• 「中学生になったけど、どうやって勉強して良いか分からない」
  • 「小学生の時と違って定期テストもあるため、勉強法について悩んでいる」
  • 「小学生までは成績が良かったが、中学生になってから成績が下がった」
  • 「塾に通わせてはいるが、思うようにテストの点数が上がらない」
  • 「中学校に入ってから、授業についていけなくなった」
  • 「自分で勉強しようと思っても、何から勉強すれば良いか分からない」

中学生になると、こういった勉強の悩みを持つ子供も多くなります。

もちろん、それを間近で見ている保護者の皆様も、同じように悩ましい思いでしょう。

 

・・・といった調子で、困っている子供や親を対象に、いろいろなアドバイスをした記事が溢れかえっています。

それらの中には、とても有意義なものもあるわけですが、中には役に立たない内容や、ただの自塾やサービスの宣伝にしかなっていない内容もたくさんあります。

そこで、この記事では、世間で言われている「中学生の勉強法」についての真偽と、正しい知識やコツについて触れていきましょう。

 

中学生の勉強法のポイント

「中学生になったら、こういう勉強のしかたをしましょう」と、よく挙げられるものは決まっています。

ここでは皆様が目にする可能性が高いであろう、検索すると上位に表示される5つくらいのサイトを踏まえていきましょう。

 

教科書をしっかりと復習する

教科書を中心に勉強するというのは、かなりあちこちで言われている、いわば常識と言っても良い勉強法でしょう。

何しろ、中学校の授業そのものが教科書を基準に進められるわけで、当然テストも教科書を元に作られています。

そのため、教科書が一番!・・・とは言わないまでも、とても大切なものだということは、さすがに否定しようもありません。

 

ただ、これを聞いていつも思うのが、「勉強の苦手な子供が、教科書を目の前にして、いきなり効果的に勉強できるのか?」です。

そもそも、教科書がそんなに優れた教材なら、学校はそれを中心に使って授業しているのですから、それなりに指導効果も上がるはずですよね。

しかし実際には、教科書に沿った内容を、授業で時間をかけて先生が教えてくれたはずなのに、それでも理解できない子供が毎年たくさん出るのが現実です。

たっぷり時間を使って、しかもプロ(?)のはずの先生が教えても、うまく理解できない子供が大量にいる・・・そんな教材で学ぶのが、果たして「効率的」なのでしょうか?

 

それに、想像してみて欲しいのが、「教科書をちゃんとやりなさい」と言われた時の子供の気持ちです。

すでに学校の授業だけで理解ができている子供であれば、そう言われても問題ないでしょう。

しかし、授業が分からない子供にしてみれば、「先生に説明されても無理だったものを、自力で理解しなさい」と言われているのと同じです。

 

その状態で、「教科書を使って勉強しなさい」と言われて、一体どうやって使ったら良いのかを思いつけるでしょうか。

学校で使ったのと同じ使い方・・・では、それで理解できた子供には良くても、理解できなかった子供には無理ですよね。

そうなると、学校とは違う使い方となるわけですが、中学生になったばかりの子供が、自力でそれを思いつけるかは怪しいです。

むしろ、その力がある子供は、放っておいても自分なりにできてしまうわけで、こうやって「中学生の勉強法ってどうするの?」と悩んでいる子供には荷が重いでしょう。

 

つまるところ、「教科書をしっかりと復習する」という勉強法は、「授業だけで教科書をある程度まで理解できる」レベルの子供にしか通用しづらいものなのですね。

そして、そういう一定以上に優秀な生徒は、教科書を見直すのも確かに有効ですが、教科書を見直すよりもっと有効な方法が他にある場合も多く、必ずしも万人に最適と言えるような勉強法ではありません。

結局、「言っていることは至極もっともで正論だけど、ぴったり当てはまる人は非常に少ない」「教科書の丸暗記が点数につながる教科の定期テスト対策には良いが、それ以外の教科や別方式のテストには通用しない」という、質の低いアドバイスになっていると言えるでしょう。

 

大前提として、教科書「だけ」で勉強するのは、意外とハードルが高いこと。

教科書が理解できていない子供は、そもそも学校や塾で先生が教えても理解できていないという前提があること。

そして、「教科書を使って勉強しなさい」という先生の多くが、実は「教科書を覚えなさい」とほぼイコールのことを言っていること。

 

