塾選びに関するメッセージ

こちらの記事を拝見して、塾を選ぶのって本当に難しいんだなあと感じました。

春休み中には、子供の友人数人が効果が出なかったということで転塾し、またママ友数人には
「まったく成績に変化はないまま月3万近く払い続けていて、これでいいのかと思う」
「成績表では3のまま全く変化はないけど、やめたらこれが下がるのか?と思うと動けない。3を取るのに何万も掛かるのは仕方ないのか?」
「転塾したいが子供がここの塾じゃなきゃ行かないという」
「塾に成績の件で文句を言ったら、家でやらせてないのが悪いと怒られた」などと聞かされました。

勿論、着実に効果を上げてるお子さんも多いですが、全く効果無しという話も想像以上に多く、この地域にまともな塾って何軒あるの??と思っちゃいました。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

成績が上がる塾とは?

 

塾長からのお礼とメッセージ

メッセージをお寄せいただき、誠にありがとうございます。

まさしくおっしゃるとおりですね。

何度か「塾選び」についての記事を書いてきましたが、そもそも「地域内にまともな塾が無ければ話にならない」という大前提があります。

いくら理想的な塾があったとしても、通える範囲に無ければ、それは「無い」のと同じですからね。

 

そういう意味でも、同じ思いの親御さんは大変多いかと存じます。

せっかくですから、「 」の1つ1つにお答えさせていただくとしましょう。

 

「まったく成績に変化はないまま月3万近く払い続けていて、これでいいのかと思う」

全く良くありません。

塾の指導力と料金は必ずしも比例しないのですが、「成績に変化が無い(前向きに受け止めるなら、維持ができている)」程度であれば、1.5-2万程度が相当でしょう。

月3万もとるのであれば、せめて少しは上げてもらわないと見合いません。

(ちなみに、月3万が月謝のところであれば、教材費等を含めた総支払額は、月4万円を超えると思って良いです)

 

ただ、現実には授業時間(=人件費)やブランド(づくりのための宣伝費)などと言った、指導の中身とは関係の無いところで決められていますからね。

まず「長時間教えれば高い授業料をとれる」という発想から、「より短い時間で高い効果を出せるほうが高い授業料をとれる」という発想に、親御さんと業界の両方が改めていく必要があると思います。

本来であれば「長時間教えなければ成績が上がらない」のは、むしろ「指導力が無い」ことを示しているのですから。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

成績の上がらない塾を変えるかどうか迷う時の判断基準

 

「成績表では3のまま全く変化はないけど、やめたらこれが下がるのか?と思うと動けない。3を取るのに何万も掛かるのは仕方ないのか?」

他の塾に移ると言う事であれば、塾選びさえしっかりすれば、上がることはあっても、下がることは無いでしょうね。

辞めて、家で遊んでいるようなら下がってもおかしくは無いですが、塾を辞めたことで危機感を感じて、家庭学習を頑張るようなら上がる場合もあります。

 

もちろん、3を取るのに何万も払うのは、しかたないはずがありません。

効果の無いダイエット薬を買うようなもので、「気休め」ならば自由にしていただいて構わないのですが、効果を願うのならば「それは無い」です。

 

「転塾したいが子供がここの塾じゃなきゃ行かないという」

このケースはとても多いです。

これは、生徒がなぜそこに通い続けたがるかを確認してから、それに応じて説得が必要です。

 

ちなみに、実際は「友達がいるから」「通い慣れているから」「奨められている他の塾が今より厳しいから(今のほうが居心地が良くて楽だから)」がベスト3でしょうか(笑)

もちろん、どれも塾選びの本質的な理由では無く、こうした理由の生徒は移った先の塾の環境に慣れてしまえば、今度はそれが当たり前になってしまうことがほとんどです。

 

ただ、本当に行かせたい塾(行かせる価値のある塾)があるならば、体験授業でも面談でも説明会でも良いですから、とにかく1度先生に会わせてみることですね。

そこで話を聞けば、うまくいくと「こっちの塾で頑張ってみる」と言いますし、最低でも「試しに通ってみようかな」くらいは言うようになります。

後は通い始めてしまえば、慣性の法則では無いですが、それが当たり前になっていくのが子供と言うものです。

 

