• 「どうしても勉強やる気が出ない・・・」
  • 「うちの子はようやってもやる気を出さないのです!」
  • 「授業で生徒がやる気の出る話、具体的に教えてくれませんか?」

勉強、指導において一番よくあるテーマが「やる気」ではないでしょうか。

本当にあちこちで見かけますよね。

 

実際、これは生徒に限らず社会人でも問題になる重要なテーマです。

それだけ「簡単には解決しない」問題だと言えるでしょう。

 

成績アップに最も効果的なもの

ところで、私は絶対に生徒の成績を上げる自信がある(というか上げてきた)わけですが、その一番のポイントは何だと思いますか?

  • 授業が楽しくて分かりやすい
  • 1体1の教え方(質問対応)が良くて力がつく
  • 他の先生とは違った、独自の指導法をしている
  • 市販や塾のものとは違う、独自の教材を作っている
  • 生徒にとって効果的で最適な勉強法を提示できる

どれもそこそこ自信はありますが、正直、誰にも負けないというほどではありません。

世の中、勉強法や指導法は山ほどありますし、独自の指導法や教材と言っても、きっとどこかの誰かが似たようなことをやっていることでしょう。

そもそも授業にいたっては、今では「授業という形をとるほうが効率が悪いことが多い」という個人的見解に至っています(笑)

 

また、個々の生徒にとって効果的な勉強法を提示できるのはかなりの強みで、他の先生はあまり意識していないところだと思います。

しかし、これについても勉強法を実践する気のある生徒でないと全く意味がありません。

できるだけやりやすいようにカスタマイズはしますが、それでも最後は生徒のやる気次第ですからね。

 

それでは、何が一番のポイントか?

それは「生徒をやる気にさせる」ことです。

はっきり言って、どんな良い授業や良い指導法を研究するよりも、生徒がやる気になるのが一番効果的です。

 

いくら優れたやり方でも、やる気がなければ全く耳を貸しません。

一方で、やる気になればある程度悪い方法でもそれなりに成果が出てしまいます。

ましてや、良いやり方を知ればスポンジが水を吸うように吸収してくれます。

 

教え方や勉強法をどうこうする前に、まずはやる気を何とかしたほうが手っ取り早いものです。

そのほうが生徒に無理な負担もかからないですし、嫌々やらないため、生徒vs教師、生徒vs親の関係もまずくならなくて済むわけです。

 

勉強を「やらせる」と言っている時点で駄目ですよね。

大事なのは、いかに「自発的にやる」ように持っていくかですから。

 

実際、私もこの効果を実感するまでは、「教え方」や「やらせ方」を熱心に研究していました。

授業の進行や説明方法を改良したり、

課題の出し方や量を変えたり、

テストや追試の方法を工夫したり、

とにかく楽しい授業をしてみたり、

反対にひたすら厳しい授業をしてみたり・・・

今思えばどれもある意味で力技のアプローチだったと思います。

(そうした試行錯誤は誰しも必要な過程なのですけれども)

 

しかし、ある日びっしり詰め込んでいた授業時間を大幅に削り、生徒がやる気になってくれそうな話をしてみたのですね。

成績に関する話や進路に関する話、そして自分の体験談などを織り交ぜながら、自分なりに楽しくそして真剣に話したわけです。

当時の自分としては授業中に全く別の話を長時間するのは勇気のいることでした。

「余計な話はいいから授業をしてくれ」と保護者からのクレームも入りかねませんしね(笑)

 

実はそのクラスは授業態度が悪くて有名で、とにかく「やる気が無い」と先輩の先生たちも手を焼いていたのですが、思いの外ちゃんと話を聞いてくれて、その日の授業は終わりました。

すると数日後、他の先生たちから「あそこのクラスで、授業中に何か話をしたの?」と聞かれたのです。

数日前のことだったため何のことかという感じでしたが、思い出した途端に「まずい!」と思いました。

けっこう明け透けな話をしていましたし、授業時間もかなり削ったため、「ばれたら怒られるだろうな」という意識がありましたから。

 

ところが話を聞くと、「ある生徒のお母さんが電話をしてきて『うちの娘が先生の話を聞いてやる気になって、急に家でも勉強するようになった』と喜んでいる」ということだったのです。

どうやら担当者も前々から手こずっていたらしく、「あの生徒をやる気にさせるとは、いったいどんな話をしたの!?」と興味津々で聞かれました。

しかし、話した本人は半信半疑で、「いや、そんな大した話はしていないです(隠しているわけではなく本音で)」と答えることしかできず、しばらく後で実際に生徒が勉強を頑張っている様子を見て、ようやく初めて納得する始末でした(笑)

 

それからしばらくしてお母さんと電話をする機会があり、そこでも深くお礼を言われました。

お母さんも手を焼いていたのに、その日を境に生まれ変わったように前向きにやるようになったとのことだったのです。

聞いた私も本当に嬉しかったですね。

感謝の言葉どころか、クレームを覚悟していたくらいでしたから。

 

