世の中に塾はたくさんあります。

良質なものも悪質なものも混ぜこぜになっていますし、だからこそ、生徒も親御さんも塾選びには迷われることでしょう。

 

チラシやホームページやブログを見ていても、頑張ってほしいと思う塾はたくさんあります。

しかし、その一方で、潰れてしまったほうが良いと思うような塾はもっとたくさんあります。

これは、悪質な塾のせいで苦しむ多くの親御さんの声を聞くからこそ、ますます強くなる思いです。

 

ただ、こうしたことを言うことで、心に留めてくださるのは良質な塾の方がほとんどです。

悪質な塾ほど自覚が無いか、意図的にしていますからね。

悪質な塾を駆逐したいのに、良質な塾の皆様に心的ストレスを与えるようなことは避けたいため、最近はあまり書かないようにしていたのもあります。

 

今回は、そうした誤解を与えることが少なくなるように気をつけながら書いていきます。

保護者の方は塾選びの最低限の条件(ただし、こちらは私の好みが強いため、客観的な見方はメールマガジンで順にお伝えします)として、指導者の方はご自分の塾の是非を見直す指針として、塾経営者の方はご自分の運営を見直す機会として、少しでもお役立ていただければ幸いです。

題して、「こんな塾には預けるな!」です。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

個別指導塾の選び方

 

お金や生徒数の算段ばかりをしている塾

会えばすぐに「前の講習の売上が・・・」「新年度の生徒数が・・・」などとばかり口にする経営者や責任者がいます。

ブログなどでもそういった話題が多く、「どの生徒にどんな指導をしてどう育てていくのか」「講習時には、長期休暇にしかできない指導をどう実現するか」と言った思考もそこそこに、お金や生徒数の話ばかりをしている人がいます。

時には生徒数や売上の多さを実績(?)として自慢しているような、根本の感覚がおかしい塾もあります。

 

どんな商品やサービスも、利用者の感謝の対価としてお金や評価が得られます。

しかし、塾というのは他と違って同時に利用しての「比較」ができないサービスです。

また、業界としての衰退期もこれからのため、詐欺的なやり方で大きく儲けるところがまだまだたくさんあります。

そのため、生徒数や売上から見た評価は他の業界以上に役に立ちません。

 

そういう塾は、今後の少子化で徐々に廃れていくでしょうが、塾は利益率の高いビジネスモデルのためすぐに潰れることはなく、縮小しながらも数年単位で生き残り続けます。

いわば、騙されるご家庭を肥やしにして生き続ける寄生虫のようなものですね。

あなたの大切なお子さんを、こんな塾には預けないでください。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

塾に「成績が上がらない」と相談したら、授業数を追加するよう言われた

 

学校や市販品と同程度の指導しかできない塾

これは決して、学校の指導や市販品が塾より劣っているという意味ではありません。

学校の指導にも素晴らしいものはありますし、市販品でも塾のものよりずっと良いものがたくさんあります。

そもそも学校と塾のどちらが上かという議論は不毛なもので、それぞれは存在過程からして異なる役割を負っています(詳細はいずれ別の機会にて)。

 

しかし、塾の中には、その役割の1つである「学校の指導の不足を補い、個々の課題を克服させて成績を上げる」ことでさえ劣るようなひどいところが存在します。

よく、学校で話題になった方法論を塾にそのまま導入するようなところがありますよね。

学校と塾とでは前提となる環境が全く異なるのですから、そこで生まれた方法論をそのまま嬉々として取り入れ、教えを請うているような状態では話になりません。

「良いものは取り入れる」という姿勢は大切ですが、そのままコピーをして感動しているようでは、とても「専門家」とは呼べないのですね。

 

プロでないなら月謝をとるのはおかしいですし、その程度ならまずは一講師として勉強し直すべきで、そんな低いレベルで塾を運営していること自体が罪です。

もちろん、独立して自分の塾を持つ夢を否定はしません。

ただ、それに見合うだけの深い学びを得られるだけの勉強を日々していただきたいのですね。

(それこそ、教える立場の人間は、生徒に求める以上の勉強はし続けて当たり前だと思うのです)

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

成績が上がる塾とは?

