文章問題が苦手な生徒は多いでしょう。

そこで、文章問題を解く力をつける勉強法について書いてみます。

※ ここで言う文章問題は、方程式や関数の文章問題で、図形などは含みませんから、そのつもりで読んでください。(分野が変われば勉強法も変わります)

 

参考:確率の文章題についてはこちら

中学数学 確率の勉強法

 

中学数学の文章問題を解くのに国語の読解力が必要か?

数学の先生のよく言う言葉に、「国語力が無いから文章問題が解けない」があります。

中には、数学の相談に行ったのに、それを無視して「国語を勉強して来い」と言う先生もいますよね(笑)

 

確かに、文章問題が分からない生徒は、国語が苦手なことが多いです。

中でも、特に問題となるのが、国語が苦手かどうか以前の「普段からまったく文章を読まない」「文章を見ただけで読むのをやめる」生徒ですね。

実際、文章問題を見た瞬間に諦める生徒の率はかなり高いですし、諦めなくとも数字を見てカンだけで答えようとする生徒もかなり多いです。

 

そのため、家で文章問題を教えようと思うなら、まずは自分の教えている子供が「ちゃんと文章を読もうとしているか」を確認してみてください。

数字だけ見て適当に足したり引いたりしておしまい・・・では永遠にできるようになりませんからね。

これは計算が得意な生徒でも普通にあるため、注意しましょう。

(計算力のところでも書いたように、計算力はトレーニングで身につくものですから、計算ができたからと言って、数学センスがあるなどと思わないようにしましょう)

 

しかし、自分なりに読もうとしている生徒の場合には、この話は当てはまりません。

そもそも、普通の文章問題程度に、高度な国語力など必要とされていません

それに、数学の先生が「国語を勉強しろ」では自分の仕事を放棄しているに等しいですよね(笑)

それを真に受けて、わざわざ国語を学び直していては、いつまで経っても文章題の勉強に進めないことになります。

 

これは、文章問題を教えきる力の無い先生がよく言う「言い訳」です。

こんなことを言う先生に当たったら、文章問題ができるようになることは無いでしょうから、運が悪かったと思って諦めましょう。

(そういう先生が大半なのが現状ですけれども)

 

それでは、どうすれば文章問題を解く力がつくのでしょうか?

それには文章問題を解くために、どういった力が必要かを分かっていないといけません。

なお、上にも書いたとおり、文章をちゃんと読むという姿勢は最低限あるものとしますから、そういう姿勢が身につかない場合は、教え方の上手な人に任せましょう。

 

参考:算数・数学の文章題と、国語の読解力について詳しくはこちら

算数(数学)の文章題に、国語の読解力が必要か?

 

中学数学の文章問題をできるようにするには?

文章問題をできるようにするには、いくつかのステップを踏まなければなりません。

プロの選手がスイングを確認するとき、ブン!と振ってみて「うん、きれいなフォームだな」という単純な見方はしません。

立ち位置はどうか、最初の手の高さはどうか、グリップの握りはどうか、肩の開きはどうか、頭の位置はどうか、テークバックはどうか、バットの頭の出だしはどうか・・・

といった細かいステップに刻んで、その1つ1つがうまくできているかを確認し、その後全体の流れがうまくできているかを確認するといった作業を行います。

これは別にスポーツ選手に限らず、全てのプロの世界で通用することです。

素人が見ても見えない部分をきちんと細分化すること、そしてそれらを1つの流れとして機能させることができるのが本物のプロですよね。

 

もちろん教師も同じで、様々な指導内容についてこうした細分化と全体の流れの確認・・・つまり分析と総合ができる人が本物のプロです。

ただ単に、楽しく分かりやすく説明するだけなら苦労はしません。

(とはいえ、それすらできずに、生徒を勉強嫌いにさせる先生も多いわけですけれども・・・)

 

文章問題ができるようになるためには、生徒や保護者が知らない(または意識していない)ような、細かいステップがいくつもあります。

計算と違ってこのステップが見えにくいこと、そして1つ1つのステップがそれなりに歯ごたえがあることが、文章問題が苦手な生徒が多い理由です。

決して「国語力が無いから」ではありません。

 

