反抗期がないよりあったほうが良い?
- 「うちの子は反抗期がないけど大丈夫?!」
- 「反抗期が無いと危険という話を耳にしたけど・・・」
- 「中学生になっても反抗期が無い子は将来が心配だと聞きました」
ひどい反抗期で悩む家庭も多いわけですが、反抗期がないならないで悩んでしまう家庭も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、反抗期があるほうが良いのか、それとも反抗期が無いほうが良いのかについて、少し掘り下げてみます。
中学生で反抗期がないのはおかしいのか?
- 「中学生・高校生になっても反抗期がない、うちの子供はおかしいのか?」
そう聞かれたら、答えは「いくつかのケースを除けば、別におかしいことではありません」です。
そうなると問題は「どんなケースだとおかしいのか?」ですが・・・これには前提知識が必要になりますから、慌てず順に見ていきましょう。
まず、一般論で言えば、家庭内の反抗期は「ある程度」はあったほうが良いです。
これは「あったほうが良い」と言うよりも「あって当たり前」と言うほうが正しいですね。
いくら血の繋がった親子であっても、異なる個性や価値観を持った別の人間です。
そして、別の個性や価値観を持った人間が、1つ屋根の下で生活していれば、1つや2つ衝突することは必ず出てきます。
それは親の立場から見ると「反抗された」という感覚になるわけで、それが重なって「反抗期だ」という指摘につながります。
最近増えている、友達のような仲良し親子を指して「親と価値観が全く同じ場合は大丈夫だ」という意見が、ネット上にもありますよね。
しかし、親と子供の価値観が同じになることなど、普通あり得ません。
何しろ、全く同じ遺伝子を持つ一卵性双生児でさえも、成長するに応じて意見や価値観の違いが生じてくるものですよね。
それを親子の間で、寸分違わず意見や価値観が一致するなど、物理的にあり得ません。
(仮に、なったらなったで、それは子供が親のクローンのようになっているわけで、何とも気持ち悪い状態です)
ですから、意見や価値観の衝突が「反抗期」だとするなら、それは「あって当たり前」なのですね。
ただ、そうした衝突が起きることは絶対だとしても、それをどう感じるか(=反抗期と感じるかどうか)は、親によって大きく分かれます。
反抗期がないのは、親がそう感じているだけのことも
実は、子供の言動に対して、「なんて反抗的なんだ」と感じるか、「この程度は反抗と言うほどのことではないな」と感じるかは、個人差がかなり大きいです。
普通、親が子供に対して自分の価値観でものを言った時に、子供がそれに対する反対意見をぶつけてきたら、それは「反抗的な態度」としてカウントされるでしょう。
例えば、親が「夜更かしは良くないから早く寝なさい」と言ったのに対し、子供が「うるさいな、寝る時間くらい好きにさせてよ」と言い返すのは、まさに反抗期っぽい反応ですよね。
けれども、もしも親のほうが素直に「そうか、そういう意見もあるな」と思って納得してしまったら、それは「反抗的な態度」とはカウントされません。
上の夜更かしの例でも、例えば子供が「自分は夜型だから、夜に勉強したほうがはかどるんだ。寝不足にならない範囲にするから好きにさせてよ」と言われたら、反抗的だと感じる人は大幅に減るでしょう。
さらに、もしも「自分の意見がちゃんと言えるとは偉いな」と、むしろ子供の成長を誇りに思ってしまうような大らかな親ならば、「反抗期かも?」という思いはかけらも浮かばないはずです。
また、親自身が夜型で、そもそも「体質に合わないなら、朝早くから起きる必要はない」という価値観だとしたら、そもそも「早く寝なさい」と言うことすらしないでしょう。
こうした場合、もし親が口出ししていれば「反抗的な態度」が出てきていたはずの子供でも、親が口出し自体をしないのですから、「反抗的な態度」も出てきようがありません。
すなわち、子供の中に「反抗期の要素」はちゃんとあっても、それが表に出てこない(=単に、その親の前では出て来ないため、親としては反抗期だと感じることもない)だけということもあるわけですね。
このように、本当に「反抗期が存在しない」と言うよりも、親御さんのほうが「この程度のことは反抗と言うほどではない」と受け止めている場合も意外とあるものです。
実際に、昔を振り返って「うちは反抗期が無かった」と語る親御さんでも、よくよく話を聞いてみると、実は小さな反抗をされていたということがほとんどです。
例えば、買い物で二者択一をする時に「こっちはどう?」と勧めたら、子供は「いや、やっぱりこっちがいい」とわざわざ逆のほうを選んだり、テレビ番組を見ながら「これってこういうことだよね」と言ったら、子供は「いや、こういうことだと思うよ」と言い返してきたり・・・ですね。
無視や暴力など、分かりやすく強烈な反抗ならともかく、普通の反抗には程度の違いがあって、どこまでをただの会話や議論と受け止めて、どこからを反抗と受け止めるかは、親御さん次第と言える部分もあります。
もちろん、無視や暴力まで状態が進んでから「反抗期だ」と悩む親御さんは多いのですが、実際にはそこに至る途中の段階が必ずあるわけで、もっと程度の軽い反抗の段階でうまく手を打てていれば、また違う結果になっていた可能性は高いわけです。
つまり、「反抗の芽」とも言える段階で、うまく対処することのできた家庭では、それほど大きくて分かりやすい反抗に遭遇しないで済むため、「反抗期が無かった」と感じてしまうことも大いにあり得るわけですね。
参考:こういった対応がうまくできていたからかもしれませんね。
反抗期のない子が増えている?
