ネットを検索すると、転塾についての情報がたくさん出てきますよね。

もちろん、その中には正しい情報もたくさんありますから、そういうものは参考にしてもらいたいです。

 

ところが、転塾や塾選びに関する記事の中には、結構(かなり)うさんくさいものが多いです。

実のところ、教育関連の話題で検索エンジンに上位表示されるのに、記事の正しさはあまり関係がありません。

特に最近は、有名なサイトが評価されやすくなったこともあり、私のようにほそぼそと運営しているサイトは、検索で上位表示されにくくなってきました。

代わりに、間違った情報やウソの情報が上位表示されているのを見ると、何ともやりきれない気持ちになります。

 

そこで、検索で上位表示されたサイトたちを眺めていき、「これはさすがにまずいだろう」というのを取り上げていこうと思います。

ウソや間違った情報に踊らされてしまわないよう、情報収集の際の参考にしていただければ幸いです。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

良い塾の選び方・見抜き方 塾選びの判断基準

 

子供に原因がある場合は、転塾しても意味が無い

これはとてもよく見かけるものですね。

  • 子供が塾の宿題をやってこない
  • やる気がなくて授業を聞いていない

子供がこうした状態では、いくら新しい塾に移っても、成績は上がるはずもない!

・・・と言われれば、納得する人のほうが多いでしょう。

 

しかし、実を言うと、「塾の指導がまずいせいで、これらの状態になってしまっている」場合もあるのが本当のところです。

 

これは自分が子供の頃を思い出してみてほしいのですが、宿題をやるかやらないかや、どれだけ丁寧にやるかは、先生によって変わることが無かったでしょうか?

好きな先生や厳しい先生の宿題は丁寧にやる一方で、嫌いな先生や分かりにくい先生の宿題は雑にやるという生徒は、実際に教えていれば山のようにいます。

もちろん、成績優秀で品行方正な子供時代を過ごした方には分からないかもしれませんが(笑)、心あたりのある方はきっと少なくないはずです。

 

それに、授業が分かりにくければ、それを踏まえて出される宿題は、やろうと思ってもできないということになりますよね。

宿題を「できるのに、やってこない」生徒もいますが、宿題が「できないから、やってこない」生徒もいることを、塾に通わせていると「そんなはずがない」とばかりに、忘れてしまいがちです。

しかし、基本的に子供が「宿題をやってこない」時は、先生の側にも一定の問題があるケースが多いのですね。

 

同様に、授業を聞いていないのも、あまりに授業がつまらなくて分かりにくければ、聞く気があっても途中で嫌になってしまうのが当たり前です。

プロの感覚からすると、「授業くらい聞かせられないのか・・・」と呆れてしまうところなのですが、これを理由に「だからお宅のお子さんは成績が上がらないのです!」と言い張る塾や先生がいるのは、良い度胸をしているなと思います。(もちろん皮肉です)

そもそも塾に来ることすらしない・・・ならともかく、ちゃんと来て、机に座って授業を聞いてくれているなら、そこから先は教師の腕の見せ所なわけで、それを「やる気がないからだ!」と生徒のせいにするのはどうなのでしょう。

笑いたくて落語を聞きに行っているのに、全く面白くなくて白けていると、その落語家が「聞く気がないなら帰れ!」「楽しもうという気持ちが弱いのだ!」などと言い出すのと同じようなものだということに、ぜひ気づいてもらいたいものです。

 

ただし、指導力の低い塾のほうが圧倒的に多いのが現実ですから、こうした状態の子供が他の塾に行っても、やっぱりできるようにならないという点については正しいです。

そのため、ちゃんと良い塾を見つけるか、それが無理なら、先に子供の側の問題を改善してから転塾するようにしましょうね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

成績の上がらない塾を変えるかどうか迷う時の判断基準

 

受験学年での転塾はおすすめしない

これは、今が良い塾であればそのとおりです。

しかし、転塾を検討している人は、今が良い塾では無いわけで、合わない塾に通っているか、場合によっては、今すぐ辞めるべきはずれの塾に通っていることもあるでしょう。

そういう前提で言うと、「受験学年での転塾はおすすめしない」は間違いとなります。

 

受験学年でも、今の塾に問題があるのであれば、夏休みまでは積極的に転塾しても大丈夫です。

新しい塾に合うかどうかの不安はもちろんありますが、はずれの塾に通い続けるデメリットのほうがはるかに大きいですからね。

それに、春期講習や夏期講習などを利用すれば、新しい環境に入ることへの負担も減らすことができます。

 

