タイトルのように勘違いされているご家庭も多いですよね。

例えば、「集団塾を週3回」よりも「個別指導を週3回」のほうが授業料は高く、さらに「集団塾+個別指導」ならもっと高くなります。

家庭教師をつけたり、通信教材を併用したりと、それこそお金に余裕があるだけ費やすようなご家庭もあります。

 

何も考えずにお金をかけるのは、ただの餌食に

ところが、あまりにお金をかけるような親御さんは、はっきり言って教育産業にとっては「良いカモ」です。

「成績が上がらない・・・」と悩むご家庭に対し、「こちらの講座を受けましょう」「さらに個別指導を追加して・・・」などとやる光景は、大手塾を中心によく見かけます。

これは、営業的にはとても上手ですが、教育的には褒められた行為ではありません。

もちろん、これが入塾時ならまだ良いのですが、月に数万円など、すでに十分な金額をいただいているような塾が、面談に来た保護者に対して「今の授業だけでは成績が上がらないから」とさらなる講座を有料で受けさせるのは、詐欺のようなやり方ですよね。

「最初から、その金額で引き受けるな」という話です(苦笑)

 

こうしたやり方は塾の業績を上げますから、経営者や株主にとってはとても良いやり方です。

しかし、生徒やご家庭にとって良いやり方とはとても思えません。

その塾がどちらを向いて経営しているかを、塾選びの際にはきちんと見るようにすべきでしょう。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

良い塾の選び方・見抜き方 塾選びの判断基準

 

お金をかければ成績が上がる側面もある

一方で、こうした「お金をかければ成績が上がる」という考え方には、実は正しい面もあります。

より良い指導を受けたいと思えば、それなりに高くなるのは資本主義社会の常識です。

教育産業は「人」が命ですから、人件費の高い日本では、サービスを手厚くすればするほどにコストは高くならざるを得ません。

さらに、力のある教師ともなればその数は限られますから、必然的にコストは跳ね上がります。

私もここでは無料や低価格で頑張っていますが、これは固定費の少ないネット上で、私1人がボランティア同然で細々とやっているからできることです。

自分の生活を犠牲にする覚悟が無ければ続けられませんし、誰か雇えばその時点で立ちゆかなくなるのは目に見えています。

(意外と微妙なバランスで頑張っているため、どこか別のところで無理が生じたら、すぐにストップするかもしれないことはご承知おきください)

 

しかし、「良いものは高い」のが真実であっても、「高いものが良い」とは限らないことは忘れないでください。

一流の品は高くて良い品質ですが、ニセの悪質ブランド品は高額でも品質は劣りますよね(笑)

質の良い成分をふんだんに使った高級美容グッズもあれば、効果の無い消費者泣かせの美容グッズはもっとたくさんあります。

 

教育業界も同じです。

バイト講師ばかりなのに、市価よりも高額の授業料をとるような塾は山ほどあります。

大した指導をしていなくても、合格実績の獲得とブランド化に成功して、高い授業料を得ている塾もたくさんあります。

授業以外の、教材や書籍などもそうです。

高い金額をつけながら、一般書籍以下の内容のものはありふれていますし、むしろ「高いものほど、役に立たない、詐欺的なものが多い」のが現実です。

これが「高いものほど当たりが多い」なら話は分かりやすいのですが、困ったことに「高いものほどはずれが多い」のですから、利用する側からすると大変だと思います。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

成績の上がらない塾を変えるかどうか迷う時の判断基準

 

塾にお金をかけると生まれる意外なデメリット

そして、より困るのは、「高いお金を払うと、見返りを求めてしまう」ことです。

ブランド品や美容品が偽物だったなら、売りつけた業者に腹が立ちますし、騙された自分にも腹が立つでしょう。

さらに、美容品なら肌などにトラブルが起きるかもしれませんから、被害はお金だけにとどまりません。

 

ところが、教育はもっとたちが悪いのです。

塾などの教育サービスの場合、高いお金を払って成績が上がらないと不満を感じますよね。ここまでは他のものと同じです。

ところが、高いお金を払うのは「親」なのに、学ぶのは「子供」ですから、親は「自分に腹を立てる」ことはしません(笑)