もし「文章題を解く前に国語力が無いから、まずは国語の勉強をしなさい」と言う先生がいたら、早めに違う先生に聞きましょう。

それでは全く指導になっていないですし、平気で他教科に責任をなすりつけるような先生に教わるのは、指導力以前の人間性の部分で心配です。

そもそも数学の文章問題をマスターするよりも、国語をマスターするほうがはるかに難しいですしね(笑)

 

さて、文章問題を解くために生徒、保護者の皆様にまず知っておいてほしいのは、「小学校と中学校の文章題は全く違う」ことです。

これは難易度の話ではなくて、難しい問題になってくれば、どちらも難しいのは同じです。

しかし、意外かもしれませんが、実は普通の問題を解く上では、中学校のほうが圧倒的に簡単なのです。

 

参考:上位校には不可欠の、難易度の高い文章問題についてはこちらも

偏差値70の高校受験に向けた数学文章題の勉強法と時間の使い方

 

小学算数より中学数学の文章問題のほうが簡単な理由

小学算数より中学数学の文章題のほうが圧倒的に簡単な理由・・・それは小学生のときに問われるのは意外と本質的な部分が多いからですね。

割合の3用法の使い分け、速さの本質を問う問題、比の概念など、こういうのは大人でも怪しい人がたくさんいますよね?(笑)

これらを使った文章問題は、本質的な理解だけでなく、その上にくるセンスまでもが問われてしまうのです。

もちろん中学生でも割合や速さは出ますが、嬉しい(?)ことに、本質的な部分を問うような問題はほとんど出ません。

要するに、割合や速さの本当の意味が分かってなくても、公式さえ覚えていれば解けてしまうということです。

 

例えばこんな問題が小学生では「超」のつく基本問題として出されます。

「クラスの30%が男子で、その数は12人です。このクラスの女子の人数は何人でしょう?」

この場合、割合で解くなら「30%が12人ということは、全体を求めるには12を0.3でわればよいんだな。すると12÷0.3=40で、クラス全体は40人だ。そうなると女子の人数は40-12=28で、28人だと分かるぞ」となります。

(この程度でも、すらすら思いつけるのは、わりと良くできる生徒だけです)

 

これを読んで「比で解けば簡単じゃないの?」と思った人は鋭いです。

「30(%):12(人)=70(%):□(人)より、右の数字が左の数字の0.4倍になっているため、70×0.4=28 答え28人」と出ます。

(外項・内項の積を使ってもよいです)

 

しかし、どちらのやり方も多くの小学生はつまずきます。

「30%が12人と分かっているから全体が求まる」と思える生徒が少ないですし、式が立っても「12÷0.3ってすごく違和感がある気がする・・・」と思って計算をやめたり、勝手に掛け算に変えたりします。

実際、大人が見ても、ものすごく違和感のある式ですよね?

 

さらに比に至っては思いつくことすら無いでしょう。

何しろ、もとの問題文をどう見ても比のにおいがしませんよね。

多くの生徒は割合の問題だと気づくので精一杯です。

 

こういう状態ですから、すらすらと割合ができる生徒や、いきなり比が思いつくような生徒は「センスが良い」などと言われるわけです。

(ただし、中学入試に備えて勉強するような生徒だと、こういったものも全てパターンで解けるように練習します)

 

ところが、中学数学ではこういった本質的なところは問われません

 

参考:以上のことも踏まえた算数の効果的な復習のコツはこちら

中学数学の苦手を克服するための、算数の復習のコツ

 

中学数学の文章問題攻略の指導上のポイント

小学算数で聞かれるような本質的なことが、中学数学では聞かれないのはなぜか?

それは「文字」がメインになるからです。

 

中学になると割合の問題は、「全体×割合=求める数」のような公式(?)を頭に入れておきさえすれば、上の問題だと「30%は0.3だから、全体×0.3=12だな。全体をxとすると0.3x=12で、後は方程式を解けばおしまい」となります。

つまり、割合の本質的な意味を考える必要が無いのですね。

また、小学校では比のやり方のように、別の簡単な解き方がいくつもあるのですが、中学校ではひたすら方程式をワンパターンで使うだけで済んでしまい、別のやり方をする必要がありません

それどころか、別のやり方だと逆に難しくなってしまうことが多いですし、方程式をたてて地道に計算したほうがミスが少なく正解にたどりつきやすいのですね。

 