また、中3の途中で変える場合は、個別指導塾か家庭教師が良いというのも、あまりそうとも言えません。

人気の先生は受験まで続けて指導をしますから、期の途中で空いている先生は、もともと人気が無かった先生や、途中で変えられた先生ということも多いです。

一方で、集団指導は融通がきかないという点で大きなリスクがありますが、当たりの先生も含めて、期の途中でも関係なく教えてもらえる可能性があります。

結局は、良い塾・良い先生が見つかるかどうか次第ですから、塾のタイプで決め打ちすること自体を、やめておいたほうが良いでしょう。

 

なお、中学生対象の多くの進学塾は、1年間や3年間のカリキュラムで動いているため途中で入っても遅い・・・などと言いますが、これはポジショントークに過ぎません。

途中入塾されて困るところは、そのきっかけとなる夏期講習や冬期講習も開かないわけで、そこで途中入塾を受け付けているのであれば、最初からそれを想定しているということです。

実際に中3の途中入塾を受け付けない塾など、本当に数えるほどしかないですから、そういう筋の通った塾以外は、途中で入ってもそれほど問題はありません。

ただし、途中で入っても大丈夫なことと、途中で入った生徒をちゃんと見てくれることとはイコールでは無いですから、そういう意味でもしっかりと塾選びをしましょう。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

高校受験前の進路指導の裏側と心構え

 

転塾は1回まで

転塾は子供にも家計にも負担になりますから、少なくて済むならそのほうが良いです。

しかし、「次はもう転塾させないから、ここで最後まで頑張るように」と事前に約束させて、無理やり1回で済ませるようなのはやめておきましょう。

 

飽きっぽい子供に対し、予防線としてこういった約束をすること自体は構わないのですが、これは本質ではありません。

ここで大切なのは、「良い塾に当たったから、もう転塾の必要が無い」という状態にすることであり、次も悪い塾になってしまった時に、それでも無理やり続ける状態にする可能性を作るのは本末転倒です。

そのため、本当に必要なのは子供と何らかの約束をすることでもなければ、子供に次の塾で頑張るのを強いることでもなくて、子供が自然とそうなるような良い塾を見つける努力です。

つまり、転塾の必要がない塾を見つけるように子供が(子供だけでは無理なら親が)頑張る状態を作ることであり、そのための情報収集なり工夫なりをするということですね。

 

英単語や漢字を覚える際に、「必ず何回書きましょう」と指定するのは非合理的ですよね。

それと同じで、転塾に回数を決めるのは愚かなことですから、はずれの塾に当たったのならさっさと見切りをつけて、遠慮なく次の塾を見つけましょう。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

成績が上がる塾とは?

 

転塾すべきは「子どもの勉強のモチベーションが下がっているとき」

「成績が下がり続けている時」「ちっとも指導成果が上がらない時」というのは納得ですよね。

一方、子供のやる気に注目して、「モチベーションが下がっている時」というのも、転塾のタイミングの1つと言えます。

 

ただし、こちらの理由で転塾する場合は、塾選びの際に1つ大きな注意点があります。

それは、かなり多くの塾が「子供の勉強のモチベーションを上げるのは塾の仕事だ」とは思っていないことです。

 

もちろん、「うちの塾に入るとやる気が出る」「子供にモチベーションをかけるのが得意です」などと売りにする塾は多いですよ。

しかし、売り言葉はあくまでも宣伝文句であって、実際の指導がどうかは別ですよね。

実際に、かなり多くの塾が、面談などで「本人にやる気が無いのでいくら教えても無意味です」「頑張って指導していますが、本人がやる気を出さなければこれ以上は伸びません」などといったことを平気で言います。

要は、多くの塾が「うちがする一般的な指導の範囲内でやる気が出ないなら、それは生徒の問題だ」と考えているわけで、本当の意味で「子供をやる気にさせるのも塾の役割だ」とまでは考えていないわけです。

 

そのため、モチベーションが低下している時に、「他の塾に移って、やる気を取り戻そう」と考えること自体は良いです。

しかし、移った先の塾が、モチベーションスキルに長けたところで無い限り、「移った後、環境が変わってしばらくはやる気になったけど、やっぱり元通りになった」となる可能性がかなり高いです。

