「やる気を出させるのは家庭教師の仕事ではない」

こんな検索ワードで訪れた方がいました。

訪問者の方には残念ですが、やる気を出させるのも家庭教師の仕事です。

いえ、家庭教師に限ったことでは無く、全ての指導者の仕事です。

 

こういった勘違いをしている先生を生み出すのにも原因があります。

それは教育業界では「教師の仕事は教えること。やるかどうかは生徒の問題だ」という意見がかなり幅をきかせている点です。

 

確かに教えることが仕事なのですが、教師として「どうすればよりよく教えることができるか?」を突き詰めていくと、どうしても「うまくやる気を出させる」ことにぶつかります。

実際のところ、教え方を研究して2倍向上させるよりも、モチベーションを研究して生徒のやる気を2倍よくしたほうがずっと効果があります。(個人的な感覚で言えば、やる気2倍=教え方5倍くらいの効果があります)

ですから、やる気を出させることができない場合、教える力を5倍以上は高めておきたいです。

 

ところが、「教師の仕事は教えること。やるかどうかは生徒の問題」という指導者に限って、教える力量も大したことがありません(笑)

そもそも、目の前に生徒がいて「この子のやる気を何とかしたい!」と思わない教師が、指導法を真剣に研究するはずも無いですよね。

その人なりに研究しているつもりでも、生徒のやる気にまで踏み込んで指導しようとする人の研究量に追いつけるはずがありません。

 

つまり、「やるかどうかは生徒の問題」と平気で言うような先生は、「教える力も大したことが無い」ことが多いのです。

 

一応、そういう先生にもベテランや、それなりに教えるのが上手な人もいますが、他人・・・特に若い人や力量の無い人と比べて、それよりも自分が少しだけ高い位置にいることに納得している人たちがほとんどです。

もちろん、そういう人は教師には向きません。人を教えるからには、自分も成長し続けなければいけないものですからね。

現時点での能力の高さよりも、未来に向かって成長しようとするその姿勢こそが大事なのです。その背中を見て生徒も育つものなのですから。

 

また、懇談や家庭訪問、塾ならば面談や説明会などで「やる気が足りないから、何を教えても駄目です。もっとやる気を出させてください」などと口にする先生にはならないでください。

キャリアや能力の問題ではなく、教師としての心や適性が無い人です。

逆に「やる気を出させることができなくてすみません」と、自分の責任としてとらえられると素晴らしいです。

そんな先生はほとんどおらず、学校で1%以下、塾でも5%以下でしょう。だからこそ、そういう先生が生徒からも保護者からも求められるのです。

そして、そういう謙虚な気持ちがあるからこそ、謝るまでもなく、やる気をアップさせられるだけの指導力がついていくのですね。

 

ただし、生徒のやる気の全てが教師の責任と言うつもりはありません。

あくまでも「教師はやる気を伸ばすことまでを自分の責任と捉えて指導するべきだ」という意味で、生徒のやる気には、学校教育や友達関係、家庭環境や親のしつけなどが影響してくる部分も多分にあります。

もし「うちの子のやる気が無いのは先生のせいです!」などと、ひたすら教師に押し付けるような保護者がいるとしたら、それは駄目教師が「やる気を伸ばすのは教師の役目では無い」と言うのと同じ理論です。

自分の至らなさを忘れて相手にだけ求めるのは、駄目な大人の発想ですよね。

 

何事も、他人に責任を押しつける人というのはいけません。

もちろん「俺のやる気が出ないのは先生のせいだ」などと言う生徒も同じです。

しかし、悲しいことに多くの大人も子供も押しつけることをやめません。

押しつけあって世間が成り立っている一面もあるくらいです(笑)

 

教える側こそ、責任をもって取り組める人間でありたいですね。

 

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楠木塾長

楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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