「反抗期で成績が下がった」

そんなふうに反抗期の成績不振でお悩みの親御さんもおられることでしょう。

ここでは、反抗期で成績が下がる理由と、その対処法を見ていきましょう。

 

反抗期で成績が下がる理由

反抗期と成績の低下が一緒に訪れて、苦労される親御さんはとても多いです。

もちろん、反抗期だけが成績低下の原因では無いのですが、反抗期と成績の急低下がセットで訪れることが多いのは事実です。

 

反抗期は、正しいアドバイスでも聞き入れなくなる

反抗期に入ると、親や先生の言う事を聞かなくなりますよね。

もちろん、それが間違ったアドバイスなら聞かなくても問題はありません。

しかし当然のことながら、勉強に関する正しい指導や助言でさえも、素直には聞き入れにくくなってしまいます

 

とても優秀なビジネスマンでも、周囲の正しいアドバイスに耳を貸さなくなったら、仕事の成果が出にくくなりますよね。

それと同じく、どれだけ優秀な生徒であっても、周囲の正しいアドバイスを聞き入れなくなったら、成績は下がりやすくなります。

それどころか反抗期になると、仮に親や先生の言うことが正しくても、その逆のこと(=間違ったこと)をして、わざわざ学習効果を落としてしまうようなこともあります。

これでは、成績は下がっても、上がることはありませんよね。

 

この「正しいアドバイスであっても耳を傾けなくなる」というのが、反抗期で成績が下がる理由の1つ目です。

 

自分で学ぶ力が要求されてしまう

今まで親や先生の言うとおりにだけ勉強してきていたタイプの生徒は、自分で考えて実行する力が育っていません。

中学受験時によく見られるような、親が面倒を見すぎてしまう関わり方をされたことで、「学力」だけが伸びて、「学ぶ力」が全く伸びていない生徒もいます。

 

しかし、反抗期になると、その子に力が育っていようといなかろうと関係なく、親や先生の言う事は聞きにくくなります。

だからと言って、それまで「自分で学ぶ力」が育っていない生徒が、いきなり自力で学べるようになるはずもないですよね?

自分で学ぶ力も無いのに、親に反抗して言われたとおりにやらなくなれば、成績が下がるのは自然なことです

 

この「自分で学ぶ力が要求されてしまう」ことが、反抗期で成績が下がる理由の2つ目です。

 

反抗期には通知表の成績も下がる

ここまでは「学力」の話でしたが、実は「学校の成績(通知表や内申点)」も下がりやすくなります。

 

反抗期がひどくなると、学校の先生の言う事も聞きにくくなります。

学校の先生に対して反抗すれば、授業態度も悪くなって、通知表の成績が下がるのは当たり前ですよね。

提出物の期限を守らなかったり、指示されたのとは違うやり方をしてみたり、素直に発言すべきところを斜に構えてみたり・・・どれも成績にはマイナス評価です。

 

通知表や内申点に関しては、先生への印象も含めて、反抗期が得なことは何ひとつありません。

反抗期になって「大人を見返してやる!」と勉強を頑張ってくれれば良いのですが、現実はなかなかそうならないわけですね。

 

反抗期の成績低下への対処の際に気をつけたいこと

反抗期になると成績が下がりやすいからと言って、反抗期になるのを未然に防ぐことはほぼ不可能です。

もともと反抗期になりにくい子供や、なっても反抗が弱い子供もいますが、そういうのは生来のものだったり、幼少期から時間をかけて作られてきたものですから、今から慌てても始まりません。

また、本人や親の育て方だけでなく、周囲の環境の影響も非常に大きいものですから、いくら親御さんが気をつけてもどうにもならないことはあります。

 

そのため、反抗期に入るのはしかたないとして、大事なのはいかに対処するかのほうです。

その際にまず心がけたいのは、「いくら成績低下につながる言動だったとしても、いきなり頭ごなしには否定しない」ことですね。

大人の立場で反抗期の子供の言動を見ていると、「そんなことを言って(やって)いるから成績が下がるんだ!」と思ってしまいますし、上で見てきたとおり実際にそのとおりです。

ですから、最終的には修正が必要になるでしょうが、少なくとも「いきなり」や「頭ごなし」には直そうとしないようにしたいです。

 

その次に心がけたいのは、子供が何に対して反発しているのかを理解した(見極めた)上で対応することですね。

もちろん、意味もなくやたらめったら反発するような子供も中にはいますが、一般的には、親や先生の言動の中に、子供にとって理不尽なところや、納得のいかないところが潜んでいるものです。

もともとそこまで勉強が嫌でなくても、そういった「どうしても我慢ならないところ」に対する反発や怒りが勉強のほうに向かってしまい、「(そんな親や先生が求める)勉強なんか絶対にやらない」となってしまうケースも少なくありません。

そういった、親や先生に対する悪感情を理由にしてやろうとしない生徒については、「親(先生)が嫌いなのは分かったし、そう思うのもしかたない。しかし、それが勉強しない理由にはならないぞ」と説得が必要な場合もあるくらいです。