そういう意味で、やる気を理由に転塾するなら、「子供の勉強のモチベーションを上げるのは塾の仕事だ(先生の指導力次第だ)」と考えている塾や先生を選ぶようにしたいですね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

予習型と復習型の塾の選び方

 

転塾するメリット モチベーションが上がりやすい

これはウソですね。

上で書いたとおり、環境変化により一時的に上がりやすいだけで、中長期で続くかどうかはまた別問題です。

そして、マラソンの途中でいきなりダッシュをすると、余計に息切れしてしまうことがあるように、途中で一時的・ドーピング的にモチベーションを高めるのは、ある種の危険を伴います。

特に、転塾先が悪かった場合、前よりもやる気を失って、回復が困難になってしまうようなケースもあります。

もちろん、転塾先が良ければ、モチベーションアップはそのまま続きますから、ぜひ子供に合った良い塾を選んでくださいね。

 

個別塾と集団塾だと、個別塾の方が成績が上がりやすい

個人的な経験(しかも少ない)だけを元にした、全く何の根拠も無いデマですね(笑)

ただ、もともと成績の良い子ほど集団塾に行き、もともと成績の悪い子(=上昇余地が大きい)ほど個別指導塾に行くため、確率的にだけ言ったら、個別指導塾のほうが成績は上がりやすいです。

しかし、だからと言って、「個別塾から集団塾に変えると成績は上がらない」というのは当てはまりません。

もちろん、「集団塾が合わなかったので個別塾に変えた」「個別塾から違う個別塾に変えた」からと言って、成績が上がるとも全く限りません。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

個別指導塾の選び方

 

転塾は自宅からの距離も重要

「自転車で**分以内の場所を選ぶ」などは、根拠も何も無い、個人的な意見・・・というより感想ですね。

近い塾のほうが良いのはそのとおりですが、近くに良い塾・子供に合う塾が無ければどうしようもありません。

また、都会だと選択肢がたくさんありますが、地方になればなるほど、距離に贅沢は言ってられなくなりますよね。

 

そもそも、自宅からの距離は、塾の質にも、転塾が成功するかどうかにも全く関係ない要素です。

単純に、送迎ができるかどうかや、帰宅時間が何時になるか、子供の体力的にどうかといった視点で、別物として考えましょう。

 

転塾の見極めのポイントは「授業についていけるか」

これは正しいです。

集団塾の場合、授業についていけない塾に通う意味はほとんど無いですから、それが分かった時点で転塾しても構いません。

ただ、中学受験や、高校受験でも上位の生徒の場合は「頑張ってもついていけない」という基準で判断して良いですが、一般的な中学生の場合は「頑張ってどうにかついていける」というレベルで粘るのは、やめておいたほうが良いです。

授業進度や宿題量など、ぎりぎりどうにかこなしているような状態は生徒の側に負担が大きく、たとえ学力的にはキープてきていても、他のところで齟齬が生じやすいです。

そういう環境が肌に合う一部の生徒は良いですが、最近のストレスフルで打たれ弱い多くの子供たちには厳しいですから、個々の生徒の状況に応じて判断しましょう。

 

一方、個別指導や家庭教師の場合は、こんな事態になることはほとんど無いですが、もしなったら、すぐに担当を変えてもらいましょう。

ちなみに、個別指導塾の中には、個々の生徒に合わせるのではなく、予め決めたカリキュラムに沿って、指定の教材をこなしていくというタイプのところもあります。

もちろん、そういった「形式は個別指導だが、やっていることは集団指導と同じ」タイプの塾も、集団が苦手な生徒などにとっては有用な存在です。

しかし、「生徒一人ひとりに合わせて」「オーダーメイドで」などと謳いながら、実際は全くそうなっていない悪質なところもありますから、しっかりと見極めて利用しましょう。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

学生バイト講師は良いか悪いか?

 

入塾してから3ヶ月から半年間は様子を見る

塾を辞めるか続けるかを判断する際に、入ってから何ヶ月を基準が目安にすれば良いでしょう?