もともと簡単な方法を思いつくメリットは「余分な計算が減らせる」ということです。

上の比の方法を思いつく生徒は、小数の割り算をする必要が無いですから、計算ミスの可能性が激減しますよね。

しかし、方程式を使って解きさえすれば、小難しく考えるよりも計算が圧倒的に簡単になります。

実際に、0.3x=12の次は両辺を10倍して3x=120、両辺を3で割ってx=40という具合ですから、小数すら計算に出てきません。

方程式を使うことで、小学校時代に苦労した複雑な小数の計算を避けることもできるのです。

 

そういうわけで、中学校の数学の文章問題では割合や速さといった、数的な概念やセンスが必要な部分はあまり出題されません。

もっと単純に「文章を素直に式(方程式や関数)にする力」や、「自分で立てた文字式を操作(連立したり、変形したり)する力」などが求められます。

もちろん、入試問題や発展問題ともなれば高度な文章力や数学的な概念が分かっていないと解けないような問題も出ますが、普段のテストや公立入試程度ならそんなに問題ありません。

 

そのため、小学校のときは全く文章題ができなかったけど、中学になってから普通にできるようになったという生徒はたくさん出ます

もちろん指導する側に力が必要ですが、私が指導する場合では、方程式や関数の文章題はむしろ生徒の得点源になります。

 

文章問題は「コツをつかむ」ことが大切で、そのコツをつかむためにステップを刻んで指導してもらうのが良いです。

問題集でたくさん解けばできるようになるというものでもないですし、全ての問題をパターン化して1つ1つやり方を覚えていくのは効率が悪すぎます。

何より、過度のパターン化は思考力を低下させる上に、マニュアル人間しか育てませんしね。

 

ただ、残念ながら市販の教材(塾用も含めて)で、このステップに沿って書かれたものを見たことがありません。

現状では、力のある教師がオリジナルで作ったプリントや、授業内で黒板を使って指導するしかないでしょう。

ただ、それで終わってしまうと寂しいですから、「数学の文章題を解く力をつけるための5つのポイント」として、もう少しだけ踏み込んで書いてみます。

 

参考:計算力のアップを目指すならこちらも

中学の数学で計算力アップのために必要なこと

 

文章問題の攻略に必要な力をつける5つのポイント

文章問題攻略のポイント(1)文章の意味を正確に読み取る力

これはいわゆる「国語力」ですね。

ただし、所詮は数学の問題ですから、巷で言うほど大層な「国語力」は必要ありません。

(そもそも国語力などという力があるのか、という疑問は横に置いておきます)

 

数学の文章題で必要なのは、簡単な文章の意味が分かる程度の読解力ですね。

「太郎くんが学校に出発し、途中の公園で10分休んで、そこから走って学校についたとき、家を出てから30分たっていた」という文章を読んで、何が起こっているのかきちんと分かれば合格です。

正直な話、これだけなら小学校低学年でもちゃんと読み取れるのですが・・・なぜか文章題になると、こんな簡単な文章でも意外と読み違える生徒が多いのが現実です。

(それもひとえに「文章問題は嫌いだ!」という思いこみのせいであることも多いですから、そういうふうに思い込ませてしまった我々教師の側の責任は否定できません)

 

そこで、多くの先生たちは、生徒の読み間違えを減らすために「線を引く」「何度も音読する」「図にする」「表にまとめる」などの工夫をさせますよね。

その際に、生徒に合わないやり方を強制するせいで、余計にできなくなってしまうという現実もあるため、学ぶ側も教える側も注意が必要ですが・・・いずれにしても、ここでは文章の意味が分かりさえすればそれで良いです。

日本語がやたらと長くて複雑な問題の場合は無理ですが、基本的な問題であれば、日本人である以上は(国語としては)絶対に理解できます。

 

参考:念のため、国語の読解力を高める勉強法はこちら

国語 読解問題の勉強法

 

文章問題攻略のポイント(2)読み取った文章を文字や数にして表す力

文章問題攻略のポイント(3)聞かれたことを答えられるように式を立てる力

まとめて2ついっぺんに書きましたが、もちろんこれらは別の力です。

しかし、「文章を読み取ること」「読み取った文章を文字や数に表すこと」「文章にそって式を立てること」の3つのステップを、ごちゃまぜに教えてしまう先生がとても多く、そのせいで生徒たちは余計に混乱させられているのが実際のところです。

ごちゃまぜに教えている間は、「センスの良い生徒」しかできるようになりませんから、苦手な生徒にはちゃんと分けて力をつけてあげる必要があります。

 

