塾選びに関するメッセージ

中3、娘のことです。
進学塾にも通い
先生も娘の性格をよく把握しており
親の話もよく聞いてくれます。

個別の塾に(同じ塾内で集団と個別がある)変わったほうがよいか?と塾の先生に相談しましたら、Aさんはすぐにわからなくなったら先生の聞いてじっくり考えないので、個別にいくと余計に考えなくなるから、こちらで指導していきますと言われました。(塾英語の先生)
娘の勉強の様子をうかがっていると、よく勉強はしていますが、どうやら上辺だけを暗記しているようで奥深くまで考えていない。
学校の定期テストでは80点90点をとっていた社会、理科は受験の過去問を解くと偏差値40。びっくりしました。(学校のテストはワークを覚えていればある程度はとれるが受験はそうではないですよね)

本人もショックでどういうふうに勉強したらよいか?悩んでいました。

漢字が苦手で勉強の様子をうかがっていたのですが
漢検の問題集を2ぺージ、意味のわからない漢字があったら辞書で調べてノートに書く、という方法。
意味は調べたが疲れて問題は解かずに寝ていました。
私からみると調べたらすぐに問題を解く。
そして翌日もう一度問題を解く。と根気強くやることを勧めたのですが・・・・

英語は塾の先生が根気強くつきあってくれているのか?偏差値50から57いっており、先生もほかの教科もできるのでは?と言ってくれています。

あきらめずに、根気強く、原理原則を探す?奥深くまで考えるようになるには親としてどう接したらよいのでしょうか?

無理にさせたくはないのですが、せっかく時間をかけて勉強しているのでなんとかなればと思っています。

ただ
娘の自身のことであること、
高校受験だけが人生を決めるわけではないということ、
を考えると
高校や大学生、遅ければ成人してから本人が気が付き自らが変える努力をする。それでもよいのかな?とも思っています。
(親として娘のよいところもわかっているので
そこを伸ばしていき、親が感じる娘の短所は気にしないで本人にまかせる)

とはいえ親として気になって仕方なくもやもやしていますので相談させていただきました。
読んでいただきありがとうございました。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

教えすぎないことの大切さ

 

 

塾長からのお礼とメッセージ

メッセージをお寄せいただき、誠にありがとうございます。

 

お子さんの性格をしっかりと把握し、親御さんの話もよく聞いてくれるとは、良い塾にお通いのようですね。

塾の言うとおりにしたほうが良い場合もあれば、ご家庭の判断でした方が良い場合もあるわけですが、生徒、保護者の両方が信頼できる先生がいる場合には、そちらに任せるのが間違いの少ない選択のしかたです。

そのため、ここでも私の考えや方法論を提示するより、お通いの塾の方針に沿ったアドバイスをさせていただきますね。

 

個別指導と集団指導のどちらが良いか

個別と集団のどちらが良いかは、おそらく先生の判断で良いと思います。

儲け主義の塾は生徒に合う合わないに関係無く、勉強が苦手で手のかかる生徒ほどバイト中心の個別指導に追いやり、単価を上げることを考えます。

確かに、考える習慣の無い生徒を個別指導にすると、力のある先生で無い限り、すぐに答えややり方を教えてしまって、ますます考えない状態になりますから、そういう意味でも指摘は当たっています。

 

定期テストで高得点をとるのに、入試や模試になると全く点数がとれなくなる生徒はとても多いです。

書かれておいでのとおり、学校のテストは直前の暗記を主体にした勉強法で何とかなってしまいますからね。

このことは、いかに定期テスト対策に片寄った勉強が危険であるかを示しており、普段からの長期的な勉強の必要性がお分かりいただけると思います。

ただ、これについてはわりと良くあることですから(笑)、親御さんとしては驚くのも無理は無いですが、実際にはそれほど驚くことでもありません。

本人もショックを受けて当然ですが、これをきっかけにして勉強に本腰が入る生徒も毎年多いですから、落ち込ませるだけで終わること無く、飛躍のための良い機会にしたいですね。

 

ちなみに蛇足ではありますが、上辺だけでも暗記できてしまう力がある生徒の場合は、「上辺だけの暗記でも、入試で得点がとれてしまう勉強法」を教えるのも1つの方法です(笑)

もちろん私の大嫌いな勉強法のため、ここでお教えすることはできませんが、そういう勉強法は存在しますし、プロにとってはそれほど難しいことでも無いですから、お通いの塾で聞いてみるのも良いでしょう。

ただし、今の時点からそんなやり方をしていては、考える力をますます失わせて高校進学後に痛い目を見ますから、正常な感覚の塾や先生であれば、教えてはくれないはずです(笑)

まずは正しいやり方で地力を育てて、どうしても足りない部分を最後に補うような使い方が基本ですから、他の読者の皆様もそこはお間違えの無いようにお願いいたします。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

個別指導塾の選び方

 