最低でもこの3つは踏まえた上で、「教科書をしっかり復習しよう。ただし、あなたの場合は、こういうふうにやりましょうね」と付け加えるくらいのことは、してあげたいものですね。

そうでないと、教科書を覚えるだけの頭を使わない勉強しかできず、定期テストくらいは何とかなっても、その先のところで苦労することになってしまいますから。

 

参考:教科書を使った勉強法はこちらも

教科書を丸暗記する勉強法

 

毎日の勉強を習慣化する

これも指摘されることの多いものですね。

勉強法と言うより、学習習慣の話になってきますが、勉強が習慣化するに越したことはないですから、否定する余地はないでしょう。

 

ただ、「中学生になったら1日1時間は勉強しよう」「学年プラス1時間は勉強しよう」などと、数字を指定して勉強するのはやや難ありです。

学習習慣の全く無い子供を相手に、最初の段階で分かりやすくスタートさせようと思ったら、分かりやすい時間を提示するのは確かにありです。

 

しかし、もともと勉強とは「時間数」ですべきものではなく、「中身」ですべきものですよね。

時間数にばかり注目すると、中身のない勉強をだらだらしたり、頭を使わず作業的なことばかりしたり、効率を考えなくなったり・・・といった弊害が大きくなります。

だからと言って、時間数で指定してはいけないとは言いませんが、せめてやるべき内容や中身から逆算した「これくらいは必要だ」というのを踏まえた時間数を設定したいものですね。

 

分からないところに戻ってやる vs 今の内容をやる

これは非常に重要なテーマですよね。

 

前の基本的な内容が理解できていないと、先の内容や応用問題はできるはずもありません。

しかし、前の内容をいくら頑張っても、すぐ目の前の定期テストの対策にはなりません。

果たして、どちらを優先すれば良いのか?!

 

答えはもちろん、教科や単元、それに個々の生徒の学力状況によっても変わります。

  • まずは今習っている内容を優先すべき場合
  • 今習っている内容よりも、前に戻るほうを優先すべき場合
  • どちらかに決めつけず、どちらもバランス良く進めるべき場合

また、世間で言われていること(=多くの先生たちが口にすること)が、実はずれているケースも結構あります。

  • 前の内容が密接に関連しているが、実は前に戻らなくても、今の内容だけで十分に理解可能な場合
  • 「戻るべき」と言われがちだが、実は前に戻ったほうが逆に紛れてしまいやすい場合
  • 理想的には戻ったほうが良いが、状況を考えると、戻るべきでない場合
  • 戻らないことが多いが、実は絶対に前の内容に戻っておいたほうが良い場合

このように、世間一般で言われていることが、実は正反対ということも意外と多いです。

 

そしてもっと言うと、「どれだけ戻るか」にも、ウソや誤解がたくさんあります。

  • つまずいたところの1つ前の単元に戻る
  • 大元をたどって、小学校の算数まで戻る
  • 前の単元に戻ると言っても、ポイントだけかいつまんで戻る
  • 単元ではなく、内容や要素に注目して戻る

こちらの記事(中学数学の苦手を克服するための、算数の復習のコツ)でも、よくある「算数に戻ったほうが良い」の嘘を説明していますが、こういったものが他の教科や単元でも結構あります。

そのため、「戻るべき時は戻り、戻る必要がない時は戻らない」が正解となり、同時に、「戻るべきかどうか、どれくらい戻るべきかの判断は、目の前の子供に合わせて判断すべき(それが難しいなら、信頼できるプロに聞くべき)」となりますね。

これについては、ネット上の情報はウソが多い・・・どころか、プロのはずの先生たちの言う情報もウソが多いですから、指導力の高い人の意見を参考にするか、それが難しければ、複数の意見を聞いてから選び取るようにしたほうが良いでしょう。

 

教科書準拠問題集を使う

これもかなり多い意見ですね。

特に英語だと、教科書ガイドの利用を勧めるケースも多いです。

 

これについては「お好みでどうぞ」となります。

強く推奨するほどではないですが、あえて否定するほどでもないです。

合う子供には合いますし、合わない子供には合わないため、「合う子供にはどうぞ」と言うべきでしょうか。

 

