「成績が上がる塾」を検索する時の注意点

塾選びでネットを検索する時、注意する点がいくつかあります。

  • 広告・宣伝が大量に上位される
  • 塾の口コミを書いたサイトは、ステマ・自演・サクラが大量にいる
  • 集団指導塾、個別指導塾、家庭教師・・・etc・・・などの無意味な分類をしたがる

特に、最近の検索結果があまりにひどいため、利用される方は注意してください。

 

まず、塾を探している人が検索しそうなキーワードに反応して、上位には広告が並ぶようになっています。

広告と言っても、今は露骨にそれと分かる広告記事はほとんどなく、普通の記事に見せかけた自社のサービスの宣伝か、紹介料・仲介料を目的とした特定の塾に誘導するサイトばかりです。

一見すると、宣伝と分からないのが非常に嫌らしいですが、始めから誘導する先が決まっている塾選びの記事などは全てステマと同じですから、騙されないようにしてくださいね。

 

また、最近は塾の口コミ系サイトが上位表示されやすくなっており、サイトの数も増えてきています。

しかし、これらはもちろん塾が自分で良いことを書き込むステマも行われていますし、サイトが用意した自演やサクラも昔から普通に存在しています。(そういう求人もあるくらいです)

もちろん、ちゃんとした口コミもありますが、もはや詐欺と変わらない口コミもあるため、結局は「どれが正しいかを見極める目」が求められることになります。

信用できる情報を求めて口コミサイトを探しているのに、またそこでどれが信用できるかを見極めなければならない・・・という面倒くらい現状がありますから、こちらもお気をつけくださいね。

 

一方、あまり意味の無い分類で、いかにも意味がありそうなことを書いて、最終的に自塾を推奨するような記事もとても多いです。

上に書いた「集団指導、個別指導、家庭教師」はほんの一例ですが、この3つの分類にはほとんど意味がありません。

集団指導でも個別指導より面倒見の良いところはありますし、個別指導でもマンツーマンで家庭教師と変わらないところもありますし、家庭教師でも集団塾でしてくれるような指導をしてくれる人もいます。

そもそも、同じ塾でも教室によって「別の塾か?」と思うようなところは普通にありますし、個人対応ができるはずの家庭教師でも全く面倒見の良くない人はたくさんいます。

この手の無意味な記事が上位表示される時点で検索機能としては終わっているわけですが・・・現実がそうである以上、各自でお気をつけくださいね。

 

そして、最近特に驚いたのが「成績が上がる塾」で検索した時の、根拠も何も無いウソの表示です。

 

サイト内までいちいち見ていないため、前後の文脈は知りませんが、こんな文句が強調されて表示されました。(強調スニペットと言うらしいです)

成績が上がるのは10%のみ

そんな方に、衝撃のお話なのですが、に入れて成績が上がるのは10%くらいの子どもです。 それはどんな子かというと、学校の勉強ではレベルが低すぎる子。 つまりオール4.5以上くらいの成績がある子です。 こういった子が大手予備校に入ると、学校のレベルとははるかに上の授業を受けられます。

引用元:googleの検索結果より

塾で最も成績が上がるのは、最上位よりもむしろ成績中位層なのですが・・・百歩譲ってそこは良いとしても、10%という数字には根拠がなさすぎます。

ちなみに、すぐ下に表示されるサイトを見てみたら、「実は塾で成績が上がる子は40%しかいません」だそうです(笑)

あまりに違いすぎて驚くしかありませんが、どちらが正しいかはどうでも良いでしょう。

問題は、ネット上の少なくとも「教育」に関する情報に、いかに多くのウソが紛れ込んでいるかという事実ですね。

 

教育や塾に関して調べ物をされる皆様は、ぜひお気をつけくださいませ。

 

成績が上がる塾であることを宣伝する数字の信憑性

塾のチラシや評判などでこういうものをよく見かけます。

  • 「学年10位以内が**人!」
  • 「塾生の定期テストの平均点が**点!」
  • 「入塾してから**点アップ!」

皆様も見たことがあるのでは無いでしょうか。

しかし、こういった数字を使ったデータに騙されないようにしましょう。

 

学年上位の生徒がたくさんいる塾

「うちの塾には優秀な生徒がたくさん通っています」というのをアピールする文句には注意が必要です。

例えば、学年10位以内の生徒がたくさんいたとしても、その生徒たちが塾に入る前からもともと10位以内だったらどうでしょう?

こういうのを見ると「塾に入ってそうなった」と想像してしまいますが、はじめから勉強のできる生徒たちだったら意味がありません。

特によくできる「最上位の生徒たち」ほど、もともと塾に来なくても最上位である力を持っているような生徒であることがほとんどです。

少なくとも、学年上位の生徒が何人いたところで、その塾の指導力が高いことや、その塾に入れば成績が上がることの証明にはならないのですね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

塾はいつから入れるべきか?