 

全ての生徒に同じ勉強法や学習メニューを適用する塾

これも上とつながってきますね。

どんな良い方法であっても、生徒の個性や状況によって合う合わないが必ずあります。

まだ個性の分からない新入塾生に対して決まったやり方を与えるならともかく、すでに何ヶ月も見てきた塾生に対して、どこぞで手に入れた方法をいきなり全員一律に与えるようなやり方をしていてはお粗末にもほどがあります。

もちろん、一律指導が求められる学校であれば、こうしたやり方が行われてもしかたのない部分はありますが、塾は学校とは存在意義からして違うのですから、同じ事をしていてはいけません。

 

本当に生徒の力をつけたいと願うなら、どんな良い方法でも、必ず生徒に合わせてカスタマイズして与えることが必須です。

低質な指導しか知らないと、少し良い指導を知っただけで「これだ!」などと思ってしまうものですが、それでは視野が狭すぎます。

そのやり方で良くなったとしても当たり前で、それは単に今までのやり方がひどすぎただけです。

そうした良い指導は1つに決めるのではなく、いくつも集めて、その中で「これが今のあなたにとって一番」と選択してあげるのが本当です。

私は実際の指導でも研修でも「これが絶対的な最高の方法だ」と言って提示したことは無いですが、それは先生自身や生徒に合わせた臨機応変の最高の方法を見つけてほしいからです。

 

そして、「うちの塾のやり方」といった大雑把なカスタマイズでは無く、生徒1人1人の個性と状況に合わせたカスタマイズでなければなりません。

すなわち、「あなたは暗記が弱いからこのやり方」「あなたは思考力が足りないからこのやり方」「あなたは記述力が無いからこのやり方」などと(これだとあまりに大雑把すぎて例としても恥ずかしいですが・・・)個別に適した方法を提案するので無ければ、1人1人の成長を保証できるはずもありません。

 

医師が患者全てに同じ薬を出していたら怒りますよね?

たとえ、出す薬を少しだけ変えていても、しゃべっている内容や治療法がほとんど同じなら、やはり信用も満足もできないですよね?

それと同じことを塾を使ってやらないでください。

常識と良心があればそんなことはしないはずですし、それしかできない程度の力量なら、そんな塾は必要ありません。

 

もちろん、そうとは知らず無意識にこういうやり方をしてしまっていた塾や教師の方もいるでしょう。

知ってしまったからには、常識と良心があればそれを続けることはできないはずですよね。

ぜひ、あるべき道に戻り、生徒や保護者に感謝されるような塾や教師を目指して、ゴールの無い道のりを歩み始めてくださいね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

予習型と復習型の塾の選び方

 

自分のやり方に自信のありすぎる塾

私もいつも偉そうに書いていますが、実は自分のやり方に自信があるわけではありません。

そのため、私が普段している具体的な教え方や勉強法はほとんど書いていません。

これは出し惜しみではなく、自信が無いから出せないのです。

99%うまくいく方法でも1%の被害者が出る可能性はあるわけで、50%程度の方法論など恐ろしくて出せないのですね。

(特に、私の場合は相手の状況に合わせてというのを強みにしているため、それができないブログやメールマガジンで紹介しても、他のプロの方から見ると大変お粗末なことになってしまうはずです)

 

しかし、なぜか塾や教師は、大した根拠も無いのに自分のやり方に絶対の自信を持っています。

そして、そういう指導者ほど、概して反省をしません。

そういう方は、そもそもこんな他人のブログなど読まないでしょうが、仮に読んでも、絶対に自分のことだとは思いません。

もし今あなたが「自分にも当てはまるところがあるかもしれない」と思っているとしたら、逆説的ですが、おそらく当てはまりはしませんから大丈夫です(笑)

 

そして、こういう人のとる指導が、まさしく上で触れた「全員一律の指導」なのです。

たった1つのやり方を全塾生に適用するようなやり方は、自分が絶対的に正しいと思っているからこそできる、傲慢なやり方なのですね。

 

もちろん、そんな意識無しでされている方もいると思います。

そういう方はただ未熟なだけで、こうしたことを学んだり、聞かされたりする機会が無く、あくまでも成長途上なのでしょう。

ただ、道を誤ったまま進めば必ず悪質な塾や教師になりますから、もし引っかかるところがあるなら、ぜひ立ち止まって方向転換をしてください。

それができる教師こそ求められているのですし、それができる塾しか生き残れない時代がすぐ先に来ているのですから。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

良い塾の選び方・見抜き方 塾選びの判断基準

 