さて、タイトルは思い切って「やる気の出る話」と書いたわけですが、当然、生徒がやる気になる話のネタはかなり持っています。

ただ、そういった話のネタをそのまま生徒にしても、残念ながら効果は薄れてしまいます。

 

これには、はっきりとした理由があります。

いくつもあるため簡単にとどめますが、中でも大きなものを書くと・・・

  • 生徒によって「やる気になるトリガー」が違う
  • 生徒によって「熱するまでの必要エネルギー」が異なる
  • もともとのやる気のレベルによって、かけられる負荷や指導すべき内容が変わる
  • とりあえずやる気にさせても、冷めてしまっては意味が無い
  • やる気を出させるノウハウと、やる気を維持するノウハウは全くの別物である

などです。

 

実際、同じ話でやる気になる生徒もいれば、全くならない生徒もいるため、単純に「こういう話をすれば大丈夫」とは絶対に言えません。

何しろ、そこそこやる気のある生徒なら、最初からこちらの話を聞いてくれますが、やる気の無い生徒はこちらの話に耳を貸そうとさえしませんから、その時点からハードルの差は大きいです。

つまり、生徒に合わせて、話の内容や話す順番、話の長さやかける時間、こちらの熱量や力を込めるポイント、話し方から口調まで、全てを柔軟に変えなければならないわけです。

 

それに、うまくやる気にさせても、すぐに冷めてしまっては意味が無いですよね。

正直な話、話を聞いたその場だけ瞬間的にやる気にさせたり、テスト前だけ短期的にやる気にさせたりするようなのは、それほど難しいことではありません。

しかし、それではお互いのエネルギーの無駄使いに終わるだけで、大した効果が期待できないですし、待っているのは悲惨で残念な未来だけです。

何もしないよりは良いと思うかもしれませんが、下手な話をして生徒がやる気になると、それを見た親や教師は「よし、これでやる気になった!次からは頑張ってくれるぞ」と淡い期待を抱き、すぐに見事に打ち砕かれる・・・というお決まりの流れをたどることになります。

これは生徒にとってもマイナスなだけでなく、親や教師にもストレスが溜まるため、その後の対応にも影響が出てしまいがちです。

結果的に、傍から見ていて「だったら最初から余計なことをしないほうが良かったのに・・・」という結果になることも少なくないのですね。

 

そのため、少なくとも私は、やる気の出る話を単発でして終わることはありません。

生徒から見たら授業中の雑談のようであっても、こちらは個々の生徒の食いつき具合を見ながら話す内容を調整するのはもちろん、話の数さえも増やしたり減らしたりします。

同じ教室で同じ話を2度するような手抜きなことはしませんし、クラスが違ってほんの数人同じ生徒が重なるというような場合でも、わざわざ全く違った話をします。

「この先生、この前の授業と同じ話してる・・・」と思われたら、その時点で効果半減ですからね。

本当に生徒をやる気にさせたければ、単発の話を覚えて話すだけでなく、もっと長い目で見た「やる気にさせる手順」の流れを理解し、その流れの中で勉強法の提示(または授業の進行)なども含めた幅広い手を打っていく必要があるのですね。

 

子供のやる気を引き出すことに対して、やる気のある方へ

ただ、「やる気のない子供」を持つ親に、「上記を踏まえて頑張りましょう!」と言うのは、さすがに無理があると思います。

プロのはずの学校や塾の先生たちができていないことを、素人のはずの親御さんがいきなり「実践してください」と言うのは、さすがに現実的ではありません。

そのため、よほどの覚悟を持って学ぶ気のある方以外は、信頼できるプロを見つけて、そちらに任せるようにしたほうが良いでしょう。

 

もちろん、生徒を全くやる気にさせられずにいる先生が圧倒的多数であるのを見て分かるとおり、プロにとっても決して簡単なことではありません。

そのため、やる気のない生徒であればあるほど、そのへんの先生に適当に期待するようなのはやめて、常に学び続ける指導力の高い先生を選ぶようにしてくださいね。

そして、そうやって任せてもらえるだけの力をつけられるように、プロの皆さんも一緒に頑張って参りましょう。

 

なお、強い覚悟を持って学ぶ気のある親御さんや、これから一人前のプロを目指す先生たちからすると、やる気にさせる技術を「いざ学ぼう!」と思っても、どうやって学べば良いのかすら分かりにくいかもしれません。

もちろん、それを単発のブログ記事だけで完璧に伝えるのは技術的に不可能で、そもそもここにさらっと書いたのを読んだだけで簡単に実現できるようなことなら、こんな多くの先生たちが困りはしていないでしょう。

ですから、「やる気を引き出すコツ」や「やる気にさせる手順」などについて、いずれは講座などの形で扱っていければと思っていますが・・・すぐには難しそうですから、メールマガジンの中で定期的に取り上げていきますね。

 

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楠木塾長

楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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