 

塾生の定期テストの平均点が高い塾

塾に通う生徒たちの定期テストの平均点が高いことをアピールする文句にも注意が必要です。

もともと、生徒や保護者の方にとって大事なのは、「平均がどうなのか」ではなく、「自分の子供がどうなのか」ですよね。

実際、平均は高いけれども、上位と下位のばらつきが大きいという塾は少なくありません。

そういうところは「勉強が苦手な生徒を放置して上位ばかり面倒を見ている」わけで、果たして良い塾と言えるでしょうか。

(上位の生徒にとっては良いですが、下位の生徒には不向きですし、何より教育的に見て良いとはとても言えないです)

 

そもそも、入塾時点で学力の高い生徒を選別すれば、それだけで塾生の平均点は高くなります。

反対に、入塾時点で学力の低い子ばかりを受け入れている塾は、平均点が低くて当たり前ですよね。

そのため、最初の学力に関係なく生徒を預かって、それぞれに合わせた指導で生徒を伸ばしている塾よりも、入塾時点で選り好みする塾のほうが平均点は高くなります。

果たしてこれで塾選びの正しい指標になっていると言えるでしょうか。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

個別指導塾の選び方

 

入塾後の点数アップを謳う塾

ここまでを見ると分かるように、入塾してから得点が上がったかどうかがとても重要です。

しかし、残念なことに、この点についての塾側の宣伝(自己申告)は全く信用できません。

 

例えば、1回目が難しいテストで2回目が簡単なテストならば、順位が同じでも点数は簡単に伸びますよね。

しかし、これで上がるのは「見かけの点数」だけで、本当に成績がアップしたことにはなりません。

 

マーケティングや統計学に触れたことのあると分かるはずですが、数字を使ったデータはいくらでも操作できるものです。

ところが、中学生にそんなことが分かるはずもありませんし、数字に弱い多くの大人たちも見たままの数字に騙されます。

 

もちろん、騙すほうが一方的に悪いです。

ですが、自衛するしか良い手が無いのも現実です。

 

実を言うと、私もはるか昔は、こういうことを一生懸命考えてやっていました(笑)

性格上、どこぞの大手塾のようにデータ操作したり嘘をついたりはできませんが、都合の良いデータだけを建物内に掲示するなどはしました。

(ただし、都合の悪いデータは闇に葬ることはしないで、反省材料として常に生かすようにしてきましたから、おかげで地道に指導力をつけることができました)

当時自分で作ったデータを、今になって見返しても「これが本当であればすごいな」と思うデータになっています。

「本当」とは、書かれていることがとりあえず事実として本当なのは当然ですが、その上で「全ての生徒に対して実現可能かどうか」という意味ですね。

 

特定の生徒にしかできないことを宣伝しても、それは私はウソだと思います。

例外はあるかもしれませんが、ほぼ全ての生徒に保証してあげられることが、本物の指導力でしょう。

ですから「平均100点アップ」も、100点上がっていない生徒が半分いるわけですから大して意味の無いデータですし、「学年10位以内が**人」も、10位以下がはるかにたくさんいるのであれば意味の無いデータです。

もともと10位圏外だった生徒が、入塾後に10位以内になり、しかもそれが塾生のほぼ全員ならば文句はありません。

しかし、そんなことは通常あり得ませんよね。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

 

 

成績が上がる塾を見抜く視点

ところで、その塾で成績が上がるかどうかについて見抜く簡単な基準が1つあります。

ただし、極端すぎるため、実際の基準としてはほとんど使えません(笑)

それは、「塾に通って成績が上がるのは当たり前(=塾として、成績を上げるのは当たり前)」と言い切れるかどうかですね。

 

冷静に考えてみてください。

塾に通うことで、通う前と比べて余分に勉強するわけです。

余分に勉強する以上、そのぶんくらいは成績が上がって当然ですよね。

「塾に通っているのに成績が下がる」という事態は、どう考えてもあり得ないのです。

(ただし、実際には通わせる塾の指導力次第で、塾に通うことで安心して家で全く勉強しなくなったり、塾の指導が非効率で学習効果が上がらなかったりなど、塾に入れたのに成績が下がるようなことはいくらでも起こります)

 

成績が上がるのは本人次第・・・と言い訳する塾

こう言うと、「塾に通っていても、成績が上がるかどうかは本人次第だ」という声が、多くの塾から返ってきます。

 

もちろん、いくら塾に通っても、本人が頑張らなければ成績は上がりません。

これは真実です。

 

しかし、本人の頑張りが全てなら、塾に通わせる意味自体が無いという話ですよね?

