プロと呼べるレベルになるまでに、どれくらいの時間が必要なのでしょうか。

 

有名なところでは、俗に言う「1万時間の法則」があります。

あえて大雑把に言うと、1万時間頑張ればその道の天才やプロになれるという話ですね。

 

もちろん世の中そんなに甘いはずはなく、努力だけでは補えない「才能」というものがあります。

運動神経が良いとは言えない一般人が1万時間練習しても、オリンピックで金メダルをとれる可能性はゼロでしょう。

 

ただ、これは「人は天才になれない」という意味ではありません。

何に才能があるかが人によって違うだけで、人はそれぞれ何らかの才能を持っていると私は思っています。

それを、合う合わないを無視して、皆一律に「プロ野球選手になりたい」「ノーベル賞科学者になりたい」と思うから「才能が無い」と思ってしまうだけで、自分が才能を持っている分野で勝負をすれば、もう少し違った世界の見え方がしてくると思っています。

 

また、これは「天才」になれるかどうかを考えた場合の話であって、「プロフェッショナル」「スペシャリスト」と捉えれば、かなりの確率で当てはまるような気がします。

オリンピックや一流のプロは難しいとしても、世間からそれなりに評価される職業上のプロとしてであれば、到達できる可能性はかなり高いでしょう。

 

いきなりこれを生徒の勉強に当てはめるには少々時間数が多過ぎますから、我々教師に当てはめてみましょう。

例えば、これから茶道について1万時間学ぶとしましょう。1日に1時間学ぶと、1年で365時間ですから、約27.4年かかる計算になります。

もっと頑張って1日に3時間学ぶと、1年で1095時間ですから、9年とちょっとかかります。

これを約10年と見ると、毎日3時間を休むことなく続けて10年経てば・・・かなり詳しくなっていても不思議は無いですよね。

今は全くの素人でも、それこそ自宅で教室を開けるくらいにはなっていることでしょう。

 

これが1日8時間とすると、2920時間ですから、およそ3.4年となります。

週休2日制で考えると、約5年くらいでしょうか。

つまり、就職して5年間を真剣に頑張って働けば、そこそこのプロにはなれるということです。

(もちろん、実際に毎日8時間を頭も身体もフル稼働で働いている人は少ないですから、実際にはもっと年数がかかることでしょう)

 

こう見てくると、教師としてもそれなりに教えられるようになるまでは、

  • 優秀かつ休み無しか残業たっぷりで懸命に頑張る人で約3年
  • 優秀な人が真面目に頑張って約5年
  • ほどほどに手を抜きながらやる人なら2倍の10年以上
  • 怠ける人なら20年でも厳しい

といったところでしょう。

これは周りを見渡してみても、実感として納得のいく数字ではないでしょうか。

 

また、何らかの業界で起業したいと考える人も、これくらい学んだ分野で勝負するか、これくらいの勉強を自分に課せる人でないと、相手もプロとは認めてくれないという話にもなります。

しかし、これだけの修練を積んだ「先生」と、アルバイトで気軽に教える「先生」とが似たような月謝で教えていてはとても割が合いません。

ところが、実際の教育業界では、有名な大手チェーンだと言うだけでプロよりもはるかに高い月謝をとることは山ほどありますし、逆にプロの力がありながら経営的に厳しいか、良心的すぎるかして、アルバイト以下の月謝しかとらない人もいます。

本当にねじれた業界ですね(苦笑)

 

特に、テレビでCMをどんどん流しているようなところは本当に気をつけてくださいね。

ここのところいくつかのご家庭の話を伺った際にもそういう塾の名前がいくつか出てきましたが、かかる費用を聞いて私のほうが目の飛び出る思いをしたものです。

同じ金額をかけるならもっと有効な指導や選択肢がいくらでもあるわけで、無闇と高い料金を提示されて「高いから効果があるのかも・・・」などとは惑わされないでください。

特に大手の場合、高いのは宣伝広告費の分だけ月謝に大量に上乗せされているだけで、月謝の高さと指導力とは比例しませんから。

 

ただ、長い時間教師をしていれば誰でも指導力が上がるわけでは無いですし、ベテラン教師でも新人と変わらない指導や、変にアクが強くて新人よりもひどい指導しかできない人も多いですから、期間だけでは判定できません。

アルバイトでも、それこそ「才能」があれば、ものすごい指導をすることもできますしね。

 

ただ、一般的に言えば、真剣に努力した時間の積み重ねには絶対に勝てません。

ですから、保護者の皆様はそうした修行と呼べるような時間を積み重ねてきた教師や塾を選んでくださいね。

くれぐれも口車や宣伝に惑わされることの無いように・・・

 

そして、教える側の立場で言えば、生徒にも「1万時間」が苦痛でなく、自然に乗り越えてしまえるような分野を見つけてあげられると、それが将来の職業や、または生きがい等に繋がる可能性も出てくるというものです。

もちろん、今の忍耐力の無い生徒たちに、変化の早い時代背景では、あらゆる物事で1万時間を耐えさせるような指導は難しいですから、1万時間がそれほど苦にならないで頑張れる物事を見つけることのほうが理に適っていると思います。

よく「好きな事を仕事にする」などと言いますが、その是非はともかくとして、とりあえず「最低でも1万時間は続けられることを仕事にする」のは1つの目安として良いと思います。

気が向いたら、ご家庭でもこんな話をしてみてくださいね。

 

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楠木塾長

楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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