塾の授業でしか勉強しない生徒の問題点

塾でしか勉強しない生徒がいます。

全く勉強しない生徒と比べればましと言えるのですが、塾以外は全く勉強しないというのもやはり困りものですよね。

何より「家だと勉強できない」という状態では、塾を辞めた時、高校に進んだ時、さらに先の塾が無い年齢になった時・・・に、大変なことになってしまいます。

 

塾の授業に期待しすぎてしまう生徒たち

「ちゃんと塾に通い、授業もしっかりと受けているから大丈夫」

そう考える生徒は多いですし、もしかすると保護者の方にもいるかもしれません。

しかし、塾の授業に期待しすぎるのは禁物です。

 

例えば、塾のある日に、授業として数時間だけ勉強する生徒を見てみましょう。

1日2時間の授業が週に3回あったとすると、1週間に6時間となります。

毎日にならすと約1時間ですから、そこそこの時間にはなりますが、決して多い時間とも言えませんよね。

小学生の家庭学習の推奨時間が「小6で1日60分」などとよく言われますが、(正しいかどうかはともかくとして)中学生がそれと同程度で大丈夫と思う人は少ないでしょう。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

成績の上がらない塾を変えるかどうか迷う時の判断基準

 

塾の集団授業は、そんなに濃くない

もちろん、この6時間を上手に使って、超効率的に勉強すれば、かなりの生徒は何とかなります。

しかし、大抵の塾の集団授業は、待ち時間やロスタイムも多く、そこまで効率的には教えてくれません。

実際、ボーッとしている時間や、他の生徒が終わるのを待つだけの時間、無駄な説明を聞かされる時間に、やる必要のない問題をさせられる時間、意味のない作業をさせられる時間に、他のことに気を取られている時間など、(学校よりはましですが)塾の授業にも空白の時間がものすごくあります。

それこそ、1日2時間の授業(+追試や居残り)があっても、濃い勉強と比べた場合の、実質の勉強時間は30分未満、良くても1時間程度の効果しかないと思って良いでしょう。

それなのに、塾の授業だけで安心しきって、それ以外の時間は全く勉強しないとなると、成績を上げるのは厳しいはずです。

 

そもそも、塾の中には、最初から「家で勉強してもらう(自分でできない生徒なら、親がさせる)」のが隠れた大前提になっているところがあります。(特に大手塾に多いですね)

実際に、入れる前から「出された課題については、家庭でちゃんとやらせてください」と言ってくる塾や、授業時間内で終わるはずのないページ数がカリキュラムになっている塾がたくさんあります。

こういうところは、最初から授業時間内で終わらせるつもり自体がなく、つまり「授業だけ受けていても駄目ですよ」と言っているわけですね。(別の言い方をすれば、「うちの指導力では授業時間だけでは足りません」と言っているのと同じです)

そういう塾に入っておきながら、塾の授業時間しか勉強しないとすれば、成績が下がることはあっても上がることは期待できない・・・というのは、十分にお分かりいただけるでしょう。

「塾に行かせれば安心」「塾の指導時間内で全部教えてもらえる」と思う方も多いでしょうが、生徒が「塾でしか勉強しない」タイプの場合は、こういうところは塾選びの時点で、最初から避けなければならないのですね。

このあたりは、塾側の与える情報不足(不当表示?)の面も大いにありますが、選ぶ側の勘違いによる責任も否定できないでしょう。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

個別指導塾の選び方

 

塾でしか勉強できない生徒

また、「家では集中しづらいから、塾でやる」という意味の「塾でしか勉強できない」生徒も増えています。

このこと自体は別に悪いことだとは思いません。

勉強や仕事は、より集中しやすい環境でやるほうが賢いです。

大人にしても、自宅ではなく、喫茶店や図書館で勉強したりするものですよね。

ですから、塾が使えるなら塾でどんどんやれば良いですし、図書館でも他の場所でも、「ここなら自分が集中できる」という場所を見つけて、そこでやる習慣にするのは、効率の良い勉強法のコツの1つです。

 

ただし、「塾には来るけど、集中しないで友達と話してばかり」という生徒が結構います。

自習室の管理が怪しい塾は多く、中に見張りのバイト講師を入れる塾もありますが、その講師と盛り上がっている生徒もいるくらいです。

保護者の方は、生徒が塾に行っているからといって、安心しすぎないようにしましょうね。

 

一方で、「家では全くできない。だから塾でやるしかない」というような困った生徒もいます。

「家より塾のほうが集中できる」というようにやろうと思えば家や他の場所でもできるけど、塾が一番やりやすいなら良いのですが、「他では全くできず、塾しかできない」というのは少々問題があります。

そういう生徒は、高校進学後に勉強習慣も無くなることが多く、また、家庭の事情などで塾に行けなくなった場合も、全く勉強しなくなってしまいます。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

教えすぎないことの大切さ

 

塾でしか勉強できないほうが、塾にとっては都合が良い

もともと塾は「小学、中学、高校とずっと通ってくれるほうが儲かる」もので、そこの継続にはかなり力を入れています。

それで儲けていることを公言するような恥知らずの塾もあって、そういうところは教育者として論外ですが、やはり塾も商売ですから、安定した収益のためには「少しでも長く利用してもらう」ことを考えざるを得ません。

それに、悪質な勧誘や変なシステムではなく、生徒や保護者が信頼して長期で任せてくれるのであれば、それはそれで良いことですしね。

(ただし、幅広い学年を募集・運営するだけなら簡単ですが、きちんと指導できるかどうかは別問題で、そんなに幅広い学年を専門性を持って教えられるかどうかはかなり疑わしいです)

 

こういう事情もあって、基本的に塾は「いつまでも塾に来続けてくれる生徒」を歓迎します。

そしてひどい場合・・・というか、多くの場合で「いつまでも塾に来続けてくれる生徒」になるよう育てています。

特に、儲け主義の塾ほど、家では全くできない生徒や、塾でしか勉強できない生徒は大歓迎なのですね。

そして、生徒や親もそれに慣らされてしまい、自学力が弱すぎる「塾依存症の生徒」になってしまう事例も多いため、その点にだけは気をつけましょう。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

塾に「成績が上がらない」と相談したら、授業数を追加するよう言われた

 

塾や先生に依存させる教え方もある

これと同様に、先生の教え方にも「ずっと先生がついていないといけない教え方」と、「先生の手を離れ、独り立ちできる教え方」に分かれます。

当然、塾の経営的には「ずっと先生がついていないといけない教え方」を高校卒業までずっと続けたほうが楽で儲かります。

しかし、生徒の「生きる力」という意味では、「先生の手を離れて、独り立ちできる教え方」のほうが、後々役に立つことは言うまでもありません。

 

基本的にはどこの塾・先生も、塾依存の生徒を育てるような教え方をしてしまいがちです。

ただし、意図的にしている場合は少なめで、単に指導力が足りなくてその教え方しか知らないという悪気の無い場合のほうが多いですね。

しかし、そのことが「塾でしか勉強しない生徒」をますます増やしてしまっている側面もあることには注意が必要です。

(そういう意味でも、我々教える側全体がもっとレベルアップをしなければならないのは間違いありません)

 

いずれにしても、ただでさえ自主性や自学力が乏しい生徒が、さらにそれを助長する指導ばかりを長く受けていると、将来的にはかなりマイナスです。

生徒の性格や外部環境とのバランスを取りながら、適切な塾や先生を選ぶようにしてくださいね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

良い塾の選び方・見抜き方 塾選びの判断基準

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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