勉強だけ、または、勉強以外のことだけに自信のある塾

自信を持ちすぎるのはいけませんが、自信が全く無いのも健全とは言えません。

生徒に自信を持たせることが大切なように、塾や教師も一定の自信は必要です。

問題は、その自信が多くの場合で偏ってしまっていることです。

 

生徒も保護者も、成績の上がる塾を求めているのは事実です。

高いお金をとっておきながら、全く成績も上がらず、何の有効な対策も示さないのでは詐欺に等しいですよね。

しかし、成績を上げるだけならそれほど難しいことではありません。

それこそ、ブログの中でご紹介したように、「テスト範囲の問題やワークをコピーし、数ページごとに分けて毎日テスト形式で覚え、満点になるまで何度もやり直し続ける」だけの単純な指導でもすぐにある程度の結果は出ます。

あとはこれを日数や期間を決めて、1日いくつとペースを決めて計画的に行うことをすれば、基本の勉強法としても成立しますよね。

 

しかし、こんな指導は素人同然の、力のある塾なら当たり前にしている指導であり、上で言う選択肢の1つに過ぎません。

ご家庭で実践しやすいため過去に紹介したわけですが、そもそも私の嫌いな生きる力を育てない短期的指導ですから、私自身は極力選択しない方法です。

家庭学習の方法論の少ない学校ならともかく、塾では大きく採用すべきでない方法でしょう。

 

そもそも、短期的指導で何とか勉強だけをできるようにさせる塾を、生徒も保護者も心からは求めていません。

勉強も上げた上で、長期的に見た知識と知恵を養い、将来子供が少しでも幸せに生きる力を願っているものです。

本来、教育とはそういうものですよね。

 

しかし、これを逆手にとって、勉強以外のことだけに自信を持つような状態も危険です。

そういう自信を持っている塾や教師は、得てして、成績を上げられないことの「逃げ道」にしていることが多いです。

それこそ、面倒見が良いことを売りにする塾は多いですが、「成績を上げ、その上で他の力も伸ばすような本当の意味で面倒見の良い塾」は少ないです。

それこそ、「成績も上げずに、ただ面倒を見ているだけ」になっているものですよね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

中学生対象の塾を利用する際の注意点

 

志の無い塾

志と言っても、「未来の日本を支える人材を育てる!」のような大風呂敷を広げる必要はありません。

そういう大げさなことを言う人に限って、内実はひどい詐欺的な指導をしているものですよね。

 

ほしいのは、もっと基本的なところの志です。

それはすなわち、上に書いてきたようなことを、言われるまでもなく当然のこととして実践し、さらにより良い形を目指していくような心意気と気概ですね。

そして、生徒の将来に通用する力を育てるだけでなく、家族はもちろん、これからその生徒が関わるであろう多くの人々にとって価値ある存在となれるような手助けをしていくことです。

 

ただし、高い志を持っている人ほど謙虚な方が多いですから、分かりやすく表に出てこない面もあります。

それでも、隠そうとしてもにじみ出てくるものはあるはずです。

直接会うにしても、ホームページやブログを見るにしても、そうした志を感じ取れるかどうか、それとも上で見てきたような浅い思いでやっているかどうかを見抜くようにしてみてください。

実際、上の5つに当てはまるような塾は、本来恥じて隠すべきこうしたことをまるで「功績」や「強み」であるかのように紹介し、報告や自慢をするものですからね。

それで騙されるご家庭がいるため成り立っている面もあるのですが、最終的に苦しむのはやはり生徒でありご家庭です。

この点を意識するだけでも、はずれの塾はかなり避けられることでしょう。

 

一方で、志はあるのに、技術や情報が無いために心ならずも上のような指導をしてしまっている塾もたくさんあると思います。

もちろん、現実の行為がそうなっていれば同罪ですが、きちんと軌道修正をして、将来に正しく歩んでいく気持ちさえあれば、必ずや良い塾になっていくはずです。

私も未だにそうですが、最初は誰もが未熟であり、低質な指導しかできないのですから、そこは目の前の生徒や保護者に心の中で謝りつつも、正しい選択眼とたゆまぬ努力で益々のスキルアップをされていってください。

それを日々還元していけば、加速度的に指導力も向上し、目の前の生徒や保護者の方の力になれる状態に近づいていきます。

そうすれば自ずと塾の評価も高まるでしょうし、営業努力もその上でしてこそ、効果の面でも社会にとっても意味あるものとなるのですから。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

定期テストの過去問演習は効果があるのか

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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