一番多いのは「半年間」で、その根拠は、成績の変化が出るまで3ヶ月から半年かかるというものですね

 

昔から、半年間(6ヶ月)というのはよく見かけましたが、3ヶ月というのを見かけるようになったのは、わりと最近です。

実は、この3ヶ月というのはだいぶ前に私が言い出したもので、その当時だと、この数字は他のところでほとんど見かけませんでした。

それが普通に見かけるようになったのは、自分の意見が普及してきたという点では嬉しいのですが、引用された側のほうが検索エンジンに低く評価されているというのは、どうにも微妙な感じです(苦笑)

3ヶ月の理由までちゃんと書いているのは、今でも私くらいしかいないように見受けますが・・・検索エンジンの信頼性というのはこのあたりが限界なのでしょうね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

塾に「成績が上がらない」と相談したら、授業数を追加するよう言われた

 

授業見学をさせてくれない塾は選択肢から外す

今では、授業見学や体験授業が当たり前になりました。

そのため、授業見学を拒否するような塾は、何かしら問題があるところだ・・・というのも、一概に間違いとは言えません。

実際に、密室の中で外に見せられないような指導をしているケースも無いわけではないですからね。

 

ただ、説明会や教室見学まではさせてくれるのであれば、授業見学や体験授業をしないとしても、絶対にはずれとも言い切れません。

何しろ、体験授業のほうは、化粧品などで言うサンプルのようなものですが、サンプルを配るかどうかは販売者の自由であり、「サンプル配布が無い=はずれの化粧品」ということは無いですよね。

むしろ、広告宣伝費を大量にかけられる大手がサンプルを配りまくる一方で、口コミや昔から評判の良い化粧品にはサンプルが無い・・・という場合もあるわけで、そこの仕組みは塾も同じです。

 

ちなみに、私自身は基本的に授業見学や体験授業には否定的です。

それはもちろん、授業がお粗末で見せられない・・・というわけではなくて(笑)、ひとえに「塾に通っている生徒に影響するから」です。

考えてもみてください、学校の参観日でも子供たちはあれだけ普段と違う様子になるのに、塾の授業見学でも全く同じということは無いですよね。

それによって塾生の学習パフォーマンスがたとえ数%でも低下するのだとしたら、わざわざ塾の子供たちを犠牲にする危険を冒すのは馬鹿げています。

また、体験授業にしても、全く知らない生徒や、今後仲間に加わるかどうかも分からない生徒と一緒に授業を受けて、普段の環境で授業をするのと同じパフォーマンスが発揮できるかと言ったら、やはりいくらかはマイナスになります。

普段から、1%単位の効果や、秒単位の効率アップを求めるような次元で指導しているのに、外部の生徒のためにわざわざパフォーマンスを下げるようなことをするのは、あまりに愚かなことですよね。

授業見学や体験授業は、要するに「外部の見込み客」を優先する施策であり、本当に純粋に今いる生徒のことを考えたら、不要なはずのものです。

そうした観点から、塾生たちの授業には影響が無い、教室見学(授業時間帯以外)や説明会、面談などは歓迎しますが、授業見学や体験授業には否定的というわけです。

こういう先生は珍しいと思いますが、私だけでは無いはずですから、授業見学や体験授業を断るからと言って、必ずしもはずれとは限らないことは、そういった塾や先生たちのためにも、付け加えておきますね。

 

おまけ

今回、検索順位10以内のサイトを見比べてみましたが、なんと別のサイトの記事を盗用(明らかに引用のレベルを超えている)ところがありました(苦笑)

そんなサイトを上位表示するのですから、いかに検索エンジンがあてにならないか、身にしみて分かりました。

そして、そのサイトというのが、最近かなり有名な企業で・・・あまり印象がなかったのですが、悪い意味ですっかり見方が変わりました(笑)

もちろん他にも、盗用まではいかないまでも、一時期かなり問題になったまとめサイトに近い、他のサイトから寄せ集めただけに近い内容のところもあり、何とも切ない気持ちになります。

 

実のところ、我々プロの立場からすると、書かれた記事を読めば、その書き手の指導力がどの程度かや、実際に持っている指導経験やバックグラウンドがどのくらいかはおおよそ想像がつきます。

しかし、指導力の低さがビシビシと伝わってくる書き手や、そもそもこの業界に関するバックグラウンドが無いであろう書き手が多く、そういうところが上位表示されているのは、重ねて切ない気持ちになります。

得手不得手がありますから、指導力が低いのはしかたないにしても、さすがに素人がどこかから引用してきて書いたような記事は外してほしいなと、叶うはずもないことを願って終わりにしておきます。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

こんな塾には預けるな

The following two tabs change content below.

楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

おすすめコンテンツ

楠木塾 メール会員
楠木塾 メール会員