最近は「反抗期のない子」が増えていると言われています。
昔の子供は反抗期があったのが当たり前なのに、今の子供はなぜか反抗期のない子がいる・・・
そういった子供に対して「異常だ」「普通ではない」と言われるせいで、不安になってしまう親御さんもいることでしょう。
しかし、実は「反抗期のない子」の存在は、ちっとも異常なことではありません。
実際に、そういう子供は今に限らず、昔からも存在していました。
例えば、一家全体が何らかの不幸やトラブル等に見舞われて、家族全員で力を合わせて乗り越えているような家庭であれば、子供からしても反抗などしている場合ではないですよね。
また、戦後の復興期とまではいかずとも、経済的に苦しい中で親が頑張って働いて養ってくれている様子を間近に見て、子供が心から親のことを尊敬しているような場合には、反抗する気も湧かないでしょう。
反対に、親が子供の意見や価値観を尊重している良い意味で放任主義の家庭や、単なる甘やかしで何でも許してしまうような悪い意味で放任主義の家庭でも、子供からすれば「反抗しようにも、する場面自体がない」ことになり、これまた表面的には反抗期の無い状態になります。
しかし、そういった家庭であっても、細かいところまでよくよく話を聞いていけば、意見や価値観の小さな衝突は必ずあります。
日々の生活の中で子供を叱る場面が皆無ということなどまず無いですし、親から見て気に入らないところのある言動や、少しカチンと来るような言動を全くしないようなこともまずありません。
ただそれらを親の側が「これくらいなら反抗期に入らない」と受け止めて、小さな反抗をカウントしない家庭は、その時点で反抗期は無いことにもなるわけですね。
一方、いくらうまくいっていて、親が「反抗期がない」と感じるような家庭であっても、親の意見や価値観を完璧に子供に強要するようにすれば、確実に反抗が生まれます。
逆に、反抗期のひどい家庭ほど、意識的にせよ無意識にせよ「親の価値観=子供の価値観」の状態を目指してしまっていることは多いものです。
そういう意味では、親御さんの関わり方やあり方次第で、「反抗期のない子」が生み出される部分もあると言えるでしょう。
反抗期にはいろいろな形がある
また、反抗と言っても、その形は様々ですから、この点でも決めつけはしないであげてください。
分かりやすく反抗的な態度が出ると、「これは反抗期だ!」となりやすいわけですが、そういうぱっと見で分かりやすい反抗期の形ばかりではありません。
<分かりやすい反抗期の形>
- 乱暴な行動に出るタイプ
- 生意気な言葉で出るタイプ
- 見下した態度で出るタイプ
- 皮肉な表現で出るタイプ
- 無視や拒絶で出るタイプ
<分かりにくい反抗期の形>
- 大人びた思考や判断で出るタイプ
- 遠回しなコミュニケーション回避の形で出るタイプ
- ぱっと見ただけでは分からない静かな反抗を見せるタイプ
- 表では従順を装い、内心では見下すタイプ
外からは分かりにくいですが、中には「親の前で良い子を演じることが、聞き分けのない親に対する、自分なりの反抗だ」と口にする大人びた考えの生徒もいるくらいです。
ただし、学校の勉強と違って、どれが必ず正しくて、どれが必ず間違っているという話ではありません。
中には、子供本人でさえも自覚していない反抗の形もあるのが本当のところです。
ですから、よくあるテンプレートな分類だけで考えずに、個々の生徒の内面に寄り添うことを大切にしてください。
参考:良い反抗期と悪い反抗期についてはこちら
反抗期が無かったとしても、特に慌てることはありませんし、それだけで将来が心配になるということもありません。
そこには親御さんの側の「感じ方」も影響していて、小さな反抗を反抗としてカウントしていなければ、現実的には反抗期であっても「親からしたら反抗期が無いように感じる」ことはいくらでもあります。
そういう状態で親御さん自身が「反抗期が無い」と感じるなら、それはそれで良いことですから、特に心配などせずとも、今の調子で関わっていってくださいね。
「反抗期がない」のが危険なケース
ここまでは、主に「実際は反抗期があるのに、親がそうだと感じていないだけ」というケースについて見てきました。
こういったケースであれば、「うちの子は反抗期がない」と感じたとしても、特に心配はいらないでしょう。
