開できている先生はほとんどいません。

 

それに・・・あまり書くと怒られてしまいそうですが・・・困ったことに、そもそも教えている社会の先生自体に、「表現力」「想像力」「思考力」の欠けている人が少なくないという厳しい現実があります。

高校以降で、社会が完全な文系教科になってしまっているせいか、特に社会で伸ばしやすいはずの「論理的思考力」に欠けた先生はかなり多いです。

その典型が、定期テストで重箱の隅をつついたような問題を出す先生たちで、あれなどはまさに「自分には思考力が足りていないから、暗記力を問うテストしか作れません」と言っているのに等しいです。

 

単なる教科知識であれば、別に本人が覚えていなくても教えることは可能です。

しかし、論理的思考力のような漠然とした力は、本人に一定の力が無いと、生徒にも教えることができません。

そのせいで、せっかく論理的思考力を高めるのに適した場面・内容であっても、「こういうものだから覚えておきなさい」「事実がそうだったのだからしょうがない」などとやってしまう先生も少なくないわけですね。

(ついでに同じ理由で、上に書いた「自分の知識や思いを押しつけるだけの発表会」のようになっている先生が多いというのもあります)

 

また、反対に社会の先生の肩も持っておくと、肝心の入試も暗記力ばかりを問う内容になってしまっているという困った実情もあります。

入試が「暗記した生徒ほど有利な内容」では、生徒が暗記に気がいくのも、先生がそちらに寄った指導をするのもしかたないですよね。

反対に、いくら頭のはたらく生徒でも、暗記してないと全く点がとれないという矛盾もあるほどですから、余計にたちが悪いです。

 

実際の社会の授業で学ぶもの

社会には、社会ならではの面白さや奥深さ、さらには学ぶ意味と言えるものがたくさんあります。

 

歴史なら、例えば時代の流れやストーリー性、歴史の必然性や様々な人物の人間ドラマなどは、とても面白いところです。

それこそ歴史を学ぶことで、生徒たちが近い将来に直面する壁や困難においても、「どういった場面では、どう考えて、どう行動すれば良いのか?」という問題解決の本質的なことも身につけることが可能です。

しかし、実際の授業でするのは、過去の結果を羅列して紹介し、最終的にはそれらを丸暗記するというだけですよね。

この変化の早い時代に、錆びついた古い知識をそのまま覚えるなどという行為には、趣味や雑学以外にほとんど何の意味もありません。

 

地理なら、例えば地形や気候などの環境と、地域の人々の暮らしや文化との関連性などは、とても面白いところです。

しかし、実際の授業でするのは、地域ごとの特色を頭に詰め込むことに他ならず、特定地域の地名&名産品の暗記道場と化しています。

よく言う「海外旅行した時に役立つ」というようなのも、単なる知識レベルの話に過ぎないわけで、それこそ「海外旅行をしない人には何の役にも立たない内容だ」と言っているのに等しいです。

 

公民なら、例えば政治や経済の仕組みに始まって、いわばこれから旅立つ社会の仕組みに関する全てが、とても面白いところです。

しかし、頭の固い人たちがカリキュラムを決めているせいか、全てを満遍なく教えようとしすぎたせいか、社会に出ても役に立たない内容や、将来関係しなさそうな内容ばかりになっています。

もちろん、実際には将来役立つ内容もあるわけですが、それはそれで先生の伝え方がまずいせいで、生徒たちに「これは将来に関係するぞ」という感触さえ伝えられていない場合も多いです。

 

要するに、学習指導要領などで目標とする姿はかなり高いとしても、実際の社会の授業のほとんどは「頭を良くする」「面白さ」「社会に出てから役立つ」のどれにも貢献していないのですね。

せいぜい暗記方法をマスターすることくらいで、それでは生徒たちが「意味が無い」と思うのも当然という話です。

 

実社会からほど遠い環境で学ぶ社会

学校の「社会」の授業とは、何年間も教室の中だけで、しかも教えるのは公務員だけという、極めて限定された条件下で行われるものです。

どう考えても偏りすぎている中で教わるのですから、どれだけ調べ学習なり、学び合い学習なり、アクティブ・ラーニングなりといった手法を取り入れようとも、偏ったものになってしまうのは容易に想像できると思います。

もしも社会の授業をもっと意味あるものにしたいなら、生徒たちが勉強するよりも前に、社会の先生たちこそが真っ先に社会に出て、教科書や参考書の知識以外のもっといろいろなことを勉強する必要があるでしょう。

(これは今の先生たちが知識不足という意味ではなく、生きた形で社会を扱おうと思ったら、学ぶことが無限にあるという意味です)

 

いずれにしても確実に言えるのは、一般的な中学校で習う社会を見につけたところで、実社会ではほとんど役に立たないということです。

もちろん、運良く力のある先生に学ぶことができれば、実社会でも役立つ様々な知識と知恵とを身につけることもできるでしょうが、そういう幸運に恵まれる人はごく一部に過ぎません。

 

しかし、だからと言って「やらなくて良い」という意味ではなく、「それでは全然足りていないから、もっともっと多くのことを学んでおくべきだ」ということですね。

例えば、先日の新聞紙上で派遣切りにあった人が「この機会に憲法の生存権について勉強してみたいと思います」とコメントしていましたが、本来なら中学校で学ぶことができた内容です。

そもそも、不当解雇や派遣切りにあってから憲法や労働基準法を読み始めているようでは遅いわけで、もしもその手前の段階で必要な知識があれば、トラブル自体をうまく回避できていたかもしれません。

 

「社会に出てから役立たない勉強をしたくない」と言う生徒は多いですが、私は「だったら社会に出てから役立つ勉強をすれば良い」と言い返します。

やる気があるなら、法律でも社会経済でも異文化理解でも英語以外の言語でも各分野の専門知識でも何でも教えますし、教えられなくても学び方や勉強の素材は提供できます。

しかし、そういう生徒に限って、時間があっても余分な勉強はしません。

やらなくてすむ逃げ道を探しているだけなのですね。

 

社会は、正しく学べば「大人になっても1人できちんと生き抜いていける力」を身につける役に立ちます。

いくら努力しようと、いくら賢くなろうと、どうしても避けられない理不尽な場面や苦しみというものが、リアルの人生にはいくらでも起こります。

そんな場面に直面した時に役立つ知識や知恵がいろいろとあるわけですが、「社会」という教科は、そうしたいろいろなことを学ぶ上での「入口」になっています

 

全く知らないことは興味の持ちようが無いですが、社会がその機会を作ってくれます。

それに、もしかしたら、その中から自分の将来の仕事や目標、生きがいなどが見つかるかもしれません。

確かに、今の形のままでは、受験以外に大して役に立たない内容になってしまっているのは否定しません。

しかし、それは生徒側の努力と教師側の努力とで、いくらでも変えることができるのも事実です。

入ってしまっているものはどうしようもないため、前向きにとらえていけると良いですね。

 

ただし、自分が当事者になって痛みを感じないと、真剣には勉強できないのが人間というものです。

そして、その真理もまた、歴史を通じて学ぶことができることでもあります(笑)

理屈をつけて「結局何もしない」のはやめて、まずは興味の持てる範囲で、自分で「意味がある」と思えることから始めてみてくださいね。

 

参考:中学社会の苦手克服と効果的な勉強法はこちら

中学社会の勉強法と苦手克服のコツ

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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