なお、簡単な問題の場合は、ここまでで良いですが、難しい問題の場合は「立てた式が文章に合っているかを確認する力」が必要になります。

これはもはや生徒のセンスに任せっきりになっているのが現状ですが、もちろんここも指導すべき事項となります。

 

文章問題攻略のポイント(4)聞かれたことにきちんと答えられる力

これは1つ目の読み取る力と関係してきます。

自然とできてしまう生徒は1つにまとめてしまっても構いませんが、そうでない生徒は、別の力として身につける必要があります。

 

文章問題攻略のポイント(5)立てた式を解くための計算力が必要

文章問題を解く力がある生徒でも、計算力が無いと正解できません。

式は立つのに計算ができないせいで不正解になってしまい、「せっかく分かっているのに嫌いになってしまう」ような不幸なケースもあります。

そういう場合は、ちゃんと計算力をつけるところに戻ってあげることが大切です。

 

 

これら5つの力を、段階を追って学んでいけば、大抵の生徒はできるようになります。

ただ、ここで厄介なのが、文章問題を解く力をつける勉強法(指導法)には2つの方法があることです。

 

参考:計算を間違えないための途中式についてはこちら

途中式は書かないと駄目?

 

文章問題を解く力をつける、2つの異なる勉強法

  • A:問題パターン別に解けるようになる勉強法(指導法)
  • B:問題パターンに関わらず解けるようになる勉強法(指導法)

 

つまり、問題をパターン別に分けて解くやり方と、そうで無いやり方ですね。

具体的には、上の(1)から(3)の力を「問題パターンごとにやっていくか」「多くの問題で通用するような広い指導でやっていくか」によって身につく力が違ってきます。

 

Aの指導は、パターンに当てはめて問題を解く、いわゆる「マニュアル」的なやり方のため、知っているパターンに当てはまれば簡単に解けるようになります。

その代わりに、知らないパターンやひねったパターンが出ると、すぐに解けなくなってしまいます。

こう言うと、「Bのほうが良いに決まってるじゃないか」と思うでしょうが、当然Bのほうがマスターするのは大変ですし、指導する側にも指導力が要求されます。

実際に「パターン別でない、多くの問題で通用するような広い指導」と言われて多くの先生が思い浮かぶのは、「最初から複数のパターンの問題を混ぜて解かせるだけ」という、もともとできる生徒にしか通用せず、普通の生徒だと逆に学習効果が低下するような、全く別物のまずい指導です(笑)

 

そういった背景もあって、現状は学校だけでなくほとんどの塾でもAのパターン別指導法をとっています。

そのため、「速さの問題は解けるが、割合の問題は解けない」「方程式の速さの問題で、時間に関する問題は解けるが、距離に関する問題は解けない」などの状態が生まれがちです。

また、パターンを細かく教えるほど、短期的なつまずきは少なくなりますが、今度は覚えるパターンが増えて「パターンが覚えきれない」「パターンを当てはめ間違える」生徒が出てきます。

定期テストの前に必死で覚えても、時間が経つとパターンを忘れてしまって、入試や実力テストでは結局できない・・・ということが起こりやすいのも、これのせいですね。

 

また、パターン別の指導は根本的な数学力をアップさせていない対症療法のようなものです。

実際に、パターン別に頼りすぎると応用力や思考力は低下しますから、「少しパターンが変わると間違える」「応用問題になると手も足も出ない」生徒も出やすくなってきます。

基本的な問題を解けるようにするために、パターン別指導に力を入れることで、その先の問題を解けなくしてしまうという側面があることに、指導力の低い先生ほど気づいていないわけですね。

 

ただし、生徒からしてみれば、問題が1つも解けないよりは、1つでもできたほうが良いですし、できない生徒を放置して、何も処置してくれない先生のほうがもっとまずいです。

それに、パターン別の指導が常に不正解というわけではありません。

どちらを選択すべきかは、与えられた時間と、生徒の現時点での能力、やる気が関係してきます。

患者の体力と経済力、病気の進行度によって治療法が変わるのと似ていますね。

そのため、塾や先生に任せる場合は、パターン別とそうでない指導の両方を上手にできる先生で、生徒の成長段階に合わせて使い分けてくれるところだと理想的です。

また、親御さんが教える際は、さすがにパターン別で無い指導を実践するのは無理だと思いますが、少なくとも「パターン別にこだわりすぎる」ことはしないようにしたいですね。

