• 「たった1ヶ月で偏差値が30アップした勉強法!」
  • 「**を教えただけで、定期テストが100点アップ!」
  • 「今まで落ちこぼれだった生徒が大逆転合格!」

教育業界の周辺では、こういった怪しげ(?)なキャッチコピーが溢れかえっていますよね。

試しに何か検索でもして辿り着いた先のサイトで、プロフィールなどでも見てみれば、こういった記述が高確率で見つかるはずです。

ただ、こういったものは、真に受けないようにしておきましょう。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

こんな塾には預けるな

 

偏差値アップくらいは、取り立てて騒ぐほどのことでもない

実際に、たくさんの生徒を教えていると分かりますが、別に教える側の指導力があまり高くなくても、偶然伸びる生徒というのは必ずいます。

例えば、100人教えて、その全員の偏差値が30アップしたなら、それはとても驚くべき成果ことです。

しかし、100人教えて、そのうちのたった1人の偏差値が30アップしただけだとしたら、感じ方は違ってきますよね?

しかも、他の99人は大して上がっておらず、むしろ大きく下がった生徒もたくさんいて、たった1人の生徒がたまたま運良く上がっただけ・・・だとしたらどうでしょう。

 

こういったキャッチコピーは、100人、200人・・・と教えていて、そのうちのたった1人がうまくいっただけでも書けてしまうものです。

そして、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ではないですが、たくさんの生徒を教えていればいるほど、そういったレアケースは自然と増えていくわけです。

つまり、たった数人の成功例のために、うまくいかない生徒たちを犠牲にして、下手くそな指導を撒き散らしている先生でも、こういった実績が手に入ってしまうのですね。

 

それに、その生徒には、学校、塾、家庭教師(さらには、保護者や友達なども)・・・と、たくさんの人たちが関わっているわけで、その先生が独力で出したものとも限りません。

そんな、たまたまのレアケースかもしれなければ、本当にその先生のお陰かも分からない曖昧な成果で、堂々と自己アピールをするような人をどう思いますか?

 

何より、一定以上の指導力がある先生たちからすると、点数アップや逆転合格などは毎年恒例のことで、いちいち取り上げるほどのことでもありません。

毎日、普通にお風呂に入っている人が「たった1ヶ月で、入浴日数が2倍に!」などと誇らないように、当たり前のことでわざわざ騒ぎ立てたりはしないのですね。

 

例えば、それまで420-430点台だった生徒が、1ヶ月程度教えた途端に470-480点以上をとって学年1位や県1位になったらすごいでしょうか?

こういうことは実際に何度もありましたが、個人的には「その生徒たちがもともとできる生徒だっただけで、たまたま点数を伸ばすきっかけに私がなっただけ」だと思っています。

同じことを全ての生徒で実現できれば私も多少は自慢するかもしれませんが(笑)、全員が1位になれるはずもなく、さすがにあり得ませんよね。

また、定期テストで言えば、平均で50点以上アップくらいはしていましたが、これも所詮は平均であり、100点以上アップした生徒もいた一方で、数点しか上がらない生徒もいたものです。

そう、全ての生徒がそうでない以上、どこまでいっても所詮は「たまたまうまくいった成功事例の1つ」に過ぎないのですね。

(もちろん成功事例が1つも無いよりはマシですが、そこに生徒や保護者が感じるほどの大きな価値はありません)

 

たくさんの中から、たまたまうまくいった数少ないレアケースを大きく取り上げて、それを誇る指導者がいます。

うまくいくケースが特に珍しくないために、わざわざ誇ったり自己宣伝したりするのは感覚的にあり得ないと感じている指導者もいます。

どちらが本当に成績を上げてくれるのか・・・をよく考えて、頼る相手を決めるようにしたいですね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

偏差値の正しい受け止め方と塾選び

 

公式を覚えただけで劇的に成績が上がった!?

ほんのちょっとしたことで、ものすごく成果が上がった風の宣伝文句も多いですよね。

しかし、こんな勉強法(指導法)は実際にあるのでしょうか?