 

それでは塾に対して腹を立てるかと言うと、実際にそうするご家庭はなぜか少ないです。

それではどこにその矛先が向かうかと言うと・・・そう「子供」ですね。

「こんなに高いお金を払っているのに!」「もっと真剣に勉強しないから!」などと、親が子を責める状態になるのです。

これは、他の商品ではなかなか起こらないことですね。

 

「高いお金を払いながら、怒りや不満の矛先が子供に向かう」

これほど理不尽でおかしなことはありません。

多額のお金を損する親御さんが不満を感じるのは当然ですが、そのお金で「救済」する対象の子供がどうしてますます責められているのでしょう。

こうなってしまうと、高いお金を払って、わざわざ家庭内に「不幸」を呼び寄せているとしか思えません。

 

こうしたことは日本中のあちこちのご家庭で起きています。

あなたのご家庭がこうならないためにどうすれば良いか、親のための「心得」としてお伝えしましょう。

 

○ 参考:生徒の学力によっても合う塾は違います。

学力別に見た中学生の塾選び

 

教育にお金をかけて不幸になることを防ぐための心得

「高いお金を払いながら、怒りや不満の矛先が子供に向かう」

この状態を防ぐために、親御さんが心得ておくべきことは2つです。

これから塾に通わせる予定のご家庭はもちろん、すでに通わせているご家庭や、いつか通わせるつもりのご家庭も、ぜひ覚えておいてください。

 

(1)かけたお金に見合う成果が上がっているかをチェックする

よく国の事業について「無駄遣いが多い」という話題が出ますよね。

確かに国の無駄遣いは多いのですが、教育費の無駄遣いもなかなか負けてはいません(笑)

 

例えば、進学塾で月3万円、進研ゼミなどの通信教育で月5千円ほどを使ったとします。

(月謝が2万程度の塾で、入塾金、教材費、管理費などを合わせてならすと3万くらいになります。これが都心部なら月謝が3万、その他の経費が込みで4~5万となるところもありますね)

通信教材では強制力が働きませんから、やらずにそのまま放置する危険性もありますが、それなりにやりさえすれば一定の効果はあるでしょう。

 

一方、進学塾は教室に行く事になるため、その時間はしっかりと参加します。

しかし、生徒によってはあまり授業を聞いていない者もいますし、身についていない者もいます。

ですから、「真剣に聞きさえすれば一定の効果はある」という話になります。

 

・・・何やら同じ様な話になりましたね?(笑)

 

そうなのです。

使っても役に立たない可能性はどちらにもあります。

塾のほうが「指導力」「面倒見」があれば効果の出る可能性は高まりますが、そこが期待できない塾の場合、ただ授業に行き、何となく受けて、すぐに帰る・・・という受け方になるだけで、通信教材と大差無いのですね。

 

塾を十分に活用しているのか、ただ通っているだけなのか、あなたのお子さんはどうでしょう?

とりあえずここでは、よくいる他の多くの生徒ように、塾ではそれなりに聞いて勉強している程度ですが、としましょう。

めきめき成績が上がるわけでも無いし、目に見えない力がついていっているように見えるわけでも無く、ただ毎日塾に通って勉強している状態ですね。

 

それではここで問題です。

はたしてこの状態で、通信教材の「6倍」の価値はあるのでしょうか?

 

6倍ですよ。

同じくらいや2倍程度ではありません。

6倍の価値が無ければなりません。

なぜなら、そのお金があれば、もっと他の有意義なことができるからですね。

 

たまに「塾に通っていることが学習習慣につながる」という意見もあり、それも確かに言えるのですが、その場合でも、はたしてそこに「6倍」の価値があるかどうかを考えてください。

本当に学習習慣「だけ」が目的なら、半額も払えば十分実現できるはずですよね。

親御さんは、必ず成果をチェックして、「ただお金を出す親(塾のカモ)」にならないようにしてください。

 

さらにこれが夏期講習ともなると、集団指導の塾が系列の個別指導を併用させたり、個別指導の塾が特別講座などと言って受講させたりで、1ヶ月に5-6万、はては10万以上の金額を要求するようなところも平気で出てきます。

10万円ですよ!

