塾にはいつから入れるべきなのでしょう?

 

もちろん、塾に入れるべき最適な時期は、子供によって変わります。

その子の今の成績、目指す高校・大学のレベル、子供の性格やタイプ、家庭の教育方針・・・など、条件は様々あります。

 

実際には、いろいろなところでいろいろなことが言われていますが、あくまでもご自分の家庭やお子さんの状況に合わせて考えることが大切です。

これから書く私の意見も含めて、他人の意見はくれぐれも参考にとどめるようにしてくださいね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

中学生になったらすぐに塾に入ったほうがよい?

 

塾は中学1年生から入れるべき?

さて、ここでは一般的な学力の中学生が普通の公立高校を目指す場合の話です。

基本的に、高校入試は中3の1年間で十分間に合います。

 

当たり前ですが、難関国私立の入学や、超難関大学合格をすでに視野に入れているようなハイレベルな人には当てはまりませんよ。

それに、学校の授業に全くついていけてない生徒がレベルの高い高校を目指すのであれば、それこそいくら時間があっても足りません。

あくまでも、学校の授業についていけているか、塾や親のフォローで今のところは何とかなっている生徒ですね。

 

そういう生徒が自分の力から見て少し背伸びするくらいの高校を目指すのであれば、中3になってからでも間に合います。

自分の力に合った適度な高校を目指すくらいなら、夏休み前からでも十分ですね。

 

これはあまり言いたくないのですが、「極論すると入試で点数をとらせる」だけなら直前期のドーピングで何とかなってしまう部分があります。

例えば、それまで模試で数学が20点台しかとれなかった生徒を、入試前に3日程度しっかりと(と言っても1日2時間くらいだったでしょうか・・・)教えただけで、本番に70点とって受かってしまったなどいうことも実際にはあります。

こういった例は枚挙に暇が無いため、それこそ本の帯などについているように、怪しげなキャッチコピーがいくらでも書けてしまいます(笑)

 

しかし、ドーピング勉強法で受かると、高校に入ってから周囲との力の差で大変な苦労をすることもあるため、本当に本人のためになると言えるか微妙です。

「無理しないで、1つ下のレベルの高校にしておけばよかった・・・」ということにもなりかねません。

 

それに私が重視している、いわゆる「生きる力」を伸ばすことと、それをきちんと「習慣化」するためには一定の期間が必要です。

直前でテストの点だけ何とかして・・・で、人間力が伸びるはずがないですよね?

やはり真正面から入試とぶつかることで、人間的にも成長するチャンスが増すわけです。

(・・・と言って、入試を受ければ必ず成長するわけでもありません。そこは捉え方、取り組み方次第です)

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

良い塾の選び方・見抜き方 塾選びの判断基準

 

結局、いつから受験勉強を開始するのが良いのか?

そういうことも踏まえると、やはり夏休み前からはとりかかるようにしたいものです。

勉強に苦手意識のある生徒は他の生徒に追いつく意味でも、少し早めの3月頃に始めるのがベストですね。

 

逆に、私としてはそれより早く始める意味をあまり感じません。

もちろん勉強だけ見れば早いほうがいいに決まっていますが、代わりに犠牲になるもの(多くの時間とお金など)もあるわけで、費やしたコストに見合うだけの結果が出る可能性が意外と低いです。

実際、中1や中2の途中で塾に入れるよりも、中2の終わりや中3になってから入る生徒のほうが、はるかに成績は伸びる傾向が強いですしね。

(塾の立場からすると、あまり大声では言えませんが・・・笑)

 

もちろん、本当に力のある教師が教えてくれるのであれば、中1の最初からしっかり見てもらうのが一番です。

しかし、大きな塾だと先生は入れかわり立ちかわりですし、小さな塾だとそういう教師のいる確率が極端に低くなります。

 

それに、中1の夏や中2といった中途半端な時期に親が無理に入れると、入試前までにだれてしてしまうこともあります。

そうなるくらいなら、生徒のやる気の出てきた時(それが中1ならそれで良いですが、大抵は中3が多いですよね)で十分です。

 

ただし、「子供を預かってもらう」「学習習慣をつける」など、塾に通わせる目的はいろいろありますから、そういうあたりは各家庭で自由になされば良いと思います。

あくまでも教える側から見た、受験指導という観点での話と言うことで、参考程度にしておいてください。

 

ところで、よく「1ヶ月で模試が偏差値20アップ!」「7日で定期テスト30点が80点に!」など、あちこちのサイトや本の帯などに誇大広告がしてありしますが、こういうのは安易に信じないでくださいね。

もちろん、中にはそういうことが起きる生徒も実際に出ますよ。

上で触れた生徒の例だと、「6時間で入試本番が50点アップ!」ですよね(笑)

しかし、私に言わせれば、こういうのはあくまでも一例にすぎません。

多くの場合は「もともと伸びる要素のあった生徒」が伸びたか、「たまたま1回上がっただけ」であることがほとんどです。

 

そもそも、宣伝のネタになるくらい極端に上がる生徒は、毎年必ずいます。

それはそんなにすごい先生でなくても、量と方法さえ間違えなければ誰でも起きるありふれた現象です。

しかし、残念ながら「全く同じことを、全ての生徒で実現できない」のが致命的な弱点です。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

塾でしか勉強しない生徒になってしまう裏側

 