同様に「うちの子は、他と比べて反抗期がとても軽い」と感じたとしても、それは「軽い」だけで「ない」わけではないですからね。
反抗期の芽が・・・もっと言えば、親からの精神的な自立の芽が見られるのであれば、基本的には大丈夫です。
しかし、実際にはこれと似ているようで全く異なる、「本当なら出てくるべき反抗期を、親が無意識に封じているだけ」という危険なケースもあります。
また、上記の視点で思い返してみた時に、「言われてみれば、あれが反抗か」と思えるなら良いのですが、「言われてみても、やっぱり反抗らしい言動が思い当たらない」というようなケースも危険です。
せっかくですから、こういったケースについても触れておきましょう。
衝突を回避するために、反抗しない子供もいる
親子と言えども、異なる個性や価値観を持った別の人間です。
それが家庭という小さな世界で暮らしているのですから、それぞれの意見や価値観が衝突する場面は必ず出てきます。
そして、それを親の立場から見ると「反抗された」という感覚につながるわけですね。
ですから、子供が親に反抗するのは、子供が精神的に自立する上でも極めて自然なことだと言えます。
そのため「反抗期が無い」と思っていても、実は「親の目から一方的にそう見えているだけ」という場合がほとんどです。
そして、それが「実際は反抗していたけど、親が無いと感じていただけ」なら良いのですが・・・「実際に全く反抗していなかった」となると、問題がある可能性が出てきます。
意見や価値観が衝突したからと言って、必ずしも喧嘩になるとは限りません。
実際に、夫婦や大人同士の場合には、お互いに大人の付き合いを心得ていますから、ある程度は回避することもできますよね。
もちろん、衝突を完全に避けられる人は少ないでしょうが、相手に「この人は反抗的だ」と思われない程度に振る舞うことは可能なはずです
とは言え、それが成長過程の子供たち・・・特に、思春期や反抗期で自己主張が強く、しかも精神的に不安定な子供たちともなれば、他人との衝突をうまく避けきるのは、かなり難しいです。
もしも全く衝突しないとしたら、どちらかがどちらかに気づかれないように、上手に回避したり我慢したりしているだけの話です。
実は小さな衝突が起きているのに、衝突だと感じていないだけといったケースを見てきましたが、本人にとっては「何も起きていない」としても、実際は上手に回避しているのと同じですよね。
(反対に、親が細かいことまで求めすぎると、子供からすればほんの些細な抵抗に過ぎなくても、親からしたらひどい反抗のように感じてしまうことも起こります)
例えば、気が強い親に、気の弱い子供の組み合わせだと、小さい頃から自分の意見を何度も否定されてきて「言っても、どうせ言い返されるから」と諦めてしまっていることもあります。
親が強権的・威圧的で、時には暴言や暴力を振るってきたような家庭では、親が怖すぎて反抗など思いもよらないこともあります。
また、敏感に空気を読む子供の場合、「お母さんは**してほしいんでしょ?」と、子供のほうで親が望むこと・させたいことを先回りして察し、それが自分の望みであるかのように振る舞っていることもあります。
中には、反抗しようと思う瞬間があっても、「親を悲しませたくないから」という理由で反抗しない優しい子もいます。
そして本来、衝突を回避したり我慢したりすることによる心身の負担は、年長者である大人の側にかかってくるのが普通です。
だからこそ、この時期の親御さんには苦労が多いわけですよね。
ところが、そこの大人がすべきはずの回避や忍耐を、完全に子供のほうに負わせてしまっているような家庭もあります。
そういう極端な家庭における「素直で良い子」とは、単に親にとっての「都合の良い子」に過ぎません。
反抗よりも怖い無気力と同一化
一方で、反抗期が無い代わりに、反抗よりもっと悪い「無気力型の子供」になっている場合を多々見かけるようにもなってきました。
小さい頃から親が理想を押しつけ続け、自分の意見や考えを言えば「反抗的だ」と駄目出しされ、素直に言う事を聞いてさえいれば「良い子」認定される状況に置かれれば、子供が自分を捨てて無気力になってしまうのもしかたありません。
もちろん、奇跡的に親子の性格や好みが似通っていて、衝突する点がほとんど存在せず、何かあっても軽い話し合いくらいで済んでしまうようなケースも全く無いわけでは無いですが、実際には親の代わりに子供のほうが回避や忍耐をしているか、またはこの無気力型になってしまっているかの場合のほうが圧倒的に多いです。