よくそんなお金を払えると思ってしまいますが、ボーナスが出た後ですし、お子さんのためを思えばこその親心なのでしょう。

そこにつけこむ教育産業の経営上手さと言いますか、ずる賢さと言いますかには脱帽ですが、それも元をたどれば、快く払ってしまう親御さんがいるからですよね。

 

しかし、通常の月謝が3万で、講習が10万とすると、「3倍」になります。

はたして、普段の3倍も成績が上がるのでしょうか?

いったい、どれほどの指導をしてくれるのでしょう?

そもそも普段がそれなりに上がっていれば3倍も上げるのは難しいですし、わざわざ大量の追加講座を受ける必要もありませんから、普段の指導で上がっていないことがバレバレです(笑)

 

確かに、もとが低ければ、3倍くらいはわけないかもしれません。しかし、もとが0なら、何倍しても0という可能性もあります。

こういう時は、他のサービスとの比較も忘れてはいけません。そこそこ高い家庭教師と比べても「2倍」、通信教材の「20」、市販の問題集や参考書を買うのと比べると「50倍」以上です。

そこに望みをかけるのは自由ですが、私なら「そんなに効果を出せる指導ができるのなら、どうして普段からやっておいてくれないのか」と思ってしまいます(笑)

 

もちろん、教育効果の測定は難しいですから、単純に*倍と比較することだけでは測れません。

しかし、受講する側の生徒と保護者が、それに見合うだけの成果や満足度が得られていないのであれば、やはり余分に支払った分は「無駄」なのですね。

そんな無駄なお金を払う余裕があるなら、弊塾に寄付してください(笑)

冗談はともかく、同じお金をかけるにしても、低額な塾と通信教材を組み合わせたり、個別指導に市販教材を組み合わせたり、単科指導の專門塾に家庭教師を組み合わせたりと、方法はいくらでもあります。

他にも、本棚に本を並べて読書習慣がつきやすい環境を作るなり、興味の持てる知育教材を買い与えるなりするのも良いですよね。

別に勉強でなくとも、家族旅行でもして思い出を作るのも良いでしょう。

 

それでは、かけたお金に見合う成果が出ていない時にはどうすれば良いのでしょうか?

答えは「たとえ途中でも、さっさと止める」ことです。

 

これは塾などに限らず、人生のお金にまつわることほぼ全てに通じることですよね。

何かを初めても効果が出ない場合、そこですぐに諦めてしまうようでは何事も成功しませんから、一定期間は継続すべきです。

しかし、一定の継続をしても効果が出そうに無いと分ったら、すぐに撤退すべきです。

なぜなら、すでに「大量のお金」を無駄にしているのに、そこへさらに「大量の時間」を無駄にすることにつながるからですね。

二重の無駄をする前に、その時間を別の方法に費やしましょう。

 

投資の世界では「損切り」として有名な話で、分かっていても実践は難しいのですが(笑)、教育や学びの場合はまだ実践しやすいはずです。

もちろん、1つのことをじっくりと続けることも大切なのですが、それはお金のかからないことでやれば良いことですよね。

そして、今の変化の早い時代には、スピード感が最も大切な能力の1つになってきています。

昔のように「1つをコツコツ」の一辺倒ではなく、さっと切り替えて素早く次に移るようなフットワークの軽さも同時に、学生のうちから身につけていくべきなのですね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

転塾のウソ 塾を変えるときの判断のポイントや注意点

 

かけたお金に見合う成果を得るための秘訣

「高いお金を払いながら、怒りや不満の矛先が子供に向かう」

この状態を防ぐための親御さんの心得、2つ目です。

これは「一時的に上がれば良い」と考えている方には当てはまりませんから、読まなくて構いません。

そうではなく、1度上がった成績を継続させ、さらに今後も持続的に成績を上げていきたいと願うのであれば、必ず心に焼き付けておいてください。

そして、これこそが「かけたお金に見合う成果を得るための秘訣」でもあるのですね。

他塾の批判などはありませんが、塾選びと指導の極意(?)が含まれますから、ひさびさの限定記事にしておきますね。

 

続きは「正会員の専用書庫」でどうぞ。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

個別指導塾の講習に潜む大きな危険性

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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