塾に入って成績アップ!・・・の裏側

もし、そういう例が10人に1人だったとしましょう。

そうすると、あなたのお子さんが入る確率はたったの10%です。

残りの9人はごくごく普通の結果にしかならないのです。

 

教えて1,2人しか広告通りにならないのは、もはや単なる偶然か詐欺ですよね。

議論にさえ値しません。

 

10人に教えて半分くらいに成果の出る教え方であっても、私は誇れるものだとは思いません。

10人に教えて最低でも8,9人に成果が出るくらいからが、ようやく本当の指導力ではないでしょうか。

頑張っても成績が上がらない生徒とその親の悲しみを1組想像しただけでもつらいのに、半分もいては悲しすぎますから・・・。

 

本は売れてナンボですし、ブログやサイトも誇大表示するほうが当たり前になっているため、時代背景から言って、しかたないのかもしれません。

しかし、そうやって大々的に言うのは「その先生(塾)なら全ての生徒に実現できること」かせめて「軽く半分以上は実現できること」にすべきだと思います。

たとえ偶然ではないにせよ、ごく一部の生徒にしか意図的に実現できないことを、さも当たり前のように取り上げるのはやっぱりずるいと思いますね。

他の業界なら許せても、教育業界では許したくないです。

・・・と言いつつ勉強のために、そういう微妙な本も含めて、つい何冊も何冊も買ってしまうのですけれども(笑)

 

ただ、実は私も昔はチラシを作る際にこういう「データ処理」を何度かやっていましたから、裏側はよく分かっています。

もともとデータというのは見せ方次第でどうにでもなる代物です。

捏造すればさらにどうにでもなりますが、別に捏造しなくても何とかなってしまうのですね。

ひどい場合では、毎回の平均が400点の生徒がたまたま1回だけ300点をとって、次のテストで400点に戻ったのを「100点アップ!」とカウントすることもできますからね。

他にやり方はいくらでもありましたし、中には辟易とするものもありましたが、このくらいにしておきます。

 

とにかくああいうものを信用してはいけません。

世の中そんなに甘いものではないですし、本当にそうなら入試制度などとっくに崩壊していますから、甘い話を安易に信じないようにしましょうね。

(業界のこういう嘘くさいのが嫌で、一度手を引いたのもありますしね・・・)

 

こう言うと、生徒の中には「たった1回だけでも、入試本番で最大値が出せればそれでいいよ!」「確率10%でもいいからやってみて!」と思う人もいるかもしれませんね。

・・・と言いますか、絶対いるはずです(笑)

確かに塾としては時にそういう指導も必要ですし、それくらいのことが狙ってできない教師ではプロとしては物足りないとも思います。

 

しかし、どう考えてもやっぱり邪道ですよね?

少なくとも、個人的にそういう勉強法は嫌いです。

インチキくさいやり方は抜きにして、基礎からしっかり復習するやり方で受験に挑んで志望校への合格をつかむだけでなく、せっかくですから、勉強だけでなく人間力も高めて高校へのスタートを切ってもらえたらと思います。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

成績が上がる塾とは?

 

受験勉強を始めるタイムリミット

話を戻して、上のことを逆から言えば「夏休みがタイムリミット」となります。

・・・と言っても成績が良ければ直前でもへっちゃらですし、目指すレベルが低めなら、もう少し後からでも十分間に合います。

本当のタイムリミットは、目指すレベルと生徒の現状によって変わるわけで、あくまでも一般的な生徒が、自分の力に合った適度な高校を目指すなら、このくらいという話ですね。

 

それと、ドーピング法なら冬以降でも間に合いますが、これは子供の将来を考えたら「ダメゼッタイ!」です(笑)

それまで頑張ってきた生徒が、どうしても目標点に届かずに最後の切り札として・・・ならありだと思いますが、楽をするためにするものではないわけで、それまでサボっていた生徒を甘やかすようなのは論外です。

もちろん、ドーピング的なやり方にも程度がいろいろありますから、あまりきついものは避けて、ほどほどのところを使うようにしましょうね。

(でないと、真面目にコツコツやるのが馬鹿らしいことだと学習させてしまいますから)

 

何はともあれ、夏はどの生徒も受験を意識し始めますから、ぜひ乗り遅れることなく受験モードに入れるようにバックアップしてあげてください。(もちろん春からスタートできればそれに越したことは無いです)

その時になって急にきつく言うと反抗されるでしょうから、テレビ番組が見る人を洗脳するように、「受験は夏(春)からが本番だよ」と日頃からさりげなくささやいておくと良いかもしれません。

 

なお、受験勉強といっても毎日朝から晩まで勉強オンリーの勉強漬けになれとまでは言いませんよ。

上の話は「この時期から始めれば、勉強漬けのような無理をしなくてもまだ間に合う」という意味でも言っています。

ぜひ精神的な安定や健康なども保ちつつ、ほど良いバランスで受験勉強を一緒に前向きに乗り越えてくださいね。

もちろん、今までサボりすぎて成績がボロボロという心当たりのある生徒は、夏と言わずすぐにでも必死で取り組みましょう(笑)

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

塾でしか勉強しない生徒になってしまう裏側

高校受験前の進路指導の裏側と心構え

 

The following two tabs change content below.

楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

おすすめコンテンツ

楠木塾 メール会員
楠木塾 メール会員