答えは「ある」です。

 

実際の指導内容が「公式を覚える」だけとは限らず、覚えた公式の使い方や、その公式を使う問題の見分け方、答案の作り方や問題演習まで指導している場合もあります。

しかし、本当に「公式を教えるだけ」で、劇的に成績が上がる生徒も存在します。

 

「その生徒に才能があったから?」

はい、半分正解です。

 

もちろん、本当に才能のある生徒は、はじめからそんな悪い成績は取りませんが(笑)、いろんな理由で才能が埋もれてしまっている生徒は結構います。

そういうケースで、ちょっと歯車が噛み合うだけで、驚くほど伸びることというのはいくらでもあります。

ですから、「才能があったから」という指摘は半分当たっています。

半分なのは、単純に「別に才能など無くともできるようになる生徒がいる」からです。

 

ここで「才能」というほど大げさなものを持ち出さなくても、肝心の知識や技能が一部だけ欠けている生徒というのは意外とたくさんいます。

ちょうど授業を欠席したり、そこだけ寝ていたり、たまたまやる気がなくて聞いていなかったり。

ちょっとした誤解や勘違いで抜けている場合もあります。

理由はいろいろですが、そういう生徒はその「一部」を埋めれば、するするとできるようになることがほとんどです。

ですから、「偏差値」と「公式を覚えた」という断片的な事実だけを見て、「すごい勉強法だ」「すごい先生だ」「すごい塾だ」と思うのは大間違いなのですね。

 

そもそも、本当に力のある先生は、そんな一部の生徒にしか当てはまらない特殊なケースを取り上げて誇りはしません。

そういう一部だけ抜けのある生徒が、そこを埋めることでできるようになるのは、指導をしていれば「ごくごく当たり前のこと」です。

それをすごいことのように書き立てたり言い立てたりすること自体がとても滑稽なことですよね。

 

何より、その「抜け」は生徒によって違うことであり、他の生徒にそのまま当てはまることのほうが少ないです。

そんな特殊な具体例を大げさに取り上げれば、それが当てはまらない生徒たちに「自分もそうすれば上がる」という大きな誤解を撒き散らします。

力のある教師が、そんな危険性をわざわざ犯すはずも無いわけで、そんな無駄なことをしている時点で、力が無いことを示してしまっているとも言えるのですね。

**だけで成績が上がる生徒の共通点ちなみに、「公式を覚えただけで」「単語を覚えただけで」のように「**の指導をしただけで」伸びる生徒には、いくつかの共通点があることが多いです。

例えば、「特に悪いのは1つか2つの教科で、他の教科はかなりできる」というもので、数学だけ40点で、あとは80-90点以上という生徒などですね。

私に言わせると、こういう生徒はほぼ確実に、残りの1教科を格段に伸ばすことができます。(むしろ伸ばせないとしたら、その教師は力量不足といって良いでしょう)

 

他にも、勉強は頑張っているけれども、やり方が噛み合っていないせいで、素質や頑張りに見合わない点数しかとれていないタイプの生徒もそうです。

挙げていけばきりが無いですが、こういう上がりやすいタイプの生徒がきたら、塾としてはかなり美味しいわけです。

何しろ、教える前から広告塔になってもらえるのが分かりきっていますからね(笑)

しかし、そんなことさえ気づかずに普通に指導して、たまたま伸びて、「私の指導成果だ!」と思ってしまう教師ほど滑稽なものはありません。

 

教師の力量が与える差は確かに大きいですが、やはり生徒の力量や頑張りあってこそですよね。

自分の成果と考えるのではなく、まずは「生徒に原因や理由があるのではないか」と考える姿勢を大事にしたいものです。

 

ですから、こういうことを軽々しく言ったり、宣伝材料にしているような教師やその著作物(サイトや本や教材など)は、そのままは信用しないようにしましょうね。

ただし、相性が合えば、その「たまたま上がる生徒」に自分がなれる可能性もありますから、完全否定もやめておきましょう(笑)

 

何事も広い視野で受け止めたいものです。

本当に、人生は常に勉強ですね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

良い塾の選び方・見抜き方 塾選びの判断基準

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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