親や先生の側に「子供からの信頼を失わせる原因」が存在するケースは意外と多く、それを無視して子供が感じている反発心そのものを頭ごなしに否定するのは、状況を悪くするだけですからやめておきましょう。

 

また、勉強の内容や学ぶことそれ自体に対して反発を感じる生徒もいます。

こうなると、当然勉強はしたくなくなりますし、中には「勉強することの意味」を考え始めてしまう子供もいます。

「学生が勉強するのは当たり前だろう」と頭ごなしに言いがちですが、時には生徒の疑問に答えるような形で丁寧に対応すべき場合も出てきます。

 

ただし、子供たちの「勉強への反発心」は、筋の通らないものが多いです。

実際でも「学校の勉強はしないけれども、将来自分の役に立つ勉強、興味の持てる勉強はする」というようなケースは少なく、大抵は「学校の勉強もしないし、他にも何もしない」となりがちです。

前者はある意味で筋が通っていますが、後者は単なる言い訳であり、嫌なことから逃げているだけですよね。

相手の言い分に筋が通っているかどうかは客観的に見極めるべきですし、通っていなければそこはしっかりと指摘してやらなければなりません。

大切なのは「子供の正しい理屈、言い分」と「単なるわがまま、詭弁」とを聞き分けて、状況に応じた態度をとることです。

 

○ 参考:反抗期で勉強しない子供への対応についてはこちらもどうぞ。

反抗期で勉強しない子にどう対応するか?

 

間違った対応が、反抗と成績低下をひどくする

客観的に見て正しい理屈がある時や、何らかの子供なりの言い分があってしているような時には、無理やり力で押し込めるようなやり方は絶対にいけません。

反対に、子供の単なるわがままや筋の通らない詭弁に対して、受容し甘やかすようなやり方も教育とは言えません。

 

子育てには「受容」や「承認」がとても大切ですよね。

そのことは今さら私が言わなくとも、子育て関連の書籍やブログなど、様々なところで言われています。

しかし、受容や承認だけが偏って強調されるせいで、受容すべきでない事柄に対する対応がしっかりとできていないケースがとても多いように感じます。

 

子供の自立を促す上でも、相手の意見を聞き、採用してやることはとても大切です。

しかし、間違ったことにまで受容や承認をしてはいけません。

そこに明確な基準やメリハリがあってこそ、子供は他人の話に耳を傾けながら正しい判断ができるようになり、まっすぐに自立していくこともできるのですね。

(ここは親御さんだけではなく、先生でも取り違える方が多い点で、授業崩壊などの原因にもつながる部分です)

 

もちろん、これは反抗期対応に限らない話ですが、反抗期には特に重要になる考え方です

そして、反抗期にはそこの加減が特に難しくなることが、幼少期は問題なく過ごせていたのに、反抗期に問題が噴出するケースが多い理由の1つになっています。

このことは、まだ反抗期が訪れていないご家庭ほど、知っておいていただきたい知識ですね。

 

すでに下がってしまった成績をどうするか?

一方、すでに反抗期を迎えてしまった場合はどうすれば良いのでしょう?

答えはもちろん「下がった成績を取り戻すための手を打つ」に決まっているわけですが、そこで1つの大きな壁が立ちふさがります。

それは、たとえこちらが有益なアドバイスをしたとしても、成績が下がるような状態の反抗期の子供は、素直に耳を貸さないことですね。

いくら効率が良くて、確実に成績を上げられる素晴らしい勉強法があったとしても、本人が聞き入れなければ何の意味もありません。

 

そのため、この場合には「効果的な勉強法を教える」「成績を取り戻す秘策を授ける」といったことよりもまず先に、「こちらの言葉に耳を貸す状態を作る」ことが必要となります。

つまり、反抗期をやわらげるための関わりであったり、反抗期でも受け入れやすい物の言い方であったりを、まずは意識するということですね。

成績アップのノウハウや正しい勉強法を教えるよりも前に、「こちらの言葉に耳を貸す状態を作る」という余計なステップが1つ増えるのが、反抗期前までの対応と大きく異なるところと言えます。

ただし、反抗期には「聞いたふり」「聞くだけでスルー」なども上手になってきますから、ここの「耳を貸す」というのは、ただ単に「表面的に耳を貸す状態」ではなく、あくまでも「心から耳を貸す状態」であることは誤解の無いようにしてくださいね。

(反抗期に合わせた対応については、サイト内にたくさん記事がありますから、そちらをどうぞ。例えば、「反抗期の対処法 小学生・中学生の反抗期にどう対応するか?」などを参考にしてください)

 

最近では、小学生の早い段階で反抗期を迎える子供もいれば、大学生になってからようやく反抗期を迎える子供もいます。

開始時期だけでなく、反抗期の程度の強さや内容も多様化が進んでいますから、親や先生の側の対応も柔軟にしていってくださいね。

 

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楠木塾長

かれこれ20年以上の指導経験と、1万組以上の相談対応件数を持つに至る、プロも相談するプロ。小中学生から高校生、大学生、社会人まで幅広く指導を行うが、このサイトでは中学生指導に専門を絞って独自の情報発信を続けている。また、反抗期・思春期の子育てや教育に関しても専門性が高く、保護者や指導者への助言指導なども行っている。

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