 

そして、身近に良い先生がいない場合は、次善の策として、パターン別で(1)から(3)のステップをしっかりと刻んで教えてくれているような塾や教材を選ぶと良いでしょう。

後々の副作用の心配はありますが、とりあえず「文章題が全く解けない」ということはなくなります。

 

参考:文章題以外でも数学が苦手な生徒はこちらも。

数学が苦手な中学生の勉強法

参考:数学につきもののケアレスミス対策はこちらも。

ケアレスミス対策(減らし方、なくし方)

 

文章問題の苦手を克服するために、使ってはいけない問題集

文章問題を克服しようと思って、問題集を購入する人も多いと思います。

もちろん、問題集が無くてもやりようはあるわけですが、「学校(塾)が頼りない」など、家庭でやらざるを得ない場合には、問題集が強い味方になります。

ただ、「使ってはいけない問題集」「選んではいけない教材」といったものもあるために注意が必要です。

 

数学の苦手克服を語らせると、大抵の教師が言うのが「とにかく問題数をこなしなさい」です。

もちろん、問題をたくさん解くことは大切ですが、それはあくまでも「生徒のレベルに合った問題」や「良質な問題」であることが必須条件です。

(さらに、上で見てきた、土台となる要素を事前に(または並行して)満たしていくことが大切です)

 

特に、数学が不得意な生徒や、文章題に苦手意識の強い生徒ほど、「合わない教材に当たる可能性」が高くなります。

苦手な生徒ほど、使える問題集のゾーンが狭くなるのは親御さんでもイメージできると思いますし、少なくとも実際に指導に当たっている人間であれば痛いほど分かるはずのことです。

そんな現実を無視して、いい加減な教材や問題集を奨めてくる偽物のプロや自称専門家も多いですから、くれぐれも注意してください。

(アドバイスを聞く側の生徒や保護者の方にも「聞く耳」「選ぶ目」が問われるところですね)

 

最適な教材選びという点で言うと、「生徒に合ったものを選ぶ」のが大原則であり、全ての生徒にぴったりくるような共通の教材はどこにも存在しません。

ただ、とりあえずの大雑把な目安で言えば、「中学3年間の総復習」「中1・中2の総復習」「夏休みの~」「冬休みの~」と名付けられているようなタイプの総復習系教材は、基本的に苦手克服には向かないです。

もちろん、こういった総復習系の教材を「複数」手に入れて、良い問題を選び抜きながら使うという使い方なら有効ですが、少なくとも「苦手克服のために、どれか1冊だけを奨める」時には、(少なくともプロであれば)こういった教材は絶対に選択肢に入れません。

 

ところが、苦手対策として、こういった種類の教材を平然と推薦しているサイトやメールマガジンをあちこちで見かけるのは、何とも切ないところです。(しかも、そういうものに限って、宣伝上手で読者や利用者も多いのは、輪をかけて切ないところです)

特定の教材を奨めることで、紹介料のようなものを得ているのかもしれませんし、他人の受け売りで中身も見ずに奨めているのかもしれませんし、単純に教材を見る目が無いだけかもしれません。

いずれにしても、我々の目から見ると、指導力の点で大いに疑問符がつくような情報発信者(自称専門家)はかなり多いですから、これをお読みの皆様はくれぐれもお気をつけくださいませ。

(なぜか検索サイトで上位表示されているところほど、指導力に欠けるところが多いのは不思議です)

 

なお、ここでは総復習系の教材自体を否定しているわけではなく、あくまでも「今回の使い方には適さない」という意味ですから、誤解しないでくださいね。

教材は、目的や状況に合わせた使い方をしてこそ真の効果を発揮するわけで、ここで問題なのは教材そのものではなく、そういったことを無視して安易に教材を奨めてくる指導力不足の先生のほうです。

合わない教材を与えておいて、「これを何度もしっかりとやりましょう」などと言えば、生徒が努力しても報われないのは目に見えているわけで、その言葉はもはや罪ですよね。

そういう先生や専門家の被害に遭う、生徒・保護者が少しでも減ることを心から願っています。

 

参考:定期テスト対策を意識しているならこちらも

中学数学の勉強法 定期テスト対策の正しいやり方

 

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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