家庭教師には、2種類のタイプがあります。

それは「分からないところを教えるだけ」のタイプと、「自分の指導方針のもとに生徒を指導する」タイプですね。


「分からないところを教えるだけ」の典型例は学生バイト派遣型の家庭教師です。

 

生徒が、学校の教科書やワークの分からないところを聞く。

生徒が、塾や通信教材の分からないところを聞く。

 

一方の先生は、ただそれを解説するだけ。

生徒に問題集などをやらせて、そこの解説だけするというのもよくある形式です。

 

さらに、ひどい業者だと、割高な自社教材を強制的に購入させて、それを解かせるようなこともします。

問題集自体で儲けるのも目的なのに加えて、問題集を指定したほうが生徒の質問がばらけないため、教師の準備がしやすくて指導力があまり要求されないという事情もあります。

オリジナル教材で一見しっかり指導していると見せかけて、実はマニュアル化が目的というのが裏の仕組みですね。

(実は、教材会社が母体となっている、家庭教師派遣業者というのも結構あります)

 

一方、プロの家庭教師はもちろん、過去に指導経験のある元教師や、社会人家庭教師などは「自分の指導方針のもとに生徒を指導する」タイプが多いです。

きちんと自分なりの指導法や成績を上げるノウハウを持っていて、それをもとに教えてくれるのですね。

こちらのほうが指導成果は上がりやすいですが、そのぶん授業料が高い場合も多くなりますし、先生主導のために「先生と合わない」などの問題が起こりやすくなります。

 

「聞かれたところを教えるだけ」の方式ならば、合う合わないがあまり少ないのは当たり前ですよね。

反対に、プロが一定の信念を持って教えると、1対1で逃げ場がないため、生徒との相性によっては、衝突や混乱が回避しにくい面があるのもしかたありません。

 

ですから、保護者の中には「下手に教えなくて良いから、聞かれたことだけ解説してほしい」と言う人もいます。

特に難関私立中学を目指す家庭などだと、こういうことを言う保護者が増えますね。

塾との併用の家庭などは、特にその傾向が強いです。

 

ところで、家庭教師の仕事は、本来「分からないところを教えるだけ」ではありません。

まさか週に1-2回、たった数十分勉強しただけで、すぐに成績が上がるはずもありません。

はっきりと成績を上げようと思ったら、「いかに授業の無い日に、きちんと家庭学習をさせるか」が勝負になります。

そのためには、授業の日に説明だけして終わり・・・というような、ある意味で「手抜き」の指導はできません。

生徒の話を聞き、やる気を引き出し、学習計画を立て、次回までの約束をし、その課題でつまずくことのないレベルまで時間内できっちり引き上げる・・・など、盛りだくさんのことをしなければなりません。

問題が解けるだけの頭の良さがあれば良いというものでもなければ、ただ分かりやすければ良いというものでも無いのですね。

むしろ、「自分がいない日まできちんと家庭学習させられる教師のほうが、家庭教師としては優秀」と言えるでしょう。

 

もちろん学生バイトにそこまで求めるのは厳しいですよ。

とりあえず宿題を出しておけばやってくれる・・・というほど簡単なものでは無いですから。

その点は料金との兼ね合いにもなりますが、実際には高額なのにも関わらず、手抜きに等しい指導をしているケースも多いのは頭の痛いところです。

 

1時間なら1時間という決まった時間を生徒と過ごすだけが家庭教師の仕事ではありません。

そもそも、時間で働くのはバイト感覚の仕事のやり方です。

プロの家庭教師は「目に見える形で生徒の力を伸ばす」ことこそが仕事なのですね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

学生バイト講師は良いか悪いか?

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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