上でも触れた「教科書をちゃんと復習する」についても、教科書単独では厳しい場合でも、教科書ガイドや準拠問題集を使うことで、カバーできる場合があります。

ただ、どれか1つで完結するケースは少ないこと、教科書ガイドがあっても厳しい生徒はやはり厳しいこと、準拠問題集は学校のワークと内容や負荷の面で重複しやすいこと・・・のあたりは頭に入れておきたいですね。

 

書いたり、読み上げたりして覚える

なぜかどこも口を揃えて「手を動かす、言葉に出す」ことを推奨していますが、何かテンプレートでもあるのでしょうか?(笑)

これについては、確かに多くの生徒で効果が出やすい勉強法であり、ある意味で「無難」ですから、こうやってどこでも書かれるのでしょうね。

もちろん、間違っているということはさすがに無いですから、あえて否定はしません。

 

ただし、「書きながらのほうが絶対に覚えられる」ということはなく、書きながらのほうが覚えにくい子供というのも実際にはいます。

同様に、一般的には声に出したほうが覚えやすいわけですが、声に出したほうが覚えにくくなる子供もいます。

どうやって覚えると覚えやすいかは、個々の子供によってかなり大きく異なるものですから、あくまでも「可能性の1つ」として聞くようにしてくださいね。

 

各教科の効果的な勉強法

なぜか(と言っても、検索エンジン対策でしょうが)、5教科の勉強法まで触れているところが多かったため、これも触れておきます。

 

英語

  • 教科書に出てくる単語と文法を全て覚えましょう。
  • 例文も覚えましょう。
  • 長文は音読しましょう。
  • 単語と文法を覚えれば読解力もついてくる

要約すると「とにかく、単語と文法を覚えましょう」と言っているところばかりですね。

覚えましょうと言われて、すぐにできれば苦労しないわけですが・・・覚えたほうが点数につながるのは一応正しいです。

ただ、「全て」というのはさすがに強引で、一部の優秀な生徒ならともかく、一般的な生徒にまでそれを求めるのは厳しいのが現実です。

「どうやって覚えると覚えやすいか」の話はもちろんのこと、「どれを優先的に覚える必要があって、どれは覚えなくて良いか」といったことも含めて考えるようにしたいですね。

 

なお、単語と文法を覚えれば「長文が読みやすくなる」のは正しいですが、それは決して「イコール読解力がつく」ではありません。

国語の文章でも、たとえ文章の意味が全て分かっていようと、読解問題はできるできないが分かれるわけで、こういった初歩的なところを一緒にしているようだと、さすがに厳しいです。

一見するとそれらしいけど実はウソ・・・というような情報を、教育関係者は普通に口にするものですから、新しいサイトは注意深く読むようにするか、信頼できるサイトだけから情報を得るようにしてくださいね。

 

数学

  • 公式を覚えましょう。
  • 分からない問題が出てきたら、前の単元に戻りましょう。
  • 小学校の算数まで戻りましょう。
  • 間違えた問題は、何度も解き直しましょう。

高校に進むと、公式を覚えること自体がナンセンスになってくる場合もあるわけですが、中学校だとそれが絶対の方法として挙げられるのは不思議なところです。

また、前の単元(または算数)に戻るかどうかについては、すでに上のほうで述べましたから、そちらを参照してください。

 

なお、「間違えた問題は、何度も解き直しましょう」はよく言われるのですが、これも生徒の立場になると、少なくとも私は憂鬱になります。

数学が得意で、間違える問題がほんのわずかという子供であれば、解き直す労力も少ないですし、解き直すだけでも自力で理解できるでしょう。

しかし、数学が苦手な生徒になればなるほど、手元には間違えた問題だらけですし、しかも1回解いたくらいでは正解もできず・・・と、一体どれだけ解き直せば良いのでしょうか。

 

実のところ、上の「何度も解き直しましょう」は、多くの場合「正解できる状態になってから、さらに何度も解き直すことで、解法を覚えこんでしまいましょう」という意味で言われていることが多いです。

しかし、世の中には「1度目の正解にたどり着く」だけでも、何度も解き直しが必要な生徒のほうが多いわけで、そこからさらに解き直しが必要であることが、これでは全く伝わりません。

仮にそれが伝わっても、解けるようになるまで何度も解き、解けるようになってからまた何度も解き・・・というのを、宿題で出される大量の問題全てに当てはめていたら、一体どれだけ時間があれば足りるのでしょうか。

 