いくら親から見て「素直で良い子」でも、自分の意見や意思といったものがなく、単に生気に乏しいだけの状態になっていないか、注意してみてください。
また、実際のところ、似たもの親子だったり、仲良し親子だったりの間では、好みや価値観の同一化という問題が起こりやすくなります。
そうすると、お互いに衝突すること自体がなくなりますし、むしろお互いが同じであることを心地良いとさえ感じるようにもなります。
しかし、これはお互いがいわば依存し合っている状態であり、どちらか一方(親子の場合は、主に子供の側ですね)の固有の価値観が封殺されている状態とも言えます。
こうなると、この時期に育てておくべき健全な自己や自我が育たないために、もっと後になってから、自身の自己や自我の足りなさを感じて、道に迷うようなことも出てきやすくなります。
最近では、高校や大学どころか、社会人になってから反抗期を迎える子供(大人)も出てきていますが、それらにはこのケースが当てはまることも多いです。
そんな苦労をさせないためにも、依存や同一化によって作られた仮初の「居心地の良い関係」ではなく、お互いを違う人間として認め合った上で成り立つ健全な親子関係を構築していきたいですね。
反抗しない中学生の危険性と恐ろしさ
こういった話は、家庭における親子の関係に限らず、学校や塾における先生と生徒の関係においても同じです。
例えば、大人から見て「自分の考えを持ち、大人に対してでも毅然と意見を言える子」は、聞き分けの良い子を好む先生から嫌われたり、反抗的で生意気だと思われたりしがちです。
反対に、大人の前でだけ素直にしたがって、親や先生から気に入られている子もいますが、実は裏では全く違うという例はいくらでもあります。
こう言うと、演技として良い格好をしているずる賢い子供を想像するかもしれませんが、実際には、単純に誰かの前で強要させられた回避や忍耐を、別の場所で同じように誰かに強要しているだけの子供もたくさんいます。
つまり、その子に回避や忍耐を強要してきた親や先生といった大人たちこそが、「自分のいないところでは別の面を見せる子供」を生み出してしまっている面も否定できないわけですね。
そういう意味では、親や先生の前でだけ良い姿を見せて、外に出ると違う状態の子供よりも、外ではちゃんと頑張って、安心できる場所である家庭内でそうでない姿を見せる子供のほうが、よほど自然な姿だと思います。
(もちろん、外でも内でも裏表が無いのも、それはそれで良いと思います)
子供の良い面も悪い面も受け入れよう
自分の子供が「自分の考えを持ち、大人に対してでも毅然とした意見を言える子」だったらどうでしょう。
多くの大人たちのように「聞き分けが無い」「素直さに欠ける」「生意気だ」と評価するでしょうか。
それとも、良い面として捉えるだけでなく、そんな悪い評価も含めて「自慢の子」だと言えるでしょうか。
自分の子供が「大人の言うことに素直にしたがって、全く口ごたえも反抗もしない子」だったらどうでしょう。
そんな外向けの良い面だけを見て「自慢の子」だと満足するでしょうか。
それとも、自分の意見を表に出さないことに違和感を感じ、本当の思いを押し込めていないか心配するでしょうか。
「もしも全く衝突しないとしたら、どちらかがどちらかに気づかれないように、上手に回避したり我慢したりしているだけ」
どうか、この可能性を忘れないであげてください。
ただ、だからと言って、子供の側に回避や忍耐をさせてはいけないという意味では無いですよ。
むしろ、そうした経験を通じて社会における振る舞い方も学んでいくわけですし、させるべき我慢をさせないのは単なる甘やかしに過ぎません。
回避や忍耐を通じて、子供が精神的に成長するというプラスの面もあって、それが極端だとまずいだけで、要は程度の問題です。
そして、いきなり上手に回避や忍耐ができる子供は少ないですし、そこを上手に促せる親御さんばかりでも無いですから、最初のうちは衝突が起きてしまうのもしかたのない一面もあるわけですね。
(反抗期の対応はとても大変ですが、親も子も成長できる機会でもあるわけです)
ここまで見てきたように、「反抗期がない」状態には、良いものもあれば悪いものもあります。
