ブログのほうに設置してあるアンケート「勉強の一番の悩みは?」に寄せられた、訪問者の方々のコメントにお答えしていったものです。
部活と勉強を両立するには?
「部活の頑張りを応援してあげたいのですが勉強は苦手です。部活と両立できるような少ない時間で効率よく勉強でき、授業についていける方法を教えて下さい。」
「応援してあげたい」とありますから、親御さんが書かれているのだと思います。
生徒が面と向かって聞いてきたら、詳しい今の状況を聞き出しながら、いろいろと具体的な方法を一緒に考えてあげたいところですね。
ですから、親御さんの場合は、そこの役割を果たしてあげることです。
まず絶対に押さえるべきは、時間の使い方を教えてあげることです。
もちろん、より良い時間の使い方を教えるには、今のスケジュールややるべきことなどが前提としてあった上で、それをどう変えていくかといった話が必要になります。
今ここで具体的な話まではできませんが、お子さんには必ず具体的な話をしてあげてください。
(現時点で時間の使い方が未熟な生徒に抽象的な話をしても、理解も実践もできません)
時間の使い方は、すぐには身につきませんから、一定の期間に渡って変化させていくことが必要です。
そのため、そこの関わりをしながら、同時並行的に、具体的な勉強法についてもアドバイスしていってあげましょう。
もちろん、ここについても、今の勉強のやり方がどうで、そこから効率を上げるにはどうするかといった話が必要になってきますから、今ここで具体的な話はしようがありません。
例えば、文中に「授業についていける方法」とあることから、現在はあまりついていけていないと推測できるため、授業についていけている子向けに、それをしっかりと定着させるような勉強法では意味が無いことは分かります。
しかし、効率を求めるならば、できるだけその子に合うようにカスタマイズさせたやり方を追求する必要が出てきますよね。
そして、たったこれだけでは、お子さんに合わせたカスタマイズなどできるはずがありません。
ですから、そこの部分を親御さんがちゃんと把握し、分析して、アドバイスしてあげることです。
こういう場合、「カードを使って覚えましょう」「問題集を、こういう使い方でやりましょう」というアドバイスを期待される方が多いのですが、そういった「決めつけ」のアドバイスは、むしろ時間的に余裕のある生徒で無いと厳しいです。
時間や心に余裕が無ければ、合わない部分を生徒が自分で工夫したり、効率が上がらない部分を時間で補ったりすることはできないですよね。
効率の良さを求めるのであれば、生徒に合わせた細かい調整の部分をしてあげないと、逆に余計な負荷を増やしてしまう結果になりやすいことは忘れないでください。
親に成績を上げろと言われた
「親から成績を上げろと言われているが、何をどうやればいいか分からない。」
どうすれば成績が上がるのかが分っていれば、最初からやっているという話ですよね(笑)
ですから、さすがにこれは親御さんのほうが無理なことを言っていると思います。
ただ、親御さんのほうも、何をどうやれば良いか分かっていない可能性が高いです。
何しろ、プロのはずの先生の中にも、そこを明確に答えられない人が大勢いるのが現実です。
下手な先生よりも、はるかに教え上手な親御さんも中にはおられますが、親は勉強を教えるのが本業ではないのですから、そこまで期待するのは難しい場合も多いものです。
学力も性格も家庭環境も、1人1人の生徒で全く異なるように、今の成績を上げるために何をどうすれば良いかも、1人1人で全く異なります。
そして、その手のノウハウ系のサイトや本を見れば、それらしいことはいくらでも書いてありますが、本当に自分に合うものが見つかるかはまた別の問題です。
大変なのは、情報を見つけることではなく、見つけた情報を正しく選別して、自分に適用させることなのですが・・・いきなりそれができれば苦労はしませんよね(笑)
ですから、まずは身近の信頼できる先生か、それが見つからなければ、親御さんに対して「何をどうやればいいのか」を問いかけてみてください。
反対に、親御さんは親御さんで、きちんと調べたり学んだりした上でアドバイスするか、余計な口出しはしないで塾や先生に任せるかを、ご家庭なりの判断で決めてからするほうが良いです。
少なくとも、今の成績が良くない生徒であればあるほど、「自分で考えなさい」は無理筋となってきますから、そこのサポートは抜かさないようにしてあげてくださいね。
計算力が上がる計算問題とは?
「計算力が上がる計算問題」
これは単純そうですが、実は良いところをついたコメントですね。
とにかく計算練習をこなせば、計算力が上がるようなイメージがありますし、たくさんの計算問題やドリルを課す学校や塾が、日本中にたくさんあります。
しかし、それで計算力が上がっていない子供がたくさんいる現実を見れば、いかに見当違いなのかも分かると思います(笑)
「計算問題を解けば、計算力が上がる」は間違いで、「適切な計算問題を、適切なやり方で解けば、計算力が上がる」が正しいです。
大事なのは、適切な計算問題を用意することと、適切なやり方で取り組むことの2つで、そこを抜きにいくら数をこなしたところで、それは単なる「作業」と同じです。
毎日、何千歩と歩いていても、ウォーキングのプロになれるわけではないように、ただ数をこなせば良いというものではないわけですね。
そういう意味で、単なる計算問題ではなく、「計算力が上がる計算問題」を求める視点はとても素晴らしいです。
ただ、そういった計算問題を見かけることはなかなか無いのが実際のところで、一般的な問題集やドリルのほとんどは条件を満たしていません。
計算力を高めたければ、ざっくりと「とにかく計算力を高めたい」と思っていては駄目で、「今つけたい計算力が何か」を意識して作られた教材なりドリルなりを使うことが大切です。
それこそ、有名な公文式のように、速度重視で機械的な操作としての計算力を高めることを目的とするのも1つの方法ですし、逆に工夫しながら効率よく最短で答えにたどり着くことを目的とするのも1つの方法です。
個人的には「高校受験で求められる力」と「高校進学後にも通用する力」の2つを満たすことが、少なくとも中学生にとっては重要だと考えており、そのための計算プリントは専用ページ内にアップしてあります。
もちろん、指導や添削なしの完全に独力でするのは厳しいですから、親御さんの力を借りるなどして、うまく活用してくださいね。
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楠木塾長
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