預かった以上、「本人が頑張るようにもっていく」、つまり「モチベーションをかける」のも塾の役目です。

そもそも、元をただせばモチベーションこそが教師の役割だったはずです。

吉田松陰などの歴史上に出てくる名教師と言われる人たちも、指導力や頭の良さはもちろん優れていたでしょうが、特に優れていたのはモチベーションを上げる力でした。

そこまでを含めたのが指導力であり、本人の頑張り不足を言い訳にして、自分の指導力不足をごまかす塾が多いことには注意が必要です。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

学力別に見た中学生の塾選び

 

強制力で無理やりに頑張らせる塾

何でもかんでも本人次第だと丸投げせずに、本人が頑張るようモチベーションをかける塾が、成績の上がる塾です。

ところが、ここで「本人が自ら進んで頑張る」のではなく、「強制力を働かせて、嫌々でも強引に頑張らせる状態にもっていく」という方法論を取る塾もあります。

もちろんこれでも、ただただ本人次第と言って丸投げするだけの塾よりはだいぶましなのですが、あくまでも「まし」に過ぎないことには注意が必要です。

 

なぜなら、この手のやり方は、成績アップと引き換えに勉強嫌いにさせたり、受け身の生徒に育ててしまいやすいからですね。

実際、「先生が見ている間しか頑張らない生徒」では、社会に出てから通用しません。

先生がべったり教えて、「先生がいないと私は駄目です!」となってしまうのは最悪です。

そうなれば、教えている先生の満足度は高いですし、保護者も「すごい先生だ」と思ってくれるわけですが、これは宗教家のやるべきことであって、教師のやるべきことではありません。

 

大事なのは「先生が見ていなくても頑張れる生徒」「卒業して先生の手を離れてからも自分の力で生きていける生徒」を育てることです。

そして、そうした生徒を育てるのに大事な時期が「中学生」の今なのですね。

ですから、私立中学入試を教える小学校の先生や、大学入試を教える高校の先生よりも、中学校の先生のほうが「モチベーション力」が必要になってきます。

何しろ反抗期が一番ひどくなる時期だけに、強制力が通じにくく、モチベーションをかけないとやるようにならないですから。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

こんな塾には預けるな

 

成績が上がる塾に求めたい指導力

塾や先生が「分かりやすい授業」「力のつく指導」ができるのは、本来当たり前のことです。

そもそも、授業が下手で分からない人がいるというのは、あまりにも異常な事態ですよね。

例えば、大工さんが家を建てられなかったり、医者が診断できなかったりすれば、完全に不適格者扱いされますから。

 

名医は的確な診断は当然のことながら、特殊な病気の権威だったり、手術の優れた技量だったり、患者の心を察する優しさだったり、そういうプラスアルファを持っているわけです。

基本的な病気の診断程度は医者である以上はできて当たり前ですよね。(やぶ医者は除きますよ)

しかし、学校の先生は、最も基本となる「授業」が下手で、生徒が全くついていけなくても成立します。

授業が駄目で部活だけすごい・・・などの意味不明な状態でも成立します。

部活を否定するつもりは全くありませんが、授業ができないのに部活ばかりに熱を入れる先生は論外ですよね。

塾はあまりに下手だとクビになるためさすがに一定レベルはありますが、それでも最低限どまりの人は非常に多いです。

 

授業や説明がうまくできるといった程度の指導力はあって当たり前。

そこから先の、子供をやる気にさせる、全く勉強できなかった生徒を立ち直らせる、苦手だった教科を好きにさせてしまう、勉強以外のことまで心のケアをしてあげる・・・そういうことのできる教師が「良い教師」なのですね。

そして、本来の指導力とは、そこまでを含めて考えるべきものなのです。

 

ですから、成績が上がることを自慢するように宣伝しているような塾は信用できませんし、成績が悪いまま放置している塾はもっと信用できません。

 

もしお子さんが放置されているならば、塾に言ってあげてください。

「塾の先生は、成績を上げるのが仕事ですよね?」と(笑)

 

そこで言葉に詰まる人なら合格です。

反対に、いろいろ言い訳をつけて「生徒が自分でやらないと、いくら教えても意味が無い」などの能書きを言ってくるところは指導力も怪しいです。

確かにそういうケースもありますが、まず自分の非を認めるといった姿勢も無い人間が、素晴らしい教育者のはずがありませんからね。

 

大事なのは「いかに生徒の成績を上げたか」といった過去の話ではなく、「目の前の生徒の成績をどうやって上げるのか」です。

説明会などでは、そういう話を中心にしてくれる塾が良いでしょう。

過去の合格実績や合格体験談などを紹介するのはお決まりですが、そこの時間が長い塾はいけません。

 

そして何より「あなたの成績を絶対に上げます」と言い切れる塾です。

そもそも、自分が上げられない生徒を引き受けるべきでは無いのですから、これは絶対条件ですね。

教えるほうとしては、これを言い切るのがなかなか難しいわけですが(笑)、そこの覚悟を持つことは、生徒と先生両者の成長のためにも大切なことだと思います。

 

○ 参考:塾選びについてはこちらも。

教えすぎないことの大切さ

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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