その中でも特に、本来親のほうがすべき回避や忍耐を、子供にさせてしまっているケースや、子供が無気力型・同一化に進んでいるケースには注意が必要です。
特に後者については、今が良くても将来のどこかの時点で高確率で問題が起こりやすい形ですから、くれぐれも注意してください。
そして、もしもこういったケースが当てはまる場合には、「親の価値観=子供の価値観」を目指しすぎないようにしてあげてみてください。
たまたまお互いの価値観が重なる部分は良いですが、ズレが生じる部分は必ずあるものですから、そこで相手の価値観を尊重してあげることが大切です。
もちろん価値観だけでなく、生徒たちそれぞれの有り様を認めてあげつつ、個々に応じた成長をさせていってあげてくださいね。
反抗期が今はなくても、将来には来るかもしれない
良い形でさえあれば、反抗期は来ないなら来ないでもそれで構わないのは、上で見てきたとおりです。
しかし、「うちの子は反抗期が来ないな・・・」と思っていたら、遅まきになって訪れてびっくりしたという家庭も、現実にはあるものです。
実際に、高校や大学に進んでから反抗期を迎えるようなケースもありますから、くれぐれも油断はしすぎないでください。
なお、はしかやおたふく風邪などのように、反抗期が後にずれればずれるほど症状(反抗)もひどくなる・・・ということは特にありません(笑)
ただ、親の側が驚いて、過剰反応でまずすぎる対応をしてしまい、結果的にこじらせてしまうようなパターンもあるにはあります。
また、いざ反抗がひどくなってしまうと、小中学生なら行動範囲が限られていますが、年齢が上がれば行動範囲も広がりますし、お金や知識なども手にするため、大きなトラブルが起こりやすくなる面もあります。
そういう事態にならないためにも、事前に軽く対処法などに関する必要な知識を頭に入れておくくらいのことはしておいても良いかもしれません。
実際にも、そういう準備をしている人ほど、普段から適切な関わり方ができるため、反抗が起こらないままで済んだり、起きてもごくごく軽いもので済ませたりさせやすいです。
そういう意味でも、こちらでお届けしている、メールセミナー「反抗期の対応法」を参考にしていただければ幸いです。
参考:世間で言われる反抗期の対応の真偽について
反抗期がないほうが勉強のサポートには有利
最後におまけとして、「反抗期がない」ことと、勉強や成績への関連について触れておきましょう。
反抗期によって、親御さんが最も困ることが多いのは「勉強に関するサポート」のしづらさです。
- テストが近づいても勉強しようとしない・・・
- 受験生なのにちっともやる気が無い・・・
- 本人なりに頑張っているが成績が上がらない・・・
- 進路や将来のことを真剣に考えようとしない・・・
- 塾に入れても勉強しない(成績が上がらない)・・・
中学生くらいになると、こういった不満や悩みを抱える親御さんはとても多くなります。
そこで、親や先生のサポートの出番となるわけですが、子供が反抗期になってしまえば、こちらの言葉には耳を貸さなくなります。
もしも、親や先生の側で「こうすれば良い」というのが確実に分かっていたとしても、反抗期の子供がそのとおり素直にやることはほとんどありません。
しかし、反抗期がない子供であれば、それだけこちらのサポートがうまく機能しやすいため、問題も改善に近づいていきやすいわけですね。
ただし、その際には当然ながら「サポートの質」が問題になってきます。
小学校低学年くらいの聞き分けの良い子供でも、指導力の低い先生に当たれば、勉強はどんどん苦手になっていくものですよね。
子供が素直であればあるほど、それだけ関わる側の力量の有無が影響するわけで、もちろん親御さんの立場でもサポートの質の善し悪しが問われることになってきます。
ただ少なくとも、勉強のサポートに限って言えば、反抗期がない生徒を相手にするほうが、はるかにしやすく有利です。
何しろ、関わる側がサポートの質を上げたら上げただけ成果も出やすくなるものですから、そういう意味では頑張りがいがあるとも言えるでしょう。
具体的な改善方法などはメールマガジンの中でも定期的にお伝えしていますから、そちらも参考にしていただきつつ、良質なサポートの実現を目指してくださいね。
※参考:反抗期の勉強に関する悩みはこちらも
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