これは決して「一部の特に苦手な子供」に当てはまる話ではなく、むしろ「一部の特にできる子供以外の、かなり多くの子供」に当てはまる話です。

勉強法をアドバイスするなら、そういった現実と背景と、そして言われる子供たちの心情も踏まえて、適切な内容でするようにしたいですね。

 

国語

  • 漢字や文法は覚えましょう。
  • 読解力を高めましょう。
  • 読書しましょう。

「読書しましょう」がとにかく大人気ですね(苦笑)

 

読書の有意義さは否定しませんし、これから中学生になる子供に「読書は大切だよ」と語りかけることも大切ですが、これを「勉強法」と呼べるかはかなり微妙でしょう。

他の効果的な勉強法もアドバイスした上で、「長期的には読書もしておきたいですね」とやるなら良いのですが、いきなり「読解力を高めるためには、普段からたくさん本を読みましょう」とだけ言うような無策なところは、さすがに辞めておいたほうが良いです。

こういった遠回りのやり方を「最優先」として挙げてくるところは、他のところでも非効率的な力技の勉強法を推奨してきて、子供を無駄に疲弊・摩耗させがちですから、注意したいですね。

 

理科

  • とにかく暗記しましょう。
  • 図やイラストと一緒に覚えましょう。
  • 問題集を使って、繰り返し問題を解きましょう。

なぜか、理科と国語を「暗記科目」、英語を「非暗記科目」にするところがちらほらありますが、これも何かテンプレートがあるのでしょうか?

どう考えても、国語は暗記科目ではないですし、英語は暗記科目そのものなのですが・・・実際に教えたことがないのでしょうかね。

なお、理科は「暗記科目」と「非暗記科目」とが半々くらいですから、問題集を使って問題を解くべきという指摘は当たっています。

ただ、数学以上に「解いても分からない、できない」となりやすいため、アドバイスするなら、そこまで含めてにしたいですね。

 

社会

  • とにかく暗記しましょう。
  • 教科書を読んでおきましょう。

社会が暗記科目であることは、どこも一致するようですね。

実際には、社会にも暗記では対応できない部分があるわけですが、大部分は「覚えていれば解ける」のは、その通りです。

ただ、それを「暗記しましょう」と言われて覚えられれば苦労しないものですから、やはり覚えられない子供の気持ちを想像してから、アドバイスするようにしたいですね。

 

ここまで見てくると、とにかく「暗記しましょう」ばかりですよね(苦笑)

結局のところ、受験は覚えることばかりなのは否定しませんが、こうも「覚えろ」「覚えない」「覚えましょう」とばかり言われたら、子供は嫌になってしまわないでしょうか。

少なくとも、私だったらとてもやる気にはなれないですし、「そんな勉強、やる意味あるの?」と言い返したくなります(苦笑)

 

なお、とても大事な視点ですが、勉強の苦手な子供が相手の時ほど、いきなり「暗記しましょう」と言っても、うまくはいきません。

これは、「そんな言い方ではやる気にさせられない」という意味もありますが、それだけではなくて、仮にやる気満々で暗記をスタートさせられたとしてもですね。

いきなり「暗記」から入る勉強は、意外と効率が悪いケースも多いものですから、暗記ばかり言ってくるような人の書いてあることは、注意して読むようにしましょう。

(ただし、「暗記は不要だ」と言うのも極端です。ここで求められるのも要はバランスですね)

 

中学生になって、勉強がうまくいかない場合

うまくいかない場合の方法は「塾に通う」ことです。

 

・・・と、大抵のサイトでは続いていきます(笑)

または「個別指導を・・・」「家庭教師を・・・」「コーチングを・・・」などもあります。

要は宣伝目的ですね。

 

なかなか上手なやり方だと思いますが、この手のサイトばかりが上位に来るあたり、検索エンジンが劣化していると言わざるを得ません。

有料広告ばかりで中身の無いサイトが上位に来るよりはよほど良いですが、記事の内容と構成が似たりよったりというのは、何とも切ないです。

そこは割り引いて読むようにしておきたいですね。

 

なお、個人的にはわけの分からない外部広告をいくつも表示しているようなサイトは、自動的に検索から排除してもらいたいです。

紹介料目的の薄い情報サイトが増えるのは本当に迷惑なのですが・・・その広告機能を提供しているのが検索エンジンですから、無理ですよね。

とりあえず、このサイトでは外部広告を一切表示していませんから、せめてこの中だけでも快適にお読みくださいませ。

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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