この慣性・・・よく言えば習慣、悪く言えば惰性をうまくコントロールするのは、親の重要な役割の1つですね。

慣性は環境に大きく左右され、そして、子供は環境を選べないのですから。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

転塾のウソ 塾を変えるときの判断のポイントや注意点

 

「塾に成績の件で文句を言ったら、家でやらせてないのが悪いと怒られた」

これが最も悪質ですね。こういう塾はすぐに辞めたほうが良いですよ。時間とお金の無駄です。

その言葉が「家で勉強していないのが悪い」ならば、課題を与えていても生徒がやってこないなどの様子も思い浮かぶため、まだ同情の余地はあります。

しかし、「家で勉強させていないのが悪い」となると、最早完全に指導放棄に等しいですからね。

そんな塾は廃業すべきです(苦笑)

 

もちろん、塾だけで全ての指導をするのは無理ですから、ご家庭に責任の及ぶ部分は必ずあります。

しかし、それは主に日常生活や環境づくりの面であって、「勉強させる」と言う最も塾が関わるべきところを親に求めるなど話になりません。

そんな塾では、成績アップは諦めて、反抗期のお子さんとの関係改善目的に割り切ったとしても、全く役に立たないでしょう。

厳しい言い方になりますが、業界健全化のためにも、少しでも多くの生徒たちが、その塾から一刻も早く辞めてくれることを願います。

 

ただ、「全く効果無しという話も想像以上に多く」については、実はよく考えてみると、想像の範囲内であると言えることに気づかれると思います。

なぜなら、今はほとんどの生徒が塾に通っているわけで、つまり「塾に通った状態でようやくプラスマイナスゼロ」と言えるからですね。

成績は多くの場合で「相対的」なものです。仮に日本中の生徒が10年前よりも平均点で100点アップしていたとしても、100位の生徒は100位ですし、最下位の生徒は最下位ですよね。

昔ならば「塾に通えば、他の生徒と比べてそれだけで有利」だったのですが、今は「塾に通ってようやく互角の状態」ですから、「塾に通えば成績が上がる」と考えるのは少々無理があるわけです。

 

ただし、実際の塾には、そこまで大きな効果が無いのも現実です。

中には、通っているほうがマイナスとなるようなひどい塾も多いですしね。

 

それも当然で、教育業界と言うのは、教師経験も無い他業種の人が、フランチャイズでいきなり起業して「塾長」と呼ばれる世界です。

さらに、その人がバイトを使って教えるのですから、これ以上薄い指導などあったものではありません。

 

これを病院で例えると、診察や手術の経験の無い研修医が院長で、その研修医に教わった医学生たちが診察や手術をしてくれるような恐ろしい状態ですね。

そんな病院に通いたいと思いますか? いえ、たとえ通いたいと思ったとしても、そんな病院では存続できませんね(笑)

ところが、塾ではそれが存続できてしまいますし、それどころか他の塾と変わらない月謝をとって、他より多数の生徒を集めてしまうことができるのです。(そこが指導とは別の集客の技術です)

中には、わざと他より高めの月謝をとって、「ここは良い塾だ」と思い込ませて、多額の利益を得ているような塾もあるくらいですから。

 

もちろん騙すほうが圧倒的に悪いのですよ。

しかし、騙される方は良い悪いに関わらず、自衛するしか逃れる術がありません。

そして、良心的な塾ほど「集客」の技術に無頓着で、悪質な塾よりも目につきづらく、同時に消えていきやすいという問題点も潜んでいます。

 

こうして見るだけでも、本当に問題が山積していますね。

業界の健全化のためにやらなければならないことは無限にあるのでしょうが、自分の影響力の無さと非力さを感じずにはいられません。

いつか、良心的な塾や先生方と力を合わせて、そういった現状を打破できればと思うのですが・・・道は険しいようです。

ただ、今は小さな声ではありますが、こうして警告や啓発のメッセージを届けることだけは続けていきたいと思っております。

 

少しでも参考にしていただけましたら誠に幸いです。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

塾に「成績が上がらない」と相談したら、授業数を追加するよう言われた

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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