信頼できる先生「以外」の教科に注意する

また、かなりのケースで問題となるのが「良い先生が担当している以外の教科」です。

今回は英語の先生が信頼できる方で、実際に英語の成績も他と比べて良いようですから、そちらは心配いらないでしょう。

しかし、英語以外の教科については他の先生が教えますから、上がる保証も無ければ、最低レベルの指導がされている保証もありません。

 

一般的には、良い先生でも「生徒を伸ばせる指導のできる教科が1つ(多くて2つ)」と「伸ばせるかどうかは別として、とりあえず教えられる教科が1つか2つ」程度です。

指導力を身につけるのにもかなりの時間とお金がかかるわけで、私のように5教科全てを伸ばしたいと思って無限の努力も厭わない奇特な教師は極めて少数派ですからね(笑)

それに、教える教科を増やすと、かけられる時間とお金は分散しますから、1つだけの専門を突き詰めた場合に比べると、薄まる部分はどうしても出てきます。

そもそも、1人の先生に全てを教わる必要は無いわけで、専門ごとに力のある先生に教わるのが、生徒にとっても先生にとっても、最も確実で効率も良い方法です。

 

ただ、ここで問題になるのが、ほとんどの塾で本当に「力のある先生」はせいぜい1人か2人しかいないことです。

例えば、今回書かれていた漢字の勉強法は、お世辞にも良いものとは言えず、正直なところ「途中で嫌になってやめてしまう」のが、やる前から明らかな勉強法です(笑)

それを見かねて「調べたらすぐに問題を解こう」と言いたくなる親御さんのお気持ちも分かりますが、苦手な勉強をそんなふうに頑張れるわけがなく、それができる生徒ならば最初から苦手になっていませんよね。

もちろん「根気強くやる勉強法」は効果的であり、理想的な勉強法なのですが、多くの生徒には実践できない「絵に描いた餅」の方法論なのですね。

 

また、「原理原則を探す」「奥深くまで考える」ようになるためにどうすれば良いかとありましたが、とりあえず漢字については順序が逆ですね。

得意な生徒や興味を持っている生徒に調べさせるのは良いですが、苦手な生徒であればまずは覚えさせて、その後で使わせることです。

ただ、そういった力をつけるための素材という意味では、漢字自体がそもそも不向きですね(笑)

 

原理原則を探すような学び方は、そうした学びの「楽しさ」を教えてあげる指導が欠かせません。

人間は誰でも、楽しさも関心も無いことを考え続けることはできません。

子供が勉強以外のことばかり熱中するのも「楽しさ」があるからですし、こうやって親御さんが悩むのもお子さんの成績や将来に「関心」があるからです。

「そんなことを言っても、苦手な漢字が楽しくなるはず無い」と思うかもしれませんが、それはそのとおりです。

だからこそ、あえて苦手な漢字でそれを目指す必要が無いのですね。他に学ぶべき内容、使える素材はいくらでもあるのですから。

そのため、受験に向けた知識面、技能面での苦手の克服と、思考の習慣のようなより深い力については、分けて指導するのが良いと思ってくださいね。

 

○ 参考:勉強法についてはこちらも。

絶対に成績の上がる勉強法の見つけ方

 

今やらなくて良いものもあれば、今こそやりたいものもある

最後になりましたが、おっしゃるように「高校受験だけが人生を決めるわけではない」ですから、「高校や大学生、遅ければ成人してから本人が気が付き自らが変える努力をする。それでもよいのかな?」と考えるのも1つの正解です。

そして、勉強で身につく知識のほとんどにそれが当てはまると思いますし、様々な力についても当てはまる部分は多いです。

ただ、「原理原則を探す」「奥深くまで考える」などの「思考の習慣」については、頭が柔らかい今のうちに身につけたほうが、本人にとっても周囲にとっても圧倒的に楽です。

 

実際に高校生に教えていても、中学生とたった数年違うだけなのに、「思考の習慣」については相当頭が硬くなっていると感じます。大学生に至ってはもうカチコチですね。

確かに、大人になってから本人が気づいて目覚めることも往々にしてありますが、そこに至るまでは、親も先生も上司も先輩も同僚も、皆が苦労させられます(笑)

新入社員を教えていても、「まっさらな状態で入ってくる」とは言うものの、それは社会についての知識や技能の面でまっさらなだけで、思考の習慣や素頭の良さなどは、すっかり凝り固まった状態です。

小学生、中学生、高校生、大学生、新社会人と、それぞれの指導に関わってきたからこそ、脳の仕組みが変わり始める中学生の頃に「頭を使う」ことを身につけさせることが、本人にも関わる周囲にも最も負担が少ないと確信しています。

 

もちろん、それはそれとして、別の部分でお子さんが持っている長所を伸ばし、それが活かせる道を提示することは、親御さんにとっても我々教師にとっても大切なことなのは言うまでもございません。

そういう意味で、短所では無く長所に目を向けておられる姿勢はとても素晴らしいですから、ぜひともその調子で関わってあげてくださいね。

 

○ 参考:育てるべき力についてはこちらも。

家庭教育の心得 家庭